モーツアルト気狂いの最新入手ソフト情報−−平成21年5月号−−


(ギル・シャハム夫妻によるヴァイオリン・ソナタイ長調K.305、ニ長調K.306、および東京公演のニ長調K.306、/テアトル・コムナーレ(フィレンツエ歌劇場)におけるメータの「フィガロの結婚」K.492、/レヴァイン指揮、ポネル演出の1982年ザルツブルグ音楽祭の「魔笛」K.620、)

(先月の月報は  「こちら」)

モーツアルト気狂いの最新入手ソフト情報−平成21年5月号/目次− 

9-5-0、平成21年5月初めの近況報告、


 ▲悒鵐妊襪痢屮瓮汽ぅ◆廚1741年初稿版の日本初演を聴いて。 
◆田辺秀樹先生の講演{「後宮」の演出をめぐって}の聴講メモ、
、加藤浩子先生と行く「バッハの旅」(11日間郵船トラベル)への期待、
ぁ柏NHK文化センターの太田峰夫氏による「モーツアルトのオペラを読み解く」(全6回)の聴講の開始。
ァ09年5月号の放送番組予定、
Α09年5月ソフト紹介予定、


(最新入手のDVD記録;ギル・シャハム夫妻によるヴァイオリン・ソナタ集その2)
9-5-1、ヴァイオリン・ソナタイ長調K.305、ニ長調K.306、 ギルとオルリー・シャハムのヴァイオリンとピアノ、2005/12/17-19、キンスキー宮殿にて収録、ウイーン、およびヴァイオリン・ソナタニ長調K.306、ヴァイオリン;ギル・シャハム、ピアノ;江口玲による東京公演、07/05/25、紀尾井ホール、
(08年12月EUROARTS盤の大量発売、RBB-2055188、および08年5月28日、BS102クラシック倶楽部の放送をブルーレイデイスクBD-002にHEモードで収録)

(最新入手のDVD記録;テアトル・コムナーレにおける「フィガロの結婚」)
9-5-2、ズービン・メータ指揮フィレンツエ5月音楽祭管弦楽団&合唱団とジョナサン・ミラー演出の「フィガロの結婚」K.492、フィレンツエ歌劇場(テアトル・コムナーレ)におけるライブ収録、03年10月2−18日、
(配役)フィガロ;ジョルジュ・スーリアン、スザンナ;パトリツイア・チョーフイ、伯爵;ルーチョ・ガッロ、伯爵夫人;エテーリ・グヴァザ−ヴァ、ケルビーノ;マリーナ・コンパラート、マルチェリーナ;ジョバンナ・ドナデイーニ、その他、
(09年2月、スタンダードオペラ20としてDVD発売、DENON、TOBA-81200-1、)

(最新入手のDVD記録;レヴァイン指揮ポネル演出のザルツブルグ音楽祭の「魔笛」)
9-5-3、ジェームズ・レヴァイン指揮、ジャン=ピエール・ポネル演出、ウイーンフイル及びウイーン国立歌劇場合唱団による82年ザルツブルグ音楽祭における「魔笛」K.620、1982年8月21日、フェルゼンライトシューレ、
(配役)ザラストロ;マルッテイ・タルヴェラ、タミーノ;ペーター・シュライヤー、弁者;ワルター・ベリー、夜の女王;エデイタ・グルベローヴァ、パミーナ;イレアーナ・コトルバス、パパゲーノ;クリステイアン・ベッシュ、パパゲーナ;グドルン・ジーバー、
(09年2月、スタンダードオペラ20としてDVD発売、DENON、TOBA-80940-1、)


9-5-0、平成21年5月初めの近況報告、

 ▲悒鵐妊襪痢屮瓮汽ぅ◆廚1741年初稿版の日本初演を聴いて。


 今年はヘンデル・イヤーであり、没後250年記念フェステイバルの一環として多くの行事が行われているが、私は三澤寿喜先生を実行委員長とするヘンデル・フェステイバル・ジャパン(HFJ)を支援する会の会員(HANDELIAN)として、この会の演奏会には出席を重ねている。この会は2003年からこの活動を始めているが、古楽系の理論家と考えてきた三澤先生が、この会専属の室内古楽合奏団(CCCO)や専属の室内合唱団(CCCC)を組織して、先生自らがオーケストラや合唱団を指揮なさるようになって、その熱意と実行力に改めて敬意を表している。そして合奏団や合唱団の皆さんが、その気になって回を重ねるごとに上手になり成長していることを実感し、喜びを感ずるとともにその熱意に敬意を表したいと考えてきた。
 今回はこの会の第7回目のコンサートであるが、ヘンデルの大曲「メサイア」の新校訂による1741年初稿版を用いた本邦初演と言うことであり、しかも先生自らの大曲の指揮ということもあって、この演奏にはかねて期待が大きかった。初稿版のオーケストラは、弦と通奏低音が主体で、途中からトランペットとテインパニが加わるだけであり、これまで聴いてきた「メサイア」とは全く異なる演奏が期待されたからであった。


 私の「メサイア」遍歴は、CDでは最初に発売されたショルテイ指揮シカゴ交響楽団の重厚で力感溢れる演奏(1984)が最初であり、ソプラノのキリ・テ・カナワと、パワー溢れるシカゴ合唱団のコーラスが売り物であり、トービン版とされていた。映像の時代になって、私は「メサイア」初演250年を記念して、初演と同じ4月13日、初演と同じアイルランドのダブリンで行われたマリナー指揮アカデミー室内楽団の記念コンサートをS-VHSで収録してある。これはソプラノがマクネアー、メゾがオッターの歌手陣を揃えたもので初演に近い演奏スタイルとされていたが、ショルテイ盤に較べて、ライブでありながら淡泊な端正な演奏に感じられた。それは大編成の演奏を嫌ったマリナーの意図であることが、ドキュメンタリーで語られていた。私はモーツアルトが編曲した版(K.572)を用いたリリング指揮シュトットガルト・バッハ合奏団(1994)によるものを良く聴いていたが、私にはこれが現代オーケストラに近い編成で聞き易いものと思っていた。一方、最近になってピリオド楽器を用いた演奏が評判を呼ぶようになり、私はヘンデルの権威であるクリストファー・ホグウッド指揮の自らの解説付きのウエストミンスター寺院における映像(1979)を入手し、これがホグウッドの解釈やカークビーなどの歌手陣を得た、最近における「メサイア」の標準盤であると考えてきた。

 今回の三澤先生の初稿版は、これらとは明らかに一線を画す最も小編成なオーケストレーションであって、実に透明な濁りのない演奏であった。そして、それがオーケストラばかりでなく、ソリスト達も、良く揃った合唱も透明感に溢れており、私はシンフォニアから第4番の合唱まで一気に聞き通し、その新鮮な響きに最初から圧倒され、聴き惚れてしまっていた。一番前の席が幸いし、通奏低音のチェンバロやオルガンの響きも聴くことが出来、オーケストラと合唱の互いに融け合ったアンサンブルの良さも眼前で味わうことが出来た。第8番のアルトのソロと合唱では、アルトのビブラートのない澄んだ声が印象的であり、第11番のワンダフルと明瞭に発声される合唱が愉しかった。また古楽器のアンサンブルが実に美しいシンフォニアの後のソプラノの一連の独唱も、ソプラノの透き通るようなビブラートのない声が良く響き感動的であった。
 休憩後の第二部に入って、受難に入ると合唱が多くなり次第に重々しさが増加したように感じたが、第30番の合唱ではヘンデルらしい軽快なアレグロのテンポに乗って女声三部と男声二部が互いに交錯して素晴らしい合唱になっていた。途中からトランペットとテインパニーが加わって後半の盛り上がりの準備をし、第36番のバスと第38番のテノールのアリアが朗々と歌われ、アリアに続いて大合唱の「ハレルヤ」が力強く歌われた。私はこの合唱講習会にも参加したが、途中の突然に4声部がユニゾンで歌い出した後の各声部の変化も迫力を持って歌われ、素晴らしい効果を挙げていたように思った。
 第三部に入っても、伴奏のオルガンやチェンバロが美しかったり、チェロが活躍するなどオーケストラが目立つ曲が多かったが、さらに第43番のバスのアリアでは、トランペットがソロで伴奏し、同時にチェロも活躍する面白いアリアであった。また、続く第44番は、アルトとテノールの二重唱が珍しかった。終曲の最後を飾る大合唱では、トランペトが加わったトウッテイの伴奏で「子羊こそふさわしけれ」と力強く堂々とラルゴで歌われ、続くラルゲットではテインパニーの伴奏で男声合唱陣が歌い出し、最後には見事な「アーメン・コーラス」で締めくくられていた。今回は最後まで、迫力ある演奏が続き、しかも最前列でソリストのライブの迫力ある声を聴くことができ、真に感動的な演奏会であった。
この初稿版は日本で初めての演奏のようであり、初めて聴いて明らかに従来の演奏とは異なっているようなので、後日、CDかDVDがあれば求めて、もう一度再確認をしたり、他の演奏と聞き比べて見たいと思っているが、如何なものであろうか。記録が残されて公開されることを、切に期待したい。


◆田辺秀樹先生の{「後宮」の演出をめぐって}の聴講メモから、−「ヘンな演出」の事例集として−

 今年の3月のフェラインの例会で、 田辺秀樹先生の{「後宮」の演出をめぐって}という講演があり、この例会の講演概要をまとめる担当となった。字数に制限があって、充分な内容にはならなかったが、幸い先生のご了解も得られており、フェラインのホームページにアップして時間をおいたので、このHPでも以下に使わさせていただこうと考えた。

 先生は「後宮」を例にして、最近、モーツアルトオペラにも及んでいる「ヘンな演出」について述べられており、4つの事例を挙げられたが、このHPでは第一の例のミンコフスキー指揮のアブ・サレム演出のもの(8-4-3)しかアップしていなかった。また、第三の03年ザルツブルグ音楽祭のステファン・ヘアハイム演出の事例は、06年収録のDVDを持ってはいるが、リブレットばかりでなく音楽まで演出のために変更を加えたけしからぬ演出だったので、アップを見合わせていたものであった。第二のハンス・ノイエンフェルス演出のツァグロゼク指揮のシュトウットガルト歌劇場のものは、「ヘンな演出」の常習犯のようであり、この演出者と歌劇場のコンビには気をつけなければならない。また第四の事例は、ヨハン・シモンズ演出のネーデルランド・オペラ(アムステルダム)のものであったが、このオペラ劇場も先鋭的な演出で有名なようであった。

 また昨年暮れに水谷彰良先生の「ドン・ジョバンニ」の演出の事例について講義を受けたが、このオペラについてもいたずらに先鋭的或いは刺激的な過度な演出の例が紹介されていたので、幾つか紹介しておこう。第一の例は、07年のネーデルランド・オペラ(アムステルダム)のヨン・ヴィーラー&セルジオ・モラビト演出のもので、現代化が過ぎて非現実的な演出とされていた。また、第二の例として02年バルセロナ・リセウ劇場のカリスト・ビエイト演出のもので、現代化と読み替えが行き過ぎていたずらに刺激的な演出と酷評されていた。第三の例として、このHPで既にアップ済みの06年スカラ座上演のドウダメル指揮、ペーター・ムスバッハ演出のもの(8-3-3)がセクシャルな面を強調した現代化劇の例としてあげられていたが、私は画面が暗すぎたのでそれ程強い印象を受けてはいなかった。また最後に、このHPで既にアップしている06年ザルツブルグ音楽祭のマルテイン・クシェイ演出(7-5-4)のものも、セクシャルな面を強調した現代化の例とされていたが、確かに大勢の女性の裸姿には眉をひそめる不快なものがあった。

 本年3月の海老澤先生のモーツアルト・ツアーで、有名になったネーデルランド・オペラ(アムステルダム)のヨン・ヴィーラー&セルジオ・モラビト演出の「コシ・ファン・トッテ」を見てきたが、確かに現代化が過ぎて驚いたものの、たあいない男女の愛のもつれの話であり、配役で無理な側面があったが、不快を与えるような演出ではなかったので安心した。私が見たもう一つのヘンな演出の例は、05年のザルツ音楽祭のムーテイ指揮、グレアム・ヴィック演出の「魔笛」であり、第二幕で養老院が出てくるヘンな読み替えで不快を覚えた演出であったが、不評だったので06年の「魔笛」では、ピエール・オーデイ演出のもの(7-1-4)に変更されていた。また、07年のザルツ音楽祭では、グート新演出、ド・ビリー指揮の「ドン・ジョバンニ」が、夜の森を背景にしたスリラー仕立ての舞台と言うことで話題や物議を醸し出していたとザルツブルグで聴いてきたが、09年ではこの演出が継続されるかどうか極めて興味がある。

 ここに例示した演出家や、来日して話題になったピーター・コンヴィチュニーなどに、特に注意すればと言う思いで、この小文を取りまとめてみた。ある程度の読み替えや現代化は、やむを得ないと思われるが、高いお金を出して不快な思いをすることだけは避けたいものである。私はピーター・セラーズのダ・ポンテ三部作(1990〜91)のLDを持っているが、一見して好きになれないので、購入して1〜2度しか見ていない。しかし、これらの作品がどうやらモーツアルトオペラの読み替えや現代化劇の古典として、最近次第に評価されて来ているようなので、改めて見直す必要があると考えている。田辺先生ではないが、「ヘンな演出」は見たくないということになると、現状ではオペラを生で見ること自体をあきらめなくてはならないからである。


、加藤浩子先生と行く「バッハの旅」(11日間郵船トラベル)への期待、

  去る4月25日(土)に、加藤浩子先生のツアーの旅行説明会があり、出席してきた。このバッハを巡る旅は、先生のお話によるとモーツアルトなどと異なって、バッハの場合は彼が巡り歩いた地方都市の最も重要な教会を巡る旅でもあり、それらが現存しているのでイメージが良く伝わり、非常に分かり易いツアーのようであった。バッハが何故宗教音楽ばかりを書いてきたかは、彼の仕事場でもあった教会を訪問することで納得でき、そこには彼の弾いたオルガンが、補修・改造が行われたにせよ現存しており、その地でオルガンを聴いたり、食事をしたり、地ビールを味わうと、バッハがまさにその地で生きていたことが実感出来るようだと、先生が述べておられた。

 今回訪問する都市は、大きくてもライプチヒとドレスデンの50万都市であり、ホテルの場所を地図上でチェックすると、ライプチヒのウエステイン・ホテルにせよ、ドレスデンのヒルトン・ホテルにせよ訪問する教会・宮殿・博物館・コンサートホールがある旧市街地内にあり、いずれも徒歩圏内で行き来できることを地図上で確かめることが出来た。また、アイゼナハ、ミュールハウゼン、アルンシュタット、ドルンハイムなどでは、先生のご案内で現地の教会のミニコンサートでパイプオルガンを聴くことが出来るようであり、これも大変な楽しみである。また、オプショナル・ツアーで申し込んだアルテンブルク観光でも城内教会でオルガンが聴けるようであり、またハレやケーテン観光でもハレの市場教会でオルガンのミニコンが用意されていた。

 以上の通り、前回に述べたこのツアーの三大目玉「フィガロの結婚」、「マタイ受難曲」、「ロ短調ミサ曲」以外にも、バッハ・フェステイバルの追加コンサートや上記のオルガンが聴けるツアーであることが明確になっており、この旅への期待が非常に高まってきている。先生の著書「バッハへの旅」を拝見し、豊富な素晴らしい写真に圧倒された。旅行前に一読して持参したいと思う。


    ぁ柏NHK文化センターの太田峰夫氏による「モーツアルトのオペラを読み解く」(全6回)の聴講の開始。

 去る4月21日(火)柏市のNHK文化センターで、太田峰夫氏(東大文学部美学芸術学助教)による「モーツアルトのオペラを読み解く」(全6回)と言う講議が開始され、講座案内の文言と仲間が参加するということで出席することにした。この音楽講座は実は前項のヘンデルの三澤寿喜先生が昔担当なさっており、7〜8年続いたと思うが、若い講師の先生を新たに得て、再開されたようである。講座の半年間の目論見によると「オペラでは「魔笛」や「フィガロの結婚」などの代表作を一作ずつ取り上げて、オペラ作曲家モーツアルトの魅力を紹介するものとあり、音楽だけではなく、劇場文化の歴史的・社会的背景も解説する」とされていた。家からわずか30分の近い場所で、新宿の朝日カルチャーセンターよりも割安の値段(13800円/6回)で、毎月モーツアルトの話が聞けるという教養番組であるので、喜んで参加することにした。

 第1回は、「モーツアルトのオペラの歴史的背景」として、始めに当時のオペラの諸ジャンルの話があり、次いでモーツアルトの20作品に近いオペラがどのジャンルに属し、時系列的な解説がなされた。そしてオペラ・セリアの代表例として第1回では、「イドメネオ」を作品例として取り上げ、「イドメネオ」のあらすじと、第3幕の第24曲の合唱から第28曲の声の部分まで約20分ぐらい、ノリントン指揮の06年ザルツ音楽祭のDVD(7-9-4)を鑑賞しながら先生なりの解説を頂いた。時間が10時半から12時までの1時間半の短い時間で、オペラの一作を要領よく紹介するには大変であるが、初めての受講生もおられるようなので、この程度の内容にならざるを得ないと考えられた。
 講義に用いたDVDは、輸入盤を用いて英語の字幕が出ていたが、このDVDは日本語版が出ているので、オペラだけは出来るだけ日本語字幕を利用するようお願いした。

 第二回以降の講義は、この調子で「後宮」、ダ・ポンテ三部作、「魔笛」の順に進められ、時間の関係で代表的なDVDで30分程度鑑賞することになるものと予想される。先生は美学芸術学のご出身で、ハンガリーに留学したご経歴であり、音大育ちではないので、このお立場から新たなモーツアルトのオペラ感なるものがお聞きできれば良いと、今後を楽しみにしている。(しかし、手帳を見て気がついたのであるが、第2回5月19日は中学時代の旅行会とぶつかり、第3回6月16日はバッハの旅で欠席せざるを得ない。)




私のふるさと札幌の春の花ライラックが、我が家の庭で満開の時期(5月連休時)を向かえたので花を掲載する。どうしてか札幌のように木が大きくならず、花も大きな房を着けず、写真のようである。また、この時期に、北海道のスズランの花が一緒に庭に咲くので、一緒に掲載する。今年は例年より花が小さいようだ。両方とも、近ずくと凄く良い匂いが漂ってきて、季節を感じさせる。


ァ09年5月号の放送番組予定、

  NHKのBSクラシック・ナヴィゲーションの5月号によれば、HVウイークエンド・シアター、(HVクラシック館という番組は消えた?)BSクラシック・ロイヤルシート及び BSシンフォニーアワーなどの全てのクラシック番組から、誠に残念ながら、モーツアルトものは見つけることが出来なかった。従って、NHKではハイビジョンとBSにあるクラシック倶楽部という番組だけが頼りであるが、こちらも昨年5月の幸田浩子以来モーツアルト作品を見かけることは少なくなった。
 一方、クラシカジャパンでも、様子は同様であり、4月号はヘンデル特集、5月号はバッハ特集になっている。モーツアルトのものは、いずれもアップ済みの再放送ばかりであった。個人的には、バッハ特集などは有り難く、マタイやロ短調ミサなどはブルーレイデイスクに収録しておこうと考えている。

 4月中に購入したソフトは、残念ながらDVDはなく、CDでロバート・レヴィンとホグウッドのコンビのピアノ協奏曲集全19曲(7枚組)がタワーレコードのBOXシリーズで5500円であったので、つい手を出してしまった。才人レヴィンにしてもレコードになってしまうと、フォルテピアノは冴えない音しか出ず、ガッカリした。フォルテピアノの良さは、レコードでは味わえないものという思いがした。
 4月中に録画したモーツアルトソフトは、4月10日クラシック倶楽部で下野竜也指揮東京佼成ウインドオーケストラによる「グランパルテイータ」K361の抜粋を収録してあり、演奏機会が少ない曲なので抜粋で残念であるが、いずれご報告したいと考えている。


Α09年5月ソフト紹介予定、

 先の4月号から方針を変えて、ここ1年ぐらいはオペラを毎月2本にして、オペラの主要作品はアップロードを早く完了させることを目標に頑張ってみることにした。今月はその第2回目になり、今回はDENONレーベルの20スタンダードオペラのシリーズ(1枚2800円、2枚3400円)で、入手した4大オペラ「フィガロ」、「魔笛」、「ドン」、「コシ」のうち「フィガロ」と「魔笛」をアップすることにした。完成を急ぎたい「フィガロ」については、8ソフトあり、毎月1本アップしても今年いっぱいかかる勘定になる。「ドン」は9ソフト、「コシ」は8ソフト、「魔笛」は10ソフト残っており、前途は多難であるが、何とかやり遂げてみたいと思う。

  (最新入手のDVD記録;ギル・シャハム夫妻によるヴァイオリン・ソナタ集その2)
9-5-1、ヴァイオリン・ソナタイ長調K.305、ニ長調K.306、 ギルとオルリー・シャハムのヴァイオリンとピアノ、2005/12/17-19、キンスキー宮殿にて収録、ウイーン、およびヴァイオリン・ソナタニ長調K.306、ヴァイオリン;ギル・シャハム、ピアノ;江口玲による東京公演、07/05/25、紀尾井ホール、
(08年12月EUROARTS盤の大量発売、RBB-2055188、および08年5月28日、BS102クラシック倶楽部の放送をブルーレイデイスクBD-002にHEモードで収録)

 前回のK.301からK.304までの4曲では、ギル・シャハム夫妻によるヴァイオリンとピアノによる二人の見事な共演がつぶさに捉えられており、生き生きとした活気のある素晴らしい演奏であった。今回はその続きのイ長調K.305及びニ長調K.306をお届けすると共に、ニ長調K.306についてはギル・シャハムの東京公演で江口玲のピアノにより紀尾井ホールでの演奏が収録されていたので、合わせてご報告するものである。
 この東京公演のNHKの解説によると、ギル・シャハムは1971年アメリカ・イリノイ州生まれで、両親と共に移住したイスラエルで7歳からヴァイオリンを始め、これまでにシノーポリやプレヴィンなど世界一流の指揮者やオーケストラとの共演も数多く果たしてきた。この日の伴奏を務めた江口玲とは、定期的にリサイタル・ツアーを行っていた。彼の確かな技術と表現力で難曲も自然体で弾きこなす姿は、世界中の聴衆を魅了しているとされている。


(最新入手のDVD記録;テアトル・コムナーレにおける「フィガロの結婚」)
9-5-2、ズービン・メータ指揮フィレンツエ5月音楽祭管弦楽団&合唱団とジョナサン・ミラー演出の「フィガロの結婚」K.492、フィレンツエ歌劇場(テアトル・コムナーレ)におけるライブ収録、03年10月2−18日、
(配役)フィガロ;ジョルジュ・スーリアン、スザンナ;パトリツイア・チョーフイ、伯爵;ルーチョ・ガッロ、伯爵夫人;エテーリ・グヴァザ−ヴァ、ケルビーノ;マリーナ・コンパラート、マルチェリーナ;ジョバンナ・ドナデイーニ、その他、
(09年2月、スタンダードオペラ20としてDVD発売、DENON、TOBA-81200-1、)

 この新しいDVDの「フィガロの結婚」は、2003年10月にフィレンツエ歌劇場で上演されたものである。フィレンツエ歌劇場はこのホームページでは初めてであり、ミラノやローマなどの多くもそうであるが、大半の歌手がイタリア人である。若い頃からずっとイタリアで活躍しているスーリアンばかりでなく、彼らは皆、ドイツ系の歌手に比べて声の音色が明るく開放的で、レチタテイーヴォ・セッコがどの瞬間も生き生きと自在に表現されているのが強みであるとされている。06年のモーツアルトイヤーでスカラ座の「フィガロ」と「ドン・ジョバンニ」をアップしたことがあったが、イタリアのオペラ界の歌手層が厚いことを感じ、またナポリのサン・カルロ劇場の「イドメネオ」を見た時も同じように感じた。

 イタリアの各地のオペラ劇場のモーツアルトのオペラ・ブッファは、いずれも伝統的な演出のものが多く、生き生きとしたイタリア語で語られ、歌われるものが多いが、この「フィガロの結婚」も一見したところ予想通りのものであった。大ヴェテランの指揮者メータの棒に乗って、悠々とした落ち着いた「フィガロの結婚」であり、フィガロもスザンナも実に明るくて活きが良く、伯爵も伯爵夫人もそれなりの風格があり、ケルビーノも元気一杯であった。ご期待いただきたいと思う。


(最新入手のDVD記録;レヴァイン指揮ポネル演出のザルツブルグ音楽祭の「魔笛」)
9-5-3、ジェームズ・レヴァイン指揮、ジャン=ピエール・ポネル演出、ウイーンフイル及びウイーン国立歌劇場合唱団による82年ザルツブルグ音楽祭における「魔笛」K.620、1982年8月21日、フェルゼンライトシューレ、
(配役)ザラストロ;マルッテイ・タルヴェラ、タミーノ;ペーター・シュライヤー、弁者;ワルター・ベリー、夜の女王;エデイタ・グルベローヴァ、パミーナ;イレアーナ・コトルバス、パパゲーノ;クリステイアン・ベッシュ、パパゲーナ;グドルン・ジーバー、
(09年2月、スタンダードオペラ20としてDVD発売、DENON、TOBA-80940-1、)

 このレヴァイン指揮ポネル演出の82年ザルツブルグ音楽祭の「魔笛」の映像は、私の「魔笛」のエアチェック映像の第1号であり、異色とも言えるフェルゼンライトシューレの幅の広い舞台を巧みに使ったポネルの演出が非常に印象的であった。音楽祭のせいか、弁者や三人の侍女に至るまでスター歌手が揃った豪華なキャストであり、レヴァインの音楽もゆったりとした暖かみのある演奏で、感動的な「魔笛」であると思われた。  レヴァインはカラヤンに見出されてこの音楽祭に初めて参加し、1978年からポネルとのコンビで「魔笛」を振っていた。ザルツブルグ音楽祭を語るドキュメンタリーの第二部(カラヤンの時代)で、レヴァインは次のように語っていた。「演出家ポネルとのコラボレーションで新しい演目が沢山あり、特にポネルとは「魔笛」を9年間に51回も振った。また、パパゲーノのベッシュとは50回も一緒だったと語り、信頼する歌手と共演するのが実に楽しく、ザルツブルグ音楽祭は他では味わえぬ特別な時間だといつも感じていた」と言う。
 以上の通り、この「魔笛」は、「魔笛」の映像を語る際に或いはザルツブルグ音楽祭を語るときに最初に出てくる古典的・標準的な映像となっており、伝統を築き上げたポネルの演出と、グルベローヴァはじめ、コトルバス、シュライヤー、などのスター歌手の飛び切りの歌と演技を楽しむ映像となっているので、ご期待いただきたい。

  (以上)(09/04/29)


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