常磐沿線のクリスマスコンサート


野村秀美指揮、X'masコンサート合唱団及びX'masコンサート管弦楽団 、松戸市森のホール21、

常磐沿線の早めのクリスマスコンサート
 

−−野村秀美指揮、X'masコンサート合唱団及びX'masコンサート管弦楽団−−

 2001.12.16.(SUN)16:00 、 松戸市、森のホール21、


プログラム:オールモーツアルト・コンサート、


1、交響曲第25番ト短調K.183

2、ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」K.537
     ピアノ独奏;出野裕子、

−−休 憩−−

3、戴冠ミサ曲ハ長調K.317
ソプラノ;前田地香子、
アルト ;戸邉 裕子、
テノール;布施 雅也、
バ ス;初鹿野 剛、




 少し早いクリスマスコンサートかと思ったが、オールモーツアルトの素晴らしいプログラムのコンサートのご案内があったので、16日の日曜日の昼下がりに出かけてきた。場所は、自宅から車でゆっくり走って15分ぐらいの松戸市「森のホール21」の大ホールであり、広々とした公園内でゆったり駐車できるので、自宅から出かけるときはこのホールはいつも車で出かけることにしている。車で行くと便利であるばかりでなく、特に帰りの車中でコンサートの余韻を壊さない個室の状態になるので、なかなか豊かな気分がしてよいものである。

 このコンサートの演奏者は、「戴冠ミサ曲を歌いたい」として集まった、本日のこのコンサートのために特別に結成された 合唱団であり管弦楽団であるようだ。X'masコンサート合唱団およびX'masコンサート管弦楽団 による演奏であり、主催がX'masコンサート実行委員会と言うようになっている。解説書によると、指揮者の野村秀美氏の指導のもとに、常磐線沿線の柏市、流山市、取手市の混声、女声、男声合唱団を母体に、モーツアルトの「戴冠ミサ曲」をこよなく愛する約100名が集まり、今年3月に初顔合わせを行って以来、月1回の合同練習を重ねて来たようである。
 また、34名からなるX'masコンサート管弦楽団もこの日のために特別編成されており、国内外でのオーケストラ、ソロ、アンサンブルでの数々のステージを経験し、また演奏家指導にあたるなど、幅広い音楽活動で目下最も活躍中の優秀なプレイヤーが集結しているようだ。ざっと見渡したところ、プレイヤーの2/3以上が若い女性で占められていた。

 指揮者の野村秀美(1950〜)氏は、プロフィールでは、齋藤秀雄氏に指揮法を学び、パリに留学して、C.デーヴィスの助手を努めたり、ブーレーズについて現代指揮法を学んだりして、1999年ジュネスオーケストラを振ってフランスデビュー。2001年ソルボンヌ大学オーケストラを指揮して好評を博すとあり、まだ国内実績が少なく、外国で実践的にご苦労を重ねてきた方のようである。このX'masコンサートは、氏の意欲とそれに賛同した合唱団の方々の熱意の結果、誕生したものと言えそうである。

 交響曲第25番ト短調の第一楽章は快いテンポで開始されその後に期待を持たせたが、弦を支えるホルンが音を外したり不安定であったりして、それが気になって音楽に浸れない。アンダンテのゆっくりした第二楽章や快調なメヌエットはとても良く、管楽器だけのトリオも無難であったが、最終楽章でやはりホルンが不調で生彩を欠いた。

 ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」のソリストの出野裕子さんは、1999年に柏市のアミュゼ柏で第9番のジュノム協奏曲をこの指揮者のもとで演奏した実績がある若いピアニストである。この曲はさっそうとしたテンポで始まるが、ピアノが入るとピアノの音が響きすぎて一瞬戸惑いを感じたが、時間とともに馴れて気にならなくなった。カデンツアはランドフスカのものだそうであるが、余り聴いたことのないものであった。第二楽章は、ピアノの音が美しく安心して楽しめた。余り早過ぎなく、飾りも一つ入れ、しばらくしてまた一つと、行き過ぎないのがよい。ロンド楽章も明るく快調に進んだ。ホルンが目立たないのがよかった。

 戴冠ミサ曲は、トランペット、テインパニーやトロンボーンなどが入った大きな編成であるが、合唱団員が100人を越えると、舞台では4列に並ぶことになり、大ホールでもちょっと異常に大きく感じた。モーツアルトは何人位を考えて作曲したのだろうか。ザルツブルグの大聖堂の2階では、ほんの限られた専属のプレイヤーしか入れないであろう。
 キリエでは、人数の割には合唱がそれほど響かない。譜面を見ている人が殆どなくさすがと思わせる。ソプラノとテナーの二重唱が美しい。グロリア、クレドも何とか無難にすぎ、サンクトスの荘厳な合唱が見事であった。このミサ曲は、ベネデイクトウスのソロの四重奏が素晴らしいのと、やはりアニュス・デイのソプラノのソロとピッチカートの伴奏の響きが素晴らしく、臨時編成の演奏にしてはまずまずの出来であったと思う。

 全体を通じて、このコンサートの牽引車となった指揮者の野村秀美氏のエネルギ−に脱帽するとともに、他の地域に比べて文化的香りの少ないこの地域で頑張っておられることに心から敬意を表したいと思う。私はホルンさえもう少し良ければ、地域に根ざした立派な地方コンサートであったと思うがどうだろうか。1000人近い観衆も、レヴェルは低かったかも知れないが、耳慣れぬクラッシックを聴いて大方が満足していたように思う。

 アンコールのアヴェ・ヴェルムは、合唱団全員の気持ちがピッタリ合った素晴らしい壮大な出来であった。恐らくオーケストラ伴奏でこの曲を歌える機会は、合唱団員にとって滅多に出来ることではなく、深い思いを込めて歌ったに相違ない。これだけの人を集めることが出来るなら、また来年も是非挑戦して欲しいと思う。常磐線沿線の沼南町に住み着いて20数年になるが、この地でこの様な豊かな思いをしたことは始めてであり、この新しい試みに対し主催者・演奏者の方々に厚く御礼申し上げる。

(以上)(2001/12/18)倉島 収(千葉県沼南町)



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