(最新のDVD発売;スイートナー追悼;1980年のベルリンOP日本公演の「魔笛」)
10-5-3、スイートナー指揮、フィッシャー演出の80年のベルリンOP日本公演の「魔笛」、1980年3月12日、東京文化会館、

−この「魔笛」はメルヘン風のしっかりした構成の重厚な舞台の映像であり、観衆は映像でしか味わえぬ、このような本格的なご当地の「魔笛」のライブオペラの素晴らしさを、十分に楽しみ味わったことであろう。このDVDは、オットマール・スイートナーの追悼盤としては、十分に優れた記念的なもので、NHKの当時の技術力を見せつけるものである。われわれモーツアルト好きを楽しませてくれたこの指揮者の冥福を心から祈りたいと思う−

(最新のDVD発売;スイートナー追悼;1980年のベルリンOP日本公演の「魔笛」)
10-5-3、スイートナー指揮、フィッシャー演出の80年のベルリンOP日本公演の「魔笛」、1980年3月12日、東京文化会館、
(配役)ザラストロ;S.フォーゲル、タミーノ;P.シュライヤー、夜の女王;I.ナーヴェ、パミーナ;M.ファレヴィッチ、パパゲーノ;J.フライア、パパゲーナ;R.ホフ、その他、
(2010年2月26日、NHKエンタープライズ、DVD発売 NSDS-9494)

  第三曲目のスイートナーの日本公演の「魔笛」(1980)は、彼の追悼記念の最新DVDである。私の最初に買った「後宮」のLP2枚組は、何とスイートナー・ドレスデンのもの(1962)であり、当時から彼のモーツアルトは評価されていたが、東ドイツの情報は限られていたように思う。当時、スイートナーの「魔笛」はリリースされていた筈(1968)であるが、私はクレンペラーの最新盤(1964)を買ってしまっており、これで十分満足出来ていた。この1980年の「魔笛」の成功を受けて、1983年に再来日し「タンホイザー」「フィデリオ」「オランダ人」を上演し、1987年には「後宮」「フィガロの結婚」のほかに「名歌手」「サロメ」などの上演をしたという。
  今回の「魔笛」の映像は、1990年のベルリンの壁崩壊以前の東ドイツのベルリン国立歌劇場の水準を示すものとして極めて興味深い。スイートナーはインスブルック出身であるが、東ドイツに定着し、質実剛健なタッチで総監督として歌劇場を牛耳っており、またシュライヤーやフォーゲルと言った世界的に知られる名歌手を動員している。さらに今回の映像では、合唱団なども連れてきた引っ越し公演のような舞台であり、同じドイツ語圏でもサヴァリッシュ率いるバイエルンのもの(1983、未アップ)やオーストリアのザルツブルグ音楽祭のもの(9-5-3)などとどう異なるか、詳しく見てみたいと考えている。




   指揮者スイートナーが入場しあいさつの後、直ちに序曲が開始された。幕が閉ざされた状態で序曲がアレグロに入ると、画面では第一幕のあらすじの紹介が始まり、主な場面を背景に字幕で簡単な説明がなされていた。画面は42インチではやや荒いが、音は美しいステレオ音声で軽快に堂々と序曲が進み、後半には出演者紹介も字幕で行われていた。序曲が終了すると、拍手に迎えられて指揮者の会釈の後、第一幕の導入部のオーケストラが威勢よく開始された。幕が左右に開き狩りの姿のタミーノが大蛇に追われて助けを求めていた。舞台を良く見ると大蛇が動いて迫っており、三人の従女の姿も後方に見え、タミーノが悲鳴を上げて倒れ込んだ。三人の従女が三重唱で一斉に大声をあげると大蛇が倒され、気絶したタミーノを前に女同士らしい賑やかな争いの三重唱が続いていた。画面は暗いが一見して伝統的なメルヘン風の舞台であった。




   女達が立ち去るとタミーノが気がつき、振り向くと大蛇が死んでおり、不思議な笛の音が聞こえたので物陰で様子を見ていた。そこへ笛を吹きながら鳥籠を背負ったパパゲーノが、軽やかな足どりで登場し、踊りながら第二曲を陽気に歌い出した。パパゲーノの笛の音に合わせて小鳥が動くので会場は大笑い。鳥刺しスタイルがよく似合い、歌もまずまずで、笛は吹いた振りをしていた。タミーノと顔を合わせ、俺が蛇を殺したという嘘がばれて、三人の従女がパパゲーノを懲らしめ、タミーノには手鏡を渡した。タミーノはそれを見ながら第三曲の絵姿のアリアを歌いだしたが、さすがシュライヤー。落ち着いた雰囲気でゆったりと素晴らしい声量で最高の一目惚れのアリアを見事に歌いこなして大拍手を浴びていた。急に暗闇となり雷鳴が響き、前奏が始まって夜の女王のアリアが始まった。夜の女王は小柄だが怖い顔のナーヴァで、前半のラルゲットの部分は静止の姿勢で落ち着いて歌っており、後半のアレグロでもコロラトウーラの美声を張り上げて何とか成功し大きな拍手を浴びて、舞台はますます佳境に入っていった。




  口がきけないパパゲーノが「ム、ム、ム」とタミーノに助けを求めて二人の二重唱が始まり三人の従女が駆けつけて五重唱になった。従女たちは、パミーナを助けに行くと決心したタミーノには女王様からと「魔法の笛」を渡し、逃げようとしたパパゲーノには「銀の鈴」を手渡した。さらに、三人の少年たちが道案内をすると告げて、二人が出発すると幕になった。




  幕が開くとそこは奴隷の部屋か。パミーナがモノスタトスに捕らえられ二重唱になっているところへ鳥の姿のパパゲーノが登場し三重唱になったが、モノスタトスは鳥の怪人に驚いて逃げてしまった。そこでパパゲーノがパミーナと仲良くなり、二人は話し合って一緒に逃げ出すことになって、美しい二重唱を歌い始めた。若いパミーナのファレヴィッチは可愛い仕草でパパゲーノに合わせて自然体でアリアを歌い、心温まる見事な二重唱になっていた。ここで再び幕が締まるが、二重唱への拍手が鳴りやまず、二人は幕前に顔を出して挨拶していた。



   フィナーレが始まって舞台は三つの神殿の前。三人の少年たちがウロウロしているタミーノを見つけて案内し、三重唱で不屈・忍耐・沈黙が重要で、男らしく振る舞えと忠告した。少年たちは若い女性たちが扮しており、歌が澄んで素晴らしく最高であった。タミーノは、パミーナを救うため勇気を出そうと宮殿の扉に向かう。「下がれ」と脅されて三度目に中央の扉に向かうと老僧が出て来て押し問答が始まった。「ザラストロは正義だ。お前は騙されている」と諭され、パミーナは生きているかと問うと、それは言えぬ掟だと逃げられた。不安なタミーノは、姿なき声にタミーノは生きていると教えられ、勇気を出して「魔法の笛」を吹いてみると、どこからともなく動物たちが現れて聞き惚れていた。パミーナと叫びながらなお強く何回か吹くと、最後にはやっとパパゲーノの笛の音が聞こえてきた。舞台ではパミーナとパパゲーノがタミーノの笛を聞きつけて神殿の前に現れたが、直ぐにモノスタトス一行に囲まれてしまった。しかし、パパゲーノが「銀の鈴」を鳴らしてみると、一行はグロッケンシュピールに合わせて笑いながら「ラ、ラ、ラ」と歌い出し、踊りながら逃げ去ってしまった。「魔法の笛」といい、「銀の鈴」といい、凄い味方であった。



   ラッパの音が響いて「ザラストロ万歳」の合唱で広場に人が集まり、ザラストロが登場してきた。怖がるパパゲーノに対してパミーナは、真実を語れば怖くないと言い聞かせ、急に王女のような凛とした仕草に変わっていた。二重唱になって彼女は、ザラストロに対しモノスタトスに追われていたと説明し、ザラストロからは母の所に返すわけにはいかぬと諭されていた。そこへ モノスタトスがタミーノを連れて現れ、ここで初めて二人は顔を合わせて、抱き合ってお互いを確かめた。ザラストロがモノスタトスに「足の裏77回打ち」を命じ、タミーノとパパゲーノには試練の道場へと命じて、ザラストロ万歳の大合唱の中で長いフィナーレが終幕となった。 拍手が鳴りやまず、カーテンコールが2度も続いていた。



   第二幕は、行進曲が厳かに始まってからゆっくりと幕が開くと、神殿内には僧侶たちが集まっており、やがてザラストロが中央に登場した。ザラストロを囲むように僧侶たちが並び、ザラストロがタミーノが試練を受けようとしていると述べ、彼を見守り手助けしようと問いかけた。質疑の後全員が賛同すると、三つの和音が鳴り響いてザラストロがイシスとオシリスの神に祈りを捧げてから、「二人に叡智の心を与えたまえ」とアダージョの有名なアリアを歌い、全員が合唱で厳かにフォローして全体が繰り返されていた。初めて「魔笛」の映像を見る人には、この西洋の威厳に満ちたメーソン風の典礼の儀式にはわれわれにはない心打たれるものを感ずる筈であり、舞台では静かに幕となっていた。



   幕が開くと真っ暗闇の中でタミーノとパパゲーノが登場し、パパゲーノが凄い雷鳴の音で腰を抜かしていた。二人の神官が登場し、タミーノがパミーナを求めて試練に向かうと誓約したが、パパゲーノはお似合いの若いパパゲーナに会えると聞いてしぶしぶ承諾した。神官は二重唱で沈黙を守り、女の企みから身を守れと注意をうながしたが、彼らが去ると直ぐに三人の従女たちが顔を出し、二人を誘おうとして五重唱になっていた。タミーノが3人を相手にせず、パパゲーノも怖くて、渋々、口をきかずに我慢していると、三人の従女は諦めて雷鳴と共に退散し二人は次の試練へと向かった。

   

   暗闇で幕が開くと明るい部屋の中のベッドにパミーナが倒れており、モノスタトスが早口で「お月様、この娘に惚れ込んでしまった」と歌っていたが、終わりにキスをしたいと近寄った所に、突然、夜の女王が現れてモノスタトスは逃げ去った。夜の女王は怖い顔でパミーナにナイフを手渡し、これでザラストロを刺せと命令し、第二のアリアを歌った。「命令にそむけば、わが子ではない」という復讐の厳しいアリアで前曲よりも難しいコロラトウラの技巧を交えて、ナーヴェは堂々と難曲をこなし万雷の拍手を浴びていた。



   残されたパミーナが「そんなことは出来ない」と嘆いているうちに、モノスタトスがナイフを奪い脅していると、突然、ザラストロが現れ一喝して追い払った。パミーナが母を助けてと懇請すると、ザラストロはこの清い殿堂では「復讐せず善意で返す」とアリアで歌っていたが、これはパミーナに対する実に親愛と慈愛に満ちた素晴らしい朗々としたアリアであった。二人は親子のように見え退場して幕になっていたが、ザラストロと夜の女王が顔を出し拍手に応えていた。



  再び闇の中で二人の神官が「ここに残れ」とタミーノとパパゲーノを案内し、沈黙を忘れるなと念を押していた。暗闇の中で水が飲みたいと呟いたパパゲーノに婆さんが現れ、18歳と2分の年齢をからかっているうちに、三人の少年が現れて三重唱を色っぽく歌いながら、魔法の笛と銀の鈴を二人に手渡し、ワインと食事を勧め、沈黙を守ることを教えた。タミーノが笛を吹くと、突然、パミーナが現れるが、タミーノは許せと申し訳なさそうな素振りをして、たった今言われたばかり沈黙を守り通すと、パミーナは「無視されるのは死よりも辛い」と絶望のアリアをゆっくりと歌っていた。アリアの合間に入るフルートのオブリガートがアリアの美しさを高めており、アリアを歌ってそこへ倒れ込んだパミーナには、盛んに大きな拍手を浴びせられていた。


やがて三つの和音が響きわたり、二人が立ち去るとザラストロを中心に僧官たちが登場してイシスとオシリスの神に感謝する合唱が始まった。「やがて太陽の日が闇夜を追い払い、若者は同志に相応しいものになろう」と歌っていた。タミーノがザラストロに呼ばれ、タミーノにはさらに試練が続くと告げられた。そして試練に向かうタミーノと、別れを嘆くパミーナと、彼女を励ますザラストロとの三重唱が始まった。折角顔を合わしても、別れを強いられる二人には、口もきけずこれも厳しい別れの試練の時であった。一方、タミーノを探して一人になったパパゲーノが、ワインにありついてご機嫌になって銀の鈴に気が付き、グロッケンシュピールの伴奏で鈴を鳴らしながら有名なパパゲーノのアリアが始まった。このアリアは高校時代の音楽の教科書に含まれていた記憶があり、美しいグロッケンシュピールの響きと共に、実に楽しいアリアであった。歌が終わってから、パパゲーノが婆さんでも良いとふて腐れて握手をすると、婆さんが若くて可愛いパパゲーナに変身して驚かすシーンで幕になり、お客さんから大きな拍手が涌いていた。



   第二幕のフィナーレは、三人の少年たちの美しいアンダンテの三重唱で明るく始まるが、パミーナが短剣を持って現れ、三人が様子がおかしいと見ていると、彼女は気が狂ったように死にたいと歌っていた。正気ではないと三人は隙を見て「止めなさい」とパミーナから短剣を取り上げ、絶望のパミーナに優しくタミーノのところに行こうと声をかけると、彼女は気を取り直して、一緒に明るく四重唱を歌いながら幕となっていた。重々しい音楽が鳴り響き幕が開くと、暗闇の階段の両脇で、鎧甲を着けた二人の大きな衛兵がタミーノを囲み獄門を守りながら歌っており、タミーノに死の恐怖を超えて進めば地から天へ登ることが出来ると二重唱で教えていた。タミーノが出発しようと復唱しているところにパミーナが駆けつけ二人は再会した。話をしても良いことが許され、「私のタミーノ」、「私のパミーナ」とやっと口がきけ、弾むピッチカートに乗ってパミーナは私が導きますと言い、タミーノに笛の由緒を話し、笛を吹いてと頼み、パミーナが先導して階段を上り始めた。タミーノが笛を吹きながら、二人は手を取り合って美しい笛の音に合わせて暗闇を進み、暗闇の火炎の獄門で試練を受けて顔を揃えていた。そして大勢が見守る中で、笛の音と共に続いて水流の獄門へと向かい試練を克服し顔を出した。するとラッパが鳴り響き、見守っていた大勢が二人の前で勝ったぞとの大合唱となり、勢いよく凱旋、凱旋と叫びながら、二人の勝利を祝福し神殿へと喜んで迎え入れ、幕となっていた。ここでも二人は拍手に応え顔を出していた。


  幕が開くとパパゲーノが、パパゲーナと大声で歌い笛を吹きながら可愛いパパゲーナを探していたが、どうしても見つからない。この世は嫌いだと最後に諦めて首を吊ろうとして、三つ数えようとキョロキョロしていたが、最後の三つ目で何と三人の童子ご見つけてくれて、銀の鈴を鳴らしてご覧と声をかけられた。グロッケンシュピールの音が響き出すと、何とパパゲーナは天から下に降りてきた。何と微笑ましい光景であろうか。嬉しくて「パ、パ、パ、」としか声のでない二人の感動的な出会いの瞬間が始まって、見事な二重唱が続き、二人は抱き合いながらそのまま今降りてきた天へと登って行って幕となっていた。子供はいなかったが初めて見る有頂天のシーンの演出の妙に、会場は大喜びで大変な拍手に涌き、オペラのライブの真髄をみる思いがした。


  幕が開いて前奏と共に真っ暗闇の中で、モノスタトスに先導されて、夜の女王と三人の従女が復讐をしようと五重唱で 神殿の地下に忍び込んでいたが、突然の雷雨や稲妻により叩きつぶされて、場面は太陽が燦然と輝き、大勢の人々による大合唱が始まっていた。ザラストロが勝利を宣言し、目映いばかりの神殿の前で壮麗な大合唱が続き、タミーノとパミーナがイシスとオシリスの神々が祭られたに祭壇で、全員の祝福を受けて歓迎されていた。良く画面を見ると、三人の少年たちが手を差し伸べて二人を神殿に迎え入れていた。全員大合唱の中で、実に盛り上がりが素晴らしい大団円であり、大変な拍手の中で盛大な幕となっていた。この公演を東京文化会館で見た人は、日本で初めてのドイツ本流のベルリン国立OPの素晴らしい「魔笛」を見て大変な感動を受けたであろう。何回もカーテンコールが続き、夜の女王がスイートナーを呼びに行き、元気なスイートナーの姿を見ることが出来た。



   この「魔笛」はメルヘン風のしっかりした構成の重厚な舞台の映像であり、観衆はこのような本格的なご当地の「魔笛」のライブオペラは恐らく初めてであって、このオペラの素晴らしさを十分に楽しみ味わったことであろう。舞台設備も衣装も立派であり、大勢の合唱団を含めて全てが引っ越し公演のように抜けがなかったが、舞台の設定が変わるごとに幕となり、時間が掛かっていたのは、東京文化会館のせいであったのだろうか。最初の大蛇が貧弱だったり、風船の少年たちを諦めたり、動物たちが小作りだったりしてベルリンの本場とは違った演出なのであろうが、まずまずの無理のない演出上の工夫に感心しながら見ていた。しかし、何よりもこの「魔笛」を成功させたのは、スイートナーの音造りが素晴らしく、テンポの良さが抜群で、歌手とのアンサンブルも優れたものを聴かせてくれた。そのため、序曲や第一曲から音楽面ではすっかり安心して舞台に浸ることが出来たし、荘厳な典礼の儀式ではその厳粛な進行振りにむしろ感動を覚えたほどであった。



  この古い伝統的な東ドイツのベルリンオペラは、演出も音造りも同じドイツ語圏の1971年のホルストシュタインのハンブルグOPの「魔笛」(8-6-3)に良く似ていた。しかし、10年も古いこの映画方式のDVDに比べ、今回のNHKの映像がかなり見劣りがしていた。
このDVDの映像は、アナログVTRテープ(モノ音声)を素材とし、42'テレビでは字幕の字が写真のように大きくなり拡大しすぎで、画像も荒くなる。従って、この映像は30’前後のテレビ用に作られたものであろう。一方の音声は、FMステレオ放送用の6ミリのアナログ・ステレオ原テープを同期再生してVTRの音を差し替え、ステレオ化と高音質化を実現したものとされる。この頃の海外のテレビ放送用のライブ映像のレーザーデイスクよりも、今回のNHKのDVDの方が優れていると感じた。

   出演者ではシュライヤーとフォーゲルしか知らなかったが、シュライヤーはやや老け気味のタミーナではあったが、絵姿のアリアを始めさすが素晴らしい歌唱力であった。驚いたのはザラストロであり、この役にあった堂々たる姿と威厳ある歌い方には感心せざるを得なかった。パミーナも夜の女王の女性陣もまずまずの歌い方であり、パパゲーノもおどけ役の演技が良く歌も楽しかった。見過ごせなかったのはモノスタトスと三人の少年たちであり、端役に至るまで優れた演技や歌を示していたことは、さすがベルリンオペラであると思わせた。

      このDVDは、オットマール・スイートナーの追悼盤としては、十分に優れた記念的なものであり、NHKの当時の技術力を見せつけるものであったと思われる。来月もこの指揮者の交響曲シリーズの映像のアップを予定しており、われわれモーツアルト好きをを楽しませてくれたこの指揮者の冥福を心から祈りたいと思う。

(以上)(2010/05/26)

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