モーツアルトのオブリガートのさまざま


オブリガート序説


 表記のタイトルで、フェラインの9月例会で、レクチャーをすることになり、目下、当日の準備作業として、LDやビデオのチェックやCDの選定とかテープの編集などが始まっている。レクチャーの筋立てとオブリガート曲の洗い出しはほぼ終了し、事務曲レター用に講義概要を作成し、送付したところであるが、折角苦労して作文したので、9月例会のPRのつもりで、これを 「オブリガート序説」として、掲載することにした。本文は、例会用レジメとしてまとめる予定であるが、例会終了後、皆さんのご意見や質疑応答などのプロセスを経て、改めて再編集して掲載しようと考えている。 
 

    モーツアルトのオブリガートのさまざま

 
   モーツアルトをお好きな方に、モーツアルトの曲でオブリガートの入った曲のお話をしますと、皆さん決まってにこにこします。モーツアルトの曲の聴かせどころの一つが、このオブリガートにあるのは代表的な曲を聴くと分かります。例えば、ピアノが参加する有名なソプラノのコンサートアリア「どうして貴女が忘れられるだろうか」K.505、クラリネット(バセットホルン)が活躍するオペラ「皇帝テイートの慈悲」K.621の二つのアリア(第9曲および第23曲)、オーボエ、フルート、ファゴットが美しいハ短調ミサ曲K.417aの「エト・インカルナタス・エスト」など素晴らしい名曲がすぐ思い浮かびます。本日のテーマは、このようなオブリガートの入った曲を全部調べたらどうなるかと言うことにあり、前回のピッチカートに続いて、オブリガートの入った曲を調べ上げてみました。
 
   モーツアルトのオブリガートとされている曲には、大別すると、スコアにオブリガート楽器用に独立して書かれているもの、またはソロ楽器の指定があるものと、オーケストラの常連である木管楽器(オーボエ、フルート、ファゴット、クラリネット、ホルン)のように、一般にスコア上に必ずしも指定されなくとも、曲の構成上または聴感上、オブリガートと考えてよいものに分けられます。モーツアルトが作曲したオブリガートのソロ楽器としては、ヴァイオリン、チェロ、マンドリンの他、コントラバス、トロンボーン、オルガンなどもあり、その多様性に驚かさ れます。木管楽器についても、ソロがあったり、二重奏、三重奏など、いろいろな組み合わせの合奏があり、実にさまざまです。モーツアルトは、オーケストラに参加する楽員の技巧を考え、これらのさまざまな楽器の特徴を巧みに生かしつつ、美しい独唱をとことんまで飾り付け、聴く人を喜ばせようと考えたのではないでしょうか。
 
   石井 宏先生が「クラシック音楽意外史(90年、東京書籍)」の中の「”人の声”から”デーモン”へ」で、{古典協奏曲は、オペラのアリアを、楽器でやってのけようという着想} から始まったものとして、ピアノ協奏曲K.482、488、491を例に、素晴らしい解説をなさっておられますが、私はこの結論に到達するさまざまな試作品や実例が、実は、モーツアルトのオブリガート曲の数々の作品の中に潜んでいると考えております。そして、沢山のオブリガートの実例から、18世紀のアリアの時代から19世紀の器楽のコンサート中心の時代へと移行した先駆的役割を、 モーツアルトが果たしたのではないかという仮説に、秘かに挑戦してみたいと思っております。

   オペラのアリア、宗教曲、コンサートアリアなどを調べた結果、例会で全部聴けるかどうか心配ですが、約30曲リストアップ出来ました。いずれも、素晴らしい印象に残る曲ばかりですが、例によって発表者の特権で、独断と偏見により、私のオブリガート・ベスト10を選んでみました。当日は、20曲以上聴けると思いますので、皆さんならどうなるか、楽しみにしていただきたいと思います。
 
      

目次にもどる
私のホームページへ
前へ


このページは GeoCitiesです 無料ホームページをどうぞ