モーツアルト気狂いの最新入手ソフト情報−−平成21年6月号−−


(リリング指揮シュトウットガルト・バッハ・コレギウムとゲビンゲン聖歌隊による「メサイア」モーツアルト編曲K.572、/オーバーフランク指揮コミッシェ・オーパー・ベルリン管弦楽団、ドイツ語版翻案脚色・演出ヴァルター・フェルゼンシュタインによる「フィガロの結婚」K.492/ムーテイ指揮、シモーネ演出、ウイーンフイル及びウイーン国立歌劇場合唱団、99年ウイーン芸術週間の「ドン・ジョバンニ」K.527)

(先月の月報は  「こちら」)

私の最新入手ソフト情報−平成21年6月号−

(リリング指揮シュトウットガルト・バッハ・コレギウムとゲビンゲン聖歌隊による「メサイア」モーツアルト編曲K.572、/オーバーフランク指揮コミッシェ・オーパー・ベルリン管弦楽団、ドイツ語版翻案脚色・演出ヴァルター・フェルゼンシュタインによる「フィガロの結婚」K.492/ムーテイ指揮、シモーネ演出、ウイーンフイル及びウイーン国立歌劇場合唱団、99年ウイーン芸術週間の「ドン・ジョバンニ」K.527、)

9-6-0、平成21年6月初めの近況報告、

 ▲癲璽張▲襯箸砲ける未完成と完成−断片の魅力−に出席して、
◆◆嶌廼疊見されたモーツアルトの自筆譜」−ナント・スケッチ−
、「バッハの旅」への映像ストックの整理−ロ短調ミサ曲とマタイ受難曲−
ぁ快晴の那須高原を散策して−札幌市立一条中学校3年5組の旅行会−
ァ09年6月号の放送番組予定、
Α09年6月ソフト紹介予定、


(デジタルテープ06年12月収録;ヘンデル「メサイア」編曲K.572の演奏記録)
9-6-1、ヘルムート・リリング指揮シュトウットガルト・バッハ・コレギウムとゲビンゲン聖歌隊による「メサイア」モーツアルト編曲K.572、1991年エルヴァンゲン教会、 (ソリスト)S;ドンナ・ブラウン、MS;コルネリア・カリッシュ、T;ロベルト・サッカ、B;アラステア・マイルズ、
(06年12月21日クラシカジャパンの放送をS-VHSテープにD-VHSレコーダーのLS-3モードによりデジタル録画)

(最新入手のDVD記録;フェルゼンシュタインの追悼公演の「フィガロの結婚」)
9-6-2、ゲーツア・オーバーフランク指揮コミッシェ・オーパー・ベルリン管弦楽団、ドイツ語版翻案脚色・演出ヴァルター・フェルゼンシュタインによる「フィガロの結婚」K.492、1976年7月4-8日、コミッシェ・オーパー・ベルリンにおけるライブ収録、
(配役)フィガロ;ヨージェフ・デネ、スザンナ;ウルズラ・ラインハルト=キス、伯爵;ウヴェ・クライシヒ、伯爵夫人;マグダレーナ・ファレヴィチ、ケルビーノ;ウテ・トレケル=ブルクハルト、マルチェリーナ;ルート・ショブ=リプカ、その他、
(09年4月、ドリームライフDVD、DLVC-1067、カラー・ステレオ、)

(最新入手のDVD記録;リッカルド・ムーテイ指揮シモーネ演出の「ドン・ジョバンニ」)
9-6-3、リッカルド・ムーテイ指揮、ロベルト・デ・シモーネ演出、ウイーンフイル及びウイーン国立歌劇場合唱団、99年ウイーン芸術週間の「ドン・ジョバンニ」K.527、1999年6月26,27日、アンデア・ウイーン劇場ライブ公演、
(配役)ドン・ジョバンニ;カルロス・アルバレス、騎士長;フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ、ドンナ・アンナ;アドリアンヌ・ピエチョンカ、オッターヴィオ;ミヒャエル・シャーデ、エルヴィーラ;アンナ・カテリーナ・アントナッチ、エポレロ;イルデブランド・ダルカンジェロ、ツエルリーナ;アンゲリカ・キルヒシュレーガー、マゼット;ロレンツオ・レガッツオ、
(09年2月、スタンダードオペラ20としてDVD発売、DENON、TOBA-80910、)

9-6-0、平成21年6月初めの近況報告、

 ▲癲璽張▲襯箸砲ける未完成と完成−断片の魅力−に出席して、


 去る5月23日(土)午後から日本モーツアルト研究所設立10周年企画として、代々木のハクジュ・ホールで、第一部;「モーツアルトにおける未完成と完成−断片の魅力−」と題するラウンド・テーブルと第二部;断片曲を集めたレクチャー・コンサートが開催されたので、出席してきた。その概要をご報告する。

 第一部では海老澤先生がコーデイネーターとなられ、パネリストには森泰彦(くらしき作陽大学)、西川尚生(慶応義塾大)、ウルリヒ・コンラート(ビュルツブルグ大)、ウルリヒ・ライジンガー(国際モーツアルテウム財団学術部長)、ロバート・レヴィン(ハーバード大)の5氏が出席され、それぞれ標題のテーマに対する所見が述べられた。

 森氏はフラグメントとしての「作品」について述べられ、演奏家をかねた作曲家の場合は、実際の演奏に際して細部が変えられることが珍しくなく、われわれは作曲家が亡くなったときに残された「最終稿」を持っているに過ぎないとし、音楽は生き生きとした演奏によって完成されるプロセスと考えるときに初めて楽譜はフラグメントであることを止めると語っていた。
 コンラート氏は、モーツアルトの創作の仕方、とりわけスケッチと断片についての所見を述べられ、モーツアルトの創作課程の類型的なモデルは4段階に分けられ、第一段階は構想段階、第二段階はスケッチで楽譜に定着させることとされた。第三段階で推敲された手稿の作成が始まり、「主要声部稿」と「草案譜」に記譜する。第四段階は「草案譜」をキチンとした楽譜に改めることで、重要な作業は「主要声部稿」に「内声部」を補う作業であるという。この第四段階が欠けていると、「草案譜」は断片に止まるとされていた。

 西川氏は「モーツアルトの断片作品とM.シュタードラー」について語り、シュタードラーが補筆した全ての作品17曲を調べてリストアップしており、器楽曲ではヴァイオリン・ソナタ類に多く、演奏可能な状態に仕上げられている。
 ライジンガー氏による「最近発見されたモーツアルトの自筆譜」−ナント・スケッチ−については、発見された自筆譜のコピーが資料として配付されたので、別項で述べる。
 ロバート・レヴィン教授は、ナント・スケッチ(キリエのソプラノ声部)に伴奏をつけて、多声部で即興的にピアノで弾いて、紹介してくれた。

 久し振りでアカデミックな話を聞いて緊張したが、通訳の話が分からないところが多く、残念であった。


◆◆嶌廼疊見されたモーツアルトの自筆譜」−ナント・スケッチ−

 08年9月に「モーツアルトの未発表作、仏の資料館で発見(読売)」、「モーツアルトの直筆と確認(朝日)」の見出しで新聞紙上を騒がせていた最近発見されたモーツアルトの自筆譜は、「ナント・スケッチ」と命名されて、ウルリヒ・ライジンガー氏(国際モーツアルテウム財団学術部長)より発表された。



 実は本年3月に海老澤先生の引率で「モーツアルト音楽紀行−西方への旅−」で、ウイーン楽友協会を訪問した際、オットー・ビーバー先生とフックス先生から協会が保有するモーツアルトやベートーヴェン、ブラームスなどの自筆譜を見せていただいたが、その際にこのナントの図書館で所蔵していた現在調査中の五線譜も一緒に見せていただいた。この時の先生方の説明では、紙質は1787年以降の五線紙に書かれており、ミサ曲のための草稿であり、これが確かだとすると当時モーツアルトが教会音楽に関心を持っていたことを裏付ける貴重なフラグメントとなるというお話しであった。丁度、見せていただいた自筆譜をカメラに収めていたので、ここに展示すると共に、 今回配布された自筆譜のコピー資料の両方をホームページに展示しておこうと考えた。


 ライジンガー氏はこの草稿の確認を行った担当部長さんであり、この自筆譜は明らかに1787年ころに作られたニ短調のミサ曲の二つの楽章のスケッチであるとされた。配布された自筆譜のコピーを見ると、五線紙は九段であるが、上部は切られた痕跡があり、恐らく12段の五線紙の上部三段が切られたものとされた。上部四段に書かれた声部は、ソプラノのキリエ楽章の声部であるとされた。その説明として、別に配布された資料によると、キリエのテキストが見事に当てはまるキリエ楽章の声部となっていた。キリエは断片が多いが、このような完全なソプラノ声部のスケッチが残っているという事実は珍しいようである。
  6段目、7段目のスケッチは、モーツアルトの手でクレドと書かれており、クレドのヴァイオリンの前奏部分とクレドの声部のスケッチであり、両方とも未完の断片であるとされた。
  最後の行はモーツアルトの自筆譜であることを記した専門家のサインであった。

書かれた年から考えて、このスケッチは、モーツアルトが聖シュテファン大聖堂の楽長の地位を志望するずっと以前から、教会音楽に強い関心を抱いていたことを証明するものであると結論ずけられていた。このような根拠資料は、通常、われわれ素人には手にすることが出来ないので、参考になると考えてアップすることにした。


、「バッハへの旅」への映像ストックの整理−ロ短調ミサ曲とマタイ受難曲−

  バッハと言えばモーツアルト好きにとっては大きな畏敬の対象であり、その頂点はやはりロ短調ミサ曲とマタイ受難曲の二つの大作であろう。私はLP時代はレコードの8割はモーツアルトであったが、CD時代に入ってバッハの作品にも手を出すようになった。モーツアルトの作品を一通りカバーして、演奏の質の問題に関心が移り出したためであり、今思えばもっといろいろな新しい曲を聴いてみたいという欲求が自然にそうさせていたと思われる。バッハの一連の作品を最初にCDで発売し始めたのは当時ソニーであり、クラヴィーア曲ではグールドの一連のピアノ作品集が、宗教曲ではリリングの大曲が、また協奏曲集ではピノックの古楽器によるシリーズが集まりだしていた。

  しかし、リリングのロ短調ミサ曲のキリエを初めて聴いたときの恐るべき響きは、私にとって生涯忘れることが出来ない衝撃的なものがあった。そして、ほぼ同時に発売されたリリングのマタイを手にすることになったが、ある時初めてマタイが二つの合唱団と二つのオーケストラで演奏されていることに気がつき、今まで何を聞いてきたかとわが耳を疑ったことがある。当然この頃にはオペラに夢中になっており、オペラは映像で聴かなければと言う確信を持っていたが、ソリストたちが活躍する宗教曲も同様に映像でなければという想いを抱くようになって、映像の世界を求めだし今日に至っている。

    映像のロ短調ミサ曲については、リヒターのミュンヘンバッハO(7100)のものがクラシカジャパンからデジタルでテープに収録されていたが、CD(1961)の録音の方が迫力があるように思っている。DVDでビラー指揮ライプチヒ聖トーマス教会(2000)の5.1CHのものを入手したので、最近ではこの音の良い新盤を聴くことが多くなった。その他、ウイルコックス指揮のイギリス室内楽団(1985)のものをクラシカジャパンから収録しているが、アナログテープなので取り出すことは少ない。これらのストックに加えて、09年5月にクラシカジャパンでパリ・ノートルダム大聖堂(2006)のものをブルーレイデイスクに収録した。古楽器で合唱団も小ぶりで余り重々しい演奏でなく、ソプラノのズイーサクが歌った立派なものであり、合唱団も少数精鋭で上手く、聴き慣れたドイツ風のものと異なった新鮮な趣があった。

 一方のマタイ受難曲は、ミサ曲同様にリヒターのもの(1971)を収録しているほか、グッドウイン指揮ミラー演出のロンドンの聖ジョージ劇場の古楽器スタイルのもの(1994)、小沢征爾・斉藤記念(1997)のもの、ビラー指揮ライプチヒ聖トーマス教会(2000)のものが自然体で集まっていた。しかし、最近では鈴木雅明・バッハコレギウム(2003)のものがデジタルテープに収録されており、古楽器演奏と小編成合唱団による透明感抜群の演奏に惹かれるようになっている。これらのストックに加えて、09年5月に上記のビラー指揮ライプチヒ聖トーマス教会(2000)のものがブルーレイデイスクに収録出来たが、恐らく6月のライプチヒではこのスタイルのマタイを聴くことになりそうなので、予習のために聴きこなしておきたいと考えている。

  今回の6月の「バッハへの旅」では、図らずもバッハの二つの大曲、ロ短調ミサ曲とマタイ受難曲をライプチヒの聖トーマス教会で聴くことになっているが、初めてのライブであり字幕がないので、何回も聴いた曲であるがついて行けるか心配な面がある。そのため、字幕なしオペラを見に行くと同様に、事前の予習が必要であると考え、どの演奏を中心に聴こうかと考えて過去のストックを整理してみた。6月19日(金)の聖トーマス教会のマタイはビラー指揮であるので、2000年のデイスクと好きな鈴木雅明のものを見ておこうと考えている。一方、6月21日(日)のロ短調ミサ曲は、同じ聖トーマス教会であるが指揮が古楽器のヘンゲルブロックでオケがバルタザール・ノイマン・アンサンブルという団体なので、つい最近入手したパリ・ノートルダム大聖堂のピリオド演奏で予習をしていこうと考えている。加藤先生の著作「バッハへの旅」は、この上ないバッハへの旅の案内書であり、持参していこうと思っている。


ぁ快晴の那須高原を散策して−札幌市立一条中学校3年5組の旅行会−

  毎年続いている恒例になった札幌市立一条中学時代の3年5組の旅行会は、今年は那須高原のハイランドパーク周辺の別荘地にあるキャノン那須館という素晴らしい施設で5月17日から2泊3日で開催された。札幌から2人、東京周辺から4人が参加する予定であったが、旅行会主催者兼幹事長の西出さんが、持病のリュウマチの手術後の薬の思わぬ副作用のお陰で、出発日に参加を断念するという不幸な事態が突然発生し、急遽、5人という最少人数で開催された。
   那須には何回か訪問したことがあるが、相当昔の話しである。茶臼岳の有料道路と場所は覚えていなかったがツツジの素晴らしかった記憶があって、いずれも那須温泉に一泊した程度の旅行であり、2泊してじっくりと観光施設を訪問することは初めての経験であった。この旅行は、いつも報告記を書く役割になっているので、あらかじめ事前に観光案内書を購入して、地図を見ながら確認していたが、今回はその本が大層役に立った。そして18日は丸一日使えるので、有名なサファリパークなどの周辺施設を見学し、交通手段は地元のシャトルバスを利用すること、19日は13:30分の新幹線なので、茶臼岳のケーブルに乗ることを条件に、宿から駅まで3〜4時間のタクシーで、という基本的な枠組みを設定した。夕食の後も部屋に戻ってくつろぎながら、シャトルバスでどこを見るかの話しもあり、経験者もいてステンドグラス美術館とりんどう湖に行ってみることと、おみやげや買い物は、那須チーズガーデンが良いと言うことになった。



 私はサファリパークなるものは初めてであった。免許証を持参してくれと頼まれて持っては来たが、やはり安全を考えて、施設にあるライオンバスに乗ることにした。檻の中でない自然の姿で動物たちが動いているさまを見ることが出来るというキャッチフレーズ通り、ライオンが動き廻ってくれ、われわれの前にあった机の上に上がって、ゆっくりとこちら見てポーズを作ってくれたのには感動した。



  翌日の山頂行きのケーブルは快晴に恵まれて最高であったが、山頂付近からの眺望は天気が良すぎてモヤがかかり、写真にはならなかった。有料道路の八幡温泉から下手側に広がるヤマツツジの一大群落地には、木製の遊歩道が整備されており、われわれはゆっくり満開のツツジを見ながら散策することが出来た。遊歩道の上が八幡温泉ホテルであり、その上に那須の連山が映えていた。



  タクシーで時間があったので、那須フラワーワールドを訪れお花畑を一周してきた。ここは那須連山をバックにしたお花畑が広がる広大なフラワーパークであり、チューリップが終わり、けしの花や松葉ボタンなどが見事に咲いていた。パンフレットを見ると春は10万球のチュウリップが咲き、初夏には5万本の可憐なポピーが、秋にはコスモスが10万本、ケイトウやサルビアも咲き誇り、季節ごとに色合いが移り変わるフラワーパークという触れ込みであった。


ァ09年6月号の放送番組予定、

 NHKのBSクラシック・ナヴィゲーションの6月号によれば、HVウイークエンド・シアターの6月分の4回の土曜日(11:00〜3:00)の時間内で、モーツアルトの曲は1曲もなかった。BSクラシック・ロイヤルシートの5回の月曜日(1:00~4:00)の番組では、「甦るモーツアルトの響き」及び「チューリヒ歌劇場のメストの「ドン・ジョバンニ」」はいずれも再放送であり、面白そうだった08年ザルツブルグ音楽祭オープニング・コンサートは、ブーレーズの指揮でラベルのワルツ、バルトークのピアノ協奏曲、「火の鳥」の3曲で、肝心のモーツアルトは含まれていなかった。また、BSシンフォニーアワーは、金曜日の4コンサート、日曜日の5コンサートには、いずれもモーツアルトは含まれていなかった。従って、NHKではハイビジョンとBSにあるクラシック倶楽部という番組だけが頼りであるが、こちらも昨年5月の幸田浩子以来モーツアルト作品を見かけることは少なくなった。

 一方、クラシカジャパンでも、様子は同様であり、4月号はヘンデル特集、5月号はバッハ特集、6月号は佐渡裕とRAI国立交響楽団の3コンサートが目玉であったが、残念ながらモーツアルトはなかったし、特集以外のモーツアルトのものは、いずれもアップ済みの再放送ばかりであった。しかし、7月号では08年のザルツブルグ音楽祭の公演オペラが3曲「オテロ」、「ドン・ジョバンニ」、「ロミオとジュリエット」が予定されているようなので、期待しておこう。
 5月中に購入したソフトは、残念ながらDVDもCDもなかったが、前述したバッハの新しいロ短調ミサ曲とマタイを、ブルーレイデイスクに収録できたことは快挙であった。ブルーレイデイスクは、画質・映像とも申し分なく、テープと異なって手軽に操作できるので非常に重宝している。


Α09年6月ソフト紹介予定、 

これまでたびたび触れてきたが、いよいよ6月13日(火)から23日(火)まで、待望の「バッハの旅」に出発する。そのためその間はこのHPはお休みさせていただくと共に、 帰国後1週間ぐらいは時差調整のため、ダウンせざるを得ないので、ご了解いただきたいと思う。そのため、以下の3本のソフト紹介は、オペラが2本もあり無理と思われたので、5月中に頑張って9-6-1だけは、既に完成しているので、月報と同時にアップロードが出来そうである。「フィガロ」は出発前に完成させ、「ドン」は帰国後に完成させたいと考えている。


(デジタルテープ06年12月収録;ヘンデル「メサイア」編曲K.572の演奏記録)
9-6-1、ヘルムート・リリング指揮シュトウットガルト・バッハ・コレギウムとゲビンゲン聖歌隊による「メサイア」モーツアルト編曲K.572、1991年エルヴァンゲン教会、
(ソリスト)S;ドンナ・ブラウン、MS;コルネリア・カリッシュ、T;ロベルト・サッカ、B;アラステア・マイルズ、
(06年12月21日クラシカジャパンの放送をS-VHSテープにD-VHSレコーダーのLS-3モードによりデジタル録画)


  今年はヘンデル・イヤーであり、没後250年記念フェステイバルの一環として多くの行事が行われているが、私は三澤寿喜先生が組織するヘンデル・フェステイバル・ジャパン(HFJ)の会員であり、本年4月にHFJの「メサイア」の演奏を聴いたばかりである。今回の「メサイア」は、先生の新校訂による1741年初稿版を用いた本邦初演と言うことであり、しかも先生自らの大曲の指揮ということもあって、この演奏にはかねて期待が大きかった。初稿版のオーケストラは、弦と通奏低音が主体で、途中からトランペットとテインパニが加わるだけであり、これまで聴いてきた「メサイア」とは全く異なる透明感溢れる演奏を聴くことが出来た。


  しかし、この「メサイア」には、スヴィーテン男爵の依頼に基づくモーツアルトが編曲した版があり、K.572というケッヒェル番号まで付いており、つい最近のようにオリジナル楽器がもてはやされヘンデル研究が進む前までは、この版は現代のオーケストラで演奏するには最も都合がよい版であるとされてきた。また、私の手元にはモーツアルト版が映像では二組、リリング指揮のものと若杉弘とN響による豊田喜代が歌ったもの(1992)の他にCDではマッケラスとORF-SOによるエデイット・マテイスが歌ったもの(1974)などがあり、一番耳に馴染んでいるので、いつかこの曲をK.572としてこのホームページで取り上げてみたいと考えていた。今回はこれらの演奏のうち最も状態がよいと思われるリリングと彼の手兵であるシュトウットガルト・バッハ・コレギウムによる演奏を取り上げてご報告するものである。


(最新入手のDVD記録;フェルゼンシュタインの追悼公演の「フィガロの結婚」)
9-6-2、ゲーツア・オーバーフランク指揮コミッシェ・オーパー・ベルリン管弦楽団、ドイツ語版翻案脚色・演出ヴァルター・フェルゼンシュタインによる「フィガロの結婚」K.492、1976年7月4-8日、コミッシェ・オーパー・ベルリンにおけるライブ収録、
(配役)フィガロ;ヨージェフ・デネ、スザンナ;ウルズラ・ラインハルト=キス、伯爵;ウヴェ・クライシヒ、伯爵夫人;マグダレーナ・ファレヴィチ、ケルビーノ;ウテ・トレケル=ブルクハルト、マルチェリーナ;ルート・ショブ=リプカ、その他、
(09年4月、ドリームライフDVD、DLVC-1067、カラー・ステレオ、)

 今日の演出家優勢の時代を基礎づけたとされるヴィーラント・ワグナーと並び称されてきた優れた演出家ヴァルター・フェルゼンシュタイン(1901〜1975)による演出の「フィガロの結婚」のDVDを、偶然、レコード店で入手した。制作はドリームライフで、フェルゼンシュタインの生誕100周年記念と書かれていた。フェルゼンシュタインのこの「フィガロの結婚」の演出は、1975年2月26日にコーミッシェ・オーパー・ベルリンで初演され大反響を呼んでいたが、彼はそれから間もない75年10月8日に亡くなっていた。彼の多大な功績を記念して、劇場にはブロンズとリリーフが飾られ、今回の追悼のTV版の完全収録がゲオーク・ミールケ監督によって76年7月になされた。この時期はドイツ統合直前の時期に当たる物資入手の困難期であったため、「幻の映像」とされる貴重なものとされている。

  フェルゼンシュタインは、47年にコーミッシェ・オーパーの総監督に就任しているが、50年に「フィガロの結婚」の自らのドイツ語訳で演出していたが、今回の演出もやはりドイツ語によるものであった。映像はやや古さが目立つがカラーのステレオ録音であり、演奏時間が167分で一枚のDVDに収まっていた。一見したところでは、衣裳は現代風であり、歌手陣の動きがとても良く、ライブであるのに演技にも歌唱のも全く乱れがなく、無駄がなく早めのテンポで進み、鍛えられた演奏であると感じさせていた。この映像は、ベーム・ポネルの映像(1976)と同時期の東ドイツの作品であり、「フィガロの結婚」の映像の評価に欠かせない重要な映像であると思われる。


(最新入手のDVD記録;リッカルド・ムーテイ指揮シモーネ演出の「ドン・ジョバンニ」)
9-6-3、リッカルド・ムーテイ指揮、ロベルト・デ・シモーネ演出、ウイーンフイル及びウイーン国立歌劇場合唱団、99年ウイーン芸術週間の「ドン・ジョバンニ」K.527、1999年6月26,27日、アンデア・ウイーン劇場ライブ公演、
(配役)ドン・ジョバンニ;カルロス・アルバレス、騎士長;フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ、ドンナ・アンナ;アドリアンヌ・ピエチョンカ、オッターヴィオ;ミヒャエル・シャーデ、エルヴィーラ;アンナ・カテリーナ・アントナッチ、エポレロ;イルデブランド・ダルカンジェロ、ツエルリーナ;アンゲリカ・キルヒシュレーガー、マゼット;ロレンツオ・レガッツオ、
(09年2月、スタンダードオペラ20としてDVD発売、DENON、TOBA-80910、)

  この「ドン・ジョバンニ」の公演は、1999年6月にウイーンのテアター・アン・デア・ウイーン劇場で上演されたものである。演出はイタリアのロベルト・デ・シモーネであり、解説によると新国立劇場でもこの演出で、2000年1月と2001年11月に上演された馴染み深いもののようである。この演出の特徴は、舞台造りが時代に合わせた伝統的なスタイルであるが、登場人物の全員の衣裳が登場する場面とともに、次々と衣裳様式が変わっていくところにある。たとえば、最初のドン・ジョバンニとレポレロは、古くさいスペイン風の格好をしているが、フィナーレの自由万歳のあたりでは革命期の状態であり、第二幕の墓場の場面ではロマン主義の時代を反映し、フィナーレでは限りなく20世紀に近づいているようである。そのため、最初に見たときは常にクローズアップで顔と見較べなければ、間違えてしまうことになる。1回見るだけのライブでは、余程注意しなければ戸惑ってしまうであろう。

  私はこのような凝った演出が果たして必要かどうか分からないが、一見したところではその変化に気を取られる余り、全体がそして音楽の方がおろそかになりがちであった。しかし、ムーテイの音楽作りは、序曲から威勢が良く、早めのテンポで引き締まっており、これが全体を通じて一貫して流れているように感じた。ドン・ジョバンニのアルバレスはこのホームページで初めてであるが、レポレロのダルカンジェロもオッターヴィオのシャーデも3度目の登場であり、お馴染みである。私の好きなキルヒシュラーガーがツエルリーナで活躍しており、じっくり見直してご報告したいと考えている。

(以上)(09/05/30)


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