オイロス・アンサンブルのグラン・パルテイータ


第438回日本モーツアルト協会4月例会、2002/04/18、東京文化会館小ホール

オイロス・アンサンブルのグラン・パルテイータ 

2002/04/18、東京文化会館小ホール、(第438回日本モーツアルト協会4月例会)


当日のプログラム;オールモーツアルト・コンサート
 

1、デイヴェルテイメント、変ホ長調、K.252、
2、デイヴェルテイメント、ヘ長調、K.253、
3、8管用(2ob、2cl、2hn、2fg)の断片、
アンダンテ、変ホ長調、冒頭18小節K.384B、
行進曲、変ロ長調、冒頭4小節、K.384b、
アレグロ、変ロ長調、冒頭16小節、K.364c、
セレナード?、ハ短調 、冒頭2小節、K.deest、
4管用(1cl、3bhn)アダージョ、ハ長調、28小節+45小節、K.580c、

−−休憩−−

4、セレナード、変ロ長調、K.361、「グラン・パルテイ−タ」

 モーツアルト協会4月例会のオイロス・アンサンブルによる木管合奏でのオールモーツアルト・コンサートがとても楽しく、特にグランパルテイータK.361が 非常に良かったので、久しぶりでライブのコンサートのご報告をしたい。

 冒頭に9人(8管+Cb)でいきなり演奏された曲は、意表をついて、プログラムにもない「フィガロの結婚」の序曲であった。いつも聴くヴェントの8管のものと響きが少し違って聞こえたが、やはり生の演奏は美しく迫力があり、とても楽しめた。お客さん全員がモーツアルト好きと知った上でのご挨拶の演奏であったのであろうが、われわれにはこれからの演奏への期待を一気に高める絶大な効果があった。

 気分が盛り上がったところで演奏された最初の2曲は、いずれもザルツブルグ時代のデイヴェルテイメントであって、6管(2ob、2hn、2fg)で演奏された典型的な食卓音楽であり、2曲ともアンダンテで始まる曲であった。はじめのK.253は、シチリアーノのリズムに乗ったゆっくりしたアンダンテで始まりオーボエが終始リードする。メヌエットではホルンが活躍し、ポロネーズに終曲はアレグロと、ソナタ形式がない完全なバロック風の組曲である。第2曲のK.252は、アンダンテ主題とその変奏でやはりオーボエ中心の変奏である。後は単純な軽いメヌエットとアレグロの3楽章で終わる。オーボエのリードがとても良く、また軽やかなリズムが心地よく、とても楽しめた。恐らくレコード以外では初めて生で聴いた曲と思われる。

 プログラムの第3は、断片曲シリーズ。これも大変なサービスプログラムであり、恐らく本邦初演なのであるまいか。家に帰ってレコード録音があるかチェックしてみたが見当たらなかった。冒頭の8管のアンダンテK.384Bは極めて荘重な深みのある曲で、断片で終わるのが残念であった。また、4管のアダージョK.580cは、アヴェヴェルムに似たような曲に聞こえ、もう少し作曲してくれればと残念な曲であった。われわれ素人は、新全集のスコアを持っていても音に出来ないので、レコード録音がなければ、演奏家の好意による演奏でしか断片曲を聴くことは出来ない。お客さんを大事にする演奏家には、こちらも応援してあげなければならない。

 グラン・パルテイータの冒頭のラルゴは非常に遅く、それだけ和音が分厚く感ずる。クラリネットに導かれるアレグロは対照的に早めに聞こえ、生き生きとしたテンポで終始する。メヌエットに続くアダージョは、単調な繰り返しのリズムなのに、何とえぐるような深さを感じさせる。アマデウスの有名な場面を思い出さざるを得ない。私は第6楽章の変奏曲が大好きであるが、この主題はフルート四重奏曲K.285bの主題と変奏を移調して、より賑やかに書き直したもののようだ。

  4本のホルンと2本のバスクラリネット(バセットホルン)にコントラバスが加わると、非常に重厚な合奏になり、クラリネットとオーボエが醸し出す色彩的な音場と溶け合って、実に楽しく深みのある独特の木管合奏の響きを作り出す。なかなかライブのコンサートでは聴けない曲なので、心して音色を頭に刻み込んだ積もりである。

 グラン・パルテイータは、繰り返しを全て演奏したようなので55分ほどかり、終わったのは9時を過ぎていた。演奏会の後、フェラインの仲間たちのオイロス・アンサンブルの評価は、なかなか良くやはり久しぶりでレコードに負けないグラン・パルテイータを聴いたという印象であった。満足感溢れる良い気分で、ごく最近改装したばかりの上野駅内の食堂街で、皆さんと食事をしながら楽しい一時を過ごした。今度はこのオイロス・アンサンブルにより、オペラのハーモニー・ムジークをやって欲しいと思う。

(以上)(2002/04/20)



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