ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216のデータベース

−全27組中映像が18組もあり、多彩な素晴らしい演奏がいろいろある。時間がかかったが、全18組の映像のアップがやっと完了した−


ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216のデータベース(2018年01月現在)、

1、当初の頃のヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216のデータベース(2008年2月現在)、

  2008年2月現在の私のデータベースでは、下表のように全19組あり、そのうち映像は12組もあって、多彩な素晴らしい演奏がいろいろある。その殆どがコンサート・ライブのものなので、迫力ある素晴らしい演奏が揃っている。

  12組の映像のうち、ここ3〜4年の間にエアチェックしたものが5組あり、いずれもデジタル録画され、毎月のソフト紹介で報告済みのものである。
  アーノンクール・クレーメルのヴァイオリン協奏曲全集はDVDになっているし、スダーンとモーツァルテウムのファウストのものは2001年のモーツアルト週間の新しい映像である。また、鈴木秀美と若松夏美の古楽器グループによる純国産の録音もCDで発売されている。また、マゼールの35歳の時の弾き振りは、極めて古い映像であり、40年前のウイーンフイルと楽友協会ホールの姿を見ることが出来る。今回アップしたムッター2とカメラータの映像は、彼女のCDによるロンドンフイルとの全集版を仕上げた直後の、Mイヤーを記念したザルツブルグでの2度目の全集版であり、今回は映像で収録されていたが、彼女のさりげない指揮振りも魅力の一つであった。
表−1、ヴァイオリン協奏曲第三番ト長調K.216のデータベース
番号入手日付メデイア指揮者オーケストラヴァイオリニスト録年月メモ
58LPMuchingerStuttgartFerras
104 CD(Menuhin)Bath-Fest-OMenuhin16400全集+A
1041118SD(Maazel)Wiener-POMaazel6500CS736CH(5-1-1)
980213CD(Schneiderhan)Berlin-POSchneiderhan6503全集
881120CDGibsonNewphil-OSzerryng6911全集
1010530CDWellerRoyal-PO藤川真弓79001〜5全集
1010530SDHarnoncourtWiener-POKremer8500CS736映像全集(1-6-1)
102CDMarturetConcertge-COVerhey8900Brill全集
940522VT(Dumay)Toulous-CODumay8910LDcopy(14-7-2)
10920905VT秋山和慶Tokyo-SOParlman9200NHK教育TV(17-11-2)
11930213VTFournetNHK-SOD.Kang9300NHK教育TV(17-9-2)
12930501VTHeitinkBerlin-POZimmerman9305BSLive中継(15-5-1)
13960421VT(Stern)宮崎COStern9603NHK教育TV(15-2-2)
14970412VTSteinbergNHK-SOKuhren9701NHK教育TV(17-6-1)
15990529VTPrevinNHK-SO堀正文9905BS11(13-5-1)
161020214SDSoudentMozarteumFaust10002CS736CH(2-3-1)
171040622SD鈴木秀美O-Libelacla若松夏美10402BS103CH(4-8-2)
18105CD (Mutter)London-POMutter110507全集
191070609SD(Mutter)Camerata-SalzMutter210512映像全集(8-2-1)
201091126DVD(Kelemen)Ferenc Erkel-COKelemen10605映像全集(10-3-1)
211120316BD48.5(Menyuhin)F-Nal-Brod-COMenyuhin26700CS736(13-2-2)
221150125DCH(Tetzlaff)Berlin-PO-EnTetzlaff11501BP-DCH(15-8-2)
231140517DCH(Zimmermann)Berlin-POZimmermann11405BP-DCH(15-8-3)
241000331VTRotterMozarteum-UOTsinman9100736CH(16-3-2)2/3楽章
251170317CD(Mullova)Age of Enlight.OMullova10107M225全集CD75
18'1170317CD(Mutter)London-POMutter110507M225全集CD89
261170327HD-5P.JarviNHK-SOJansen11702NHK103(17-4-1)
11’1170918VTFournetNHK-SOD.Kang9300NHK教育TV(17-9-2)
10'1171110VT秋山和慶Tokyo-SOParlman9200NHK教育TV(17-11-2)
271171114CDWalterColumbia-SOFrancescatti580010CDBox盤

注)メデイアの覧で、VTとはアナログビデオテープであり、S-VHSの3倍速で録画している。DDまたはSDとは、デジタルビデオテープであり、DはD-VHSテープ、SはS-VHSテープに、LS-3モードで録画している。SAは高規格CDのSACDを意味している。


 この曲の最初のレコードは、クリスチャン・フェラスの10インチのLPであった。これがとてもお気に入りのレコードになったので、長らくこの曲を求めようとしたことがなかった。CD時代になってシェリングの協奏曲全集を購入したが、これがこの曲の2枚目のレコードである。
 この表の大部分は、エアチェックにより収集したものであるので、CDよりもテープのものが多く集まっている。

(以上)(05/01/11)(改訂08/02/08)(再改定2017/09/20)


2、2006年のMイヤー以降の映像のアップロードの経緯、(2017年10月現在)、

2−1、最新のケルメンのDVDと、最も古いメニューヒンの映像記録、

      06モーツァルトイヤーにおいては、ムッターの協奏曲全集ライブの他に、ハンガリーの逸材、 バルナバス・ケレメンの弾き振りによるヴァイオリン'協奏曲全集の2DVDの映像(10-3-1)が、遅れて発売になり、映像が一挙に豊かになった。この映像には、5協奏曲の他にK.190やK.364に加えて、オーケストラのための小品集が含まれており、初めて聴くフェレンク・エルケル室内楽団の面々も素晴らしく、最高の映像となっていた。06年5月の芸術宮殿でのブタベストの録音であり、私は次のように紹介していた。
      「ケレメンはヴァイオリンを弾きながら指揮を取り、トウッテイの演奏に参加しながら一転して独奏ヴァイオリンを弾き出すという一人舞台の名人芸には驚かされた。彼がヴァイオリンを弾く姿は絵になっており、ヴィルテイオーゾ的な演奏スタイルが良く似合っていた。また、指揮者としてのリーダシップもしっかりしており、顔の表情で指揮をする名人芸的な側面も持ち合わせ、アンサンブルもしっかり取れていた。」

       また、 クラシカ・ジャパンの特集「20世紀の巨匠たち」から抜き出したメニューインの映像(13-2-2)は、白黒の映像であるが、絶頂期を超えた頃の演奏を捉えていた。ここでは、 メニューインが年齢とともに、自ら指揮をしたりして和声やアンサンブルを大切にするヴァイオリニストに変貌しつつあり、メニューインが、年齢を増すごとに演奏スタイルが変わってきて、現代のピリオド奏者たちが試みているようなことを先駆的に実行していることが、別の5枚のCDでも理解でき、それが今回の第3番のリハーサル風景にも現れているような気がした


2−2、ドイツグラモフォンの最新のDCHによるテツラフとツインマーマンの二つの映像、

続いて最新のベルリンフイルの映像は、別途有料のBP-DCHより得られるが、2014年05月17日のフイルハーモニー・ホールの最近のコンサートでは、名指揮者アバドの急逝と言うことで、「ロザムンデの音楽」よりアバドを偲ぶ間奏曲がベルリンフイルにより演奏されて、続くヴァイオリン協奏曲第3番では、アバドを偲んで指揮者不在のまま、ツインマーマンが指揮もトゥッティも引き受けて、まるで一人舞台のように名人芸を披露していた。

また、もう一人のドイツの実力者、 テツラフのヴァイオリンとベルリンフイル・オーケストラ・アカデミーによるヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216およびロンドハ長調K.373の映像が、2015年01月25日に、フイルハーモニー・ホールで記録(15-8-2)されていた。このヴァイオリン協奏曲のテツラフは、トウッテイにもごく自然に参加して、室内楽団とアンサンブルを楽しむという室内楽的なバランスの良さを見せていた。また、指揮者としてのリーダシップもしっかりしており、ヴァイオリンの技巧を駆使する名人芸的な側面も十分に持ち合わせていた。


2−3、M225CD全集とワルターの10CDBOX盤による3CDの演奏の追加、

       最近入手したM225CD全集には、二組のピリオド奏法による演奏とモダン楽器によるものとが含まれていた。その第一は、ヴィクトリア・ムローヴァとエイジ・オブ・インライトメントによる彼女の弾き振りの演奏であった。彼女の2003年11月3日のすみだトリフォニーホールにおける日本公演では、デイヴェルテイメントニ長調K.136、ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調K.207、交響曲第40番ト短調ほかを演奏(4-4-1)していたが、新鮮な響きを聴かせる古楽器集団と女性ソリスト・ムローヴァの爽やかな協演が印象的であった。今回の全集でも、第2番〜第4番の3曲が収録されており、古楽器の第一人者の貫禄を示していた。

       モダン楽器による演奏では、ムッターのロンドンフイルとの弾き振りが収録されていたが、残念ながらこのCDは重複してしまった。しかし、改めてこの演奏を聴き直すと、映像のように彼女のさりげない指揮振りは見られないが、演奏は素晴らしく名盤であると感じさせていた。

        ブルーノ・ワルターの10CDBox盤に含まれていたヴァイオリン協奏曲は、あのフェランチェスカッテイがヴァイオリンを弾いており、この第3番K.216と懐かしい第4番ニ長調K.218の2曲が含まれていた。この演奏も改めて聴き直すと、ワルターの暖かみに溢れた伸びやかなゆったりしたオーケストラに誘導されて、フランチェスカッテイが実に彼独自の繊細な美しい音を聴かせており、やはり素晴らしいものであった。ステレオ録音のしっかりしたCD であり、感動的な優れた演奏であった。


2−4、2017年のジャニーヌ・ヤンセンとヤルヴィ・N響の最新映像と、「総括」のためにアップした、古いカンとパールマンなどの映像の紹介、

始めの2017年3月27日(月)にNHKから放送されてHDD-5に収録されたばかりのものであるが、このヴァイオリン協奏曲第3番K.216は、2016年に創立90周年を迎えたN響が、ヤルヴィを首席指揮者に向かえて初めてのヨーロッパ・ツアー記念コンサートの初日「N響 in Berlin」の演奏(17-4-1)であった。この演奏では、にこやかな笑みを見せながら楽しげに指揮するヤルヴィの軽快なテンポに乗って、ジャニーヌ・ヤンセンのきめ細かな透明感溢れる独奏ヴァイオリンがよく響き、オーケストラとの一体感溢れるアンサンブルの良い協奏曲であり、実に爽やかな演奏であると感じさせられた。

       その他古い映像には、D.カンのヴァイオリンとフールネ指揮N響の演奏(17-9-2)およびやパールマンのヴァイオリンと秋山和慶指揮東響の演奏(17-11-2)は、アップを急がれていた最後の古い映像であったが、いずれもこの曲を理解するには十分な立派な演奏であった。しかし、いずれも20年以上前の演奏であり、既に忘れられた存在になっているのが残念であった。これらの中には、ツインマーマンがデビューした頃の若々しいベルリンフイルとの演奏(15-5-1)、或いは、アイザック・スターンの最後の日本公演記録(15-2-2)、さらには懐かしいデュメイのLD記録(14-7-2)なども表-1には残されており、いずれも忘れがたい古い演奏が、テープの中に残されていた。


3、全体のまとめと感想、


       以上の通り、このヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216のデータベースを見ると、全27組中映像が18組もあり、多彩な素晴らしい演奏がいろいろある。とても時間がかかったが、全18組の映像のアップがやっと完了し、胸を撫で下ろしている。この曲は、どうしてこんなに良く弾かれる曲なのであろうか。

       この曲ばかりでない協奏曲の映像による全曲演奏が三組もあり、これはモーツァルテイアンにとって忘れられない基本的な映像として評価したい。その第1はアーノンクールとクレーメルによる演奏(1985)であり、まだ若いクレーメルが凄い熱意を持ってエネルギッシュにアンノンクールに向っていくような演奏を見せていた。最近、クラシカジャパンでアーノンクールの没後に放送されたものを改めて見ているが、オーケストラがウイーンフイルであるのも面白く、素晴らしいものがあった。第2はムッターの指揮とヴァイオリンによるカメラータ・ザルツブルグの全曲演奏(2005)であり、06年のMイヤーの記念演奏であった。彼女の弾き振りは珍しく、これは室内楽的なまとまった演奏と言うことができようか。また、第3の映像は2枚のDVDになっているハンガリーのケルメンの全曲演奏であり、2-1で詳しく述べているので繰り返さない。これら三つの全集は、第3番K.216ばかりでなく、他の4曲の協奏曲にも共通する基本となる演奏として評価されるのではなかろうか。

           この第3番に限って、独断と偏見で好きな演奏を取り上げてみよう。最近の映像の中からは、ツインマーマンとベルリンフイルのオーソドックスな演奏(2014)やテツラフとベルリン室内楽団とのアンサンブルの良い演奏(2015)などが素晴らしいと思ったし、また古いものではパールマンの堂々とした演奏(1992)も魅力的な演奏であった。映像では古楽器の演奏が少なく、若松夏美とリベラ・クラシカの初期の演奏しかなく残念であった。
        また忘れがたい映像として、ドキュメンタリーも含んだアイザック・スターンの恐らく最後の宮崎での来日演奏(1996)などは、親しみやすさを前面に出した巨匠の姿が忘れられないものになっている。


(以上)(2018/01/15)


     
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