私の最新入手ソフト情報−−平成20年11月号−−


(リサ・ラルソンのN響定期(1624回)公演から3つのソプラノ用コンサート・アリアK.582、K.583及びK.578、およびグリン・ターフェルとUBSヴェルビエ祝祭管弦楽団による二つのバス・コンサートアリアK.432及びK.Anh.245(621a)、/ウーヴェ・ムント指揮N響によるミサ曲ハ長調K.317「戴冠式ミサ」、およびフランス・ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラによる「レクイエム」K.626/マックス・ポマー指揮、東ベルリン放送交響楽団及び合唱団によるオペラ「愛の女庭師」K.196、)

(先月の月報は  「こちら」)


私の最新入手ソフト情報−平成20年11月号−

8-11-0、平成20年11月初めの近況報告、


 ∪こε金融不安、日本の株価相場への不満、選挙戦の行方など心配が絶えない。
◆⊇深まる八が岳山麓を訪ねて、−久し振りのフェラインの旅行会−
、モーツアルト作曲のオペラ「DEMOFOONTE」メタスタージオ作詞の未完のオペラ、
ぁ08年11月号の放送番組予定−ついに新規ソフトがない時代になってきた−
ァS-VHSテープによるアナログソフトとモーツアルト関連ソフトのアップ方針、
Α08年11月号のソフト紹介予定、

(最新のコンサート記録;二つのコンサートアリア・コンサートから)
8-11-1、リサ・ラルソンのN響定期(1624回)公演から3つのソプラノ用コンサート・アリアK.582、K.583及びK.578、08年6月25日、サントリーホール、およびグリン・ターフェルとUBSヴェルビエ祝祭管弦楽団による二つのバス・コンサートアリアK.432及びK.Anh.245(621a)、06年11月21日、東京オペラシテイ、
(08年07月30日、NHKBS103の放送をBRデイスクに、および07年08月11日のNHKBS102の放送を、D-VHSレコーダーのLS-3モードで、S-VHSテープにデジタル録画。)

(S-VHSアナログテープ・ストックによる懐かしい映像;二つの宗教曲コンサートから)
8-11-2、ウーヴェ・ムント指揮N響によるミサ曲ハ長調K.317「戴冠式ミサ」−佐藤しのぶと東京混声合唱団− 90年3月NHKホール、およびフランス・ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラによる「レクイエム」K.626−オランダ室内合唱団−日本公演、98年3月30日、芸術劇場、
(戴冠ミサ)S;佐藤しのぶ、A;永井和子、T;小林一男、B;多田羅迪夫、
(レクイエム)S;モナ・ユースルツドウ、A;ブランモーストローチ、T;ファンダーステイーナー、B;イエーラ・ドラーヤ、
(2000年3月12日のN響アワーNHK3CHおよび98年3月NHKBS3CHによる放送を、S-VHSレコーダーによりS-VHSテープにアナログ録画)

(レーザー・デイスク・ストックからのオペラ報告)
8-11-3、マックス・ポマー指揮、東ベルリン放送交響楽団及び合唱団によるオペラ「愛の女庭師」K.196、−テレビ映画作品−1989年DDRテレビ局、
(配役)ヴィオランテ;アイゼンフェルト、ベルフィオーレ;ジェームス・オニール、ドン・アンキーゼ;ハインツ・ツエドニック、アルミンダ;ウテ・ゼルビック、ラミーロ;エルヴィラ・ドレスン、セルペッタ;シュタインスキ、ナルド;ハルトフィール、
(ドリームライフ、LSZS00185、レーザー・デイスクより)

8-11-0、平成20年11月初めの近況報告、

 ∪こε金融不安、日本の株価相場への不満、選挙戦の行方など心配が絶えない。


 世界的な金融不安の進展とともに急速な円高が進み、金融不安の被害が世界一少ないはずの日本の株価相場が、グローバル化の影響のせいか下がる一方で大変な状況になってきた。円高の勢いは加速がついて10月24日(金)には、瞬間的にドルが90円を、またユーロが120円を切りそうな勢いであったので、これは大変なことになると恐ろしくなった。案の定、週が開けると株式市場は大暴落となり、翌28日(火)には日経平均で瞬間風速で7000円を割る状態となった。その後、円高が収まったのを機に、相場は上昇に向かっており、9000円台で週末を向かえるものとホットしている。円高が95円〜97円を推移しており、出来ればこれで最悪の状態を脱して欲しいと思っているが、アメリカの大手がまた潰れたりすると、これが全世界を素速く巡り、破産が破産を呼ぶ展開になれば、収拾のめどが立たぬそれこそ大恐慌となるであろう。

 これが底値であって欲しいという願いの実現は、これまで昂騰を続けていた原油が150円をピークに今は半額になってきたようであるし、トウモロコシも大豆も軒並み下がっており、実態経済上のこれまでの心配が少なくなってきたことからも言えそうである。これらは、逆に円高の影響で諸外国以上に日本はそのメリットを受けることになるので、一概に円高は駄目だとは言えない。一時世界中を荒らし回っていたオイルマネーなどの金融資本は一体どこへ行ってしまったのであろうか。今回のグローバルな金融バブルで、泡となり弾けてしまったのであろうか。
 金融不安の震源地アメリカの経済は、今後大変なようである。アメリカのレベルの低い多数の消費者達は、クレジットカードを何枚も使い込み、ローン生活をしているのが当たり前のようであるので、ローンの借財が全部残ると彼らは皆破産してしまうと言うことを聞いた。もはや輸出の対象の消費需要はがた落ちで期待できないという論拠である。一方、ビッグスリーは大幅に株価を下げ倒産寸前のようであるが、アメリカの自動車産業の先行き不安は、グローバル的全産業的景気不安の他に、ガソリン価格の上昇、自動車ローンの不安、低燃費化などの技術開発投資の遅れなどにあるようである。トヨタや日産が同じように株価を下げるのはおかしく、ついにゴーン社長がテレビで「株価の急速な下落は会社の実勢を反映していない。」と喚きだしたのは頷けるものがあった。震源地とは事情が異なる日本の株式相場は、改めて見直されるべきであろうと思われる。

 朝日新聞の10月30日(木)の朝刊に、フランスの歴史学者エマニュエル・トッド氏が世界経済危機の今後の行方について述べていた。実に同感することが多く、参考になることが多いので、要約して一言整理しておきたい。タイトルは「今や米国は問題をもたらす存在」とヨーロッパ流の視線が強く反映されている。その第一は世界経済を牛耳っていたのは行き過ぎた自由主義(ウルトラリベラリズム)であると指摘し、国家の関与のない無秩序な資本主義から統制のとれた資本主義へ移行すべきと言う。この論で行けば来週に行われる次の大統領選挙は、マケイン氏ではなくオバマ氏にお決まりであろう。
 第二に中国や日本が輸出国としてやってこられたのは米国の過剰消費のお陰であり、米国の3億人の人々はもはや消費を続けられず、地球全体が構造的な需要不足になるという指摘である。特に中国の輸出総額はGDPの40%に達しているがこれは巨大すぎ、今こそ13億人を養う内需構造に大変革しなければ、中国はおろか世界経済は持たないという。  そして第三に行き過ぎたグローバル主義を止めて、保護主義的な障壁を確立し、域内貿易を確立すべきであるとし、欧州圏、北米圏、極東圏の三つの保護主義圏を提唱している。各圏域で内需を拡大し、各極で地域経済を立て直し、グローバル化を構築すべきであるという。欧州は原料供給でロシアと提携すれば非常に安定した経済圏になれるとし、米国を助けるマーシャルプランを欧州が用意することが出来るといい、日本、中国、韓国は、共通経済の可能性を探る機関を設立すべきだという。

 この第三の保護主義圏については安全保障の問題などいろいろの議論があるにせよ、第一、第二の指摘はその通りであるので、金融バブルの崩壊によって、グローバルな経済システムの外的な環境条件が変化した現在、時間をかけて、次の時代への考え方の枠組みを構築していかなければならないと思われる。しかし、こういう議論は、まだ金融不安が収まっておらず、実体経済への影響が把握できていない段階では、早すぎるであろうか。
 この原稿を書き上げた30日夕刻に、麻生総理が記者会見を行い、第二次経済体策を発表した。詳しい中味は別として、その素速い国際的対応により、日本の対外的失地が改善され、5兆円規模の内需拡大策が効果を発揮することを期待したい。国内の衆議院選挙は、忘れてはいないようであるが、どこかに吹き飛んでしまったようだ。 (この項、08/10/30記)

◆⊇深まる八が岳山麓を訪ねて、−久し振りのフェラインの旅行会−

 モーツアルテイアン・フェラインの有志10名により、八が岳山麓の原村にあるタンノイ・オートグラフが楽しめるペンション・ムジカに一泊し、秋深まる八が岳高原の景観や紅葉を車で見て回ろうという旅行会が計画され、去る10月26日(日)、27日(月)の二日間楽しんできた。天気はまずまずであったが、山には雲が掛かって展望が出来ず、残念ながら多少の不満が残ったが、良い写真が沢山撮れたのでその一部をここに紹介すると共に、例によって旅行写真集を作成して記録に残しておこうと考えている。




 26日お茶の水駅10:00時に集合し車で出発したが、途中の道路は空いており、談合坂で他の車とケイタイで連絡を取って合流した。昼食の信州そばや「翁」には1時前に着いてしまい人数が多かったので待たされたが、全員集合して現地のざるそばを楽しんだ。それから北杜市の「清春白樺美術館」を訪問したが、白樺派の画家の展示のほか、ジョルジュ・ルオーの作品が沢山展示されていた。途中でモーツアルト喫茶店に立ち寄り、1997年モーツアルト劇場の日本語オペラ「救われたベチューリア」の新品ビデオを700円で購入した。原村のペンション・ムジカには4時過ぎに到着し、近所にある八が岳温泉「もみの湯」で汗を流してから、ビールとワインで乾杯をし、ムジカのおばさんの手料理を楽しんだ。皆が持参したLPレコードを掛けてオートグラフを鳴らし始めたのは8時過ぎであったろうか。しかし、何となくオーデイオの調子が上がらずこんなものかと思っていたら、10時過ぎくらいになって次第に調子が出始め、11時過ぎになって最高の盛り上がりとなった。





 翌朝は7度Cの寒さの中、早朝散歩を楽しみ、ペンション村の大きさに驚いた。手作りの朝食を楽しんでから、出発したのは10時頃か。農業大学校のカボチャの農園市場を見たり、柳生博の「八が岳倶楽部」を見たりして、昼食は清里の「清泉寮」でビーフカレーを食べてきた。月曜日であるのにどこも混雑しているのには驚いた。八が岳は高い部分に雲がかかってよく見えなかったが、昨夜は冷え込んだせいで頂上付近は白みがかって見え、霧氷のような状態であろうと思われた。



 「八が岳倶楽部」で甲府市の女性会員が駆けつけてくれ、彼女の案内で甲府の「昇仙峡」に出掛けた。月曜日だったので案内人がつくと一番奥の覚円峰を望めるところまで、一車線の山道を車で行くことが出来た。ここはまだ紅葉は黄ばんだ程度で、これからと言うところであった。帰りに甲府の会員邸を訪問し、手作りのケーキを頂いたり、ピアノを弾いて貰ったりした。夕食は近くのレストランで名物の「甲州ほうとう」を食べ、そこで東京まで2台の車に別れて解散となった。7時頃出発し、御茶ノ水駅に着いたのは8時半であり、ETC車だったので一度のストップもない順調な車の走りであった。

、モーツアルト作曲のオペラ「DEMOFOONTE」メタスタージオ作詞の未完のオペラ、

 面白そうなモーツアルトの未完のオペラ「デモフォンテ(DEMOFOONTE)」を収録した最新の輸入SACD(ARTS-WDR-LC2513)2枚組を偶然に入手した。あのピエトロ・メタスタージョのオペラ用のリブレット「DEMOFOONTE」にモーツアルトが曲を付けたものを集めた若書きのコンサートアリア6曲と、その時代の作品の一部を組み合わせて、主人公デモフォンテ王の語り(ドイツ語)を付けて、聴いて楽しめるようにオペラ風に編集したものである。残念ながらドイツ語の語りが分からないので、音楽だけで判断するしかなく理解したことにはならないが、作者のザビネ・ラデマッヒヤーによると、6曲、約50分も収録しているので、同じ未完のオペラ「カイロの鵞鳥」K.422や「騙された花婿」K.430(424a)よりも増しであろうということが出来よう。



 モーツアルトは第一次イタリア旅行の際の1980年2月10日の手紙に、ミラノのフィルミアーン伯爵から九巻のメタスタージョ著作集を贈呈されたことが書かれていた。そしてミラノでオペラ「アルテルセ」から4曲、ミラノないしローマで「デモフォンテ」から4〜5曲、リブレットの中からコンサートアリアを著名なカストラートはじめいろいろな人達に作曲していた。「モーツアルト事典」から「デモフォンテ」に関する曲を掲載順に収録すると次の7曲になる。

1、アリア「ああ、もう震えおののこうとは思わぬ」K.71(未完)、テノール、第1幕第1場、(注;この作品は、SACDには使われていない)
2、レチタとアリア「私はなんと不幸なのだ」K.77(73e)、ソプラノ、第3幕第4場、第5場、
3、アリア「もし、勇気と希望とが」K.82(73o)、ソプラノ、第1幕第13場、
4、アリア「もし、私の悩みのすべてを」K.83(73p)、ソプラノ、第2幕第6場、
5、アリア「私は小心な恋人の愛など気にかけない」K.74b、ソプラノ、第1幕第7場、
6、レチタとアリア「だが、おお、星々よ、哀れなデイルチエーアが何をしたのか」K.368、ソプラノ、第1幕第4場、1781年1月、ミュンヘン、
7、アリア「あなたに希望を託しましょう」K.440(383h)(未完)、ソプラノ、第1幕第2場、おそらく1782年春、

   演奏はブルーノ・ワイル指揮のCappella Coloniensis という古楽器集団であり、とても活きの良い演奏をしていた。SACDなので録音が素晴らしく、臨場感のある迫力あるオーケストラとソプラノを楽しむことが出来る。なお、ソリストはいずれもソプラノで、Eleonore Magrguerre、Sunhae Im、Netta Or、Matthias Habichの4名であった。  SACDでは第1曲目は、テノールのせいか、未完のせいか使われていないが、他の6曲が全て使われ、2曲のカッサシオンK.63及び99の曲の中から一部の曲が埋め草的に使われていた。また、序曲にはシンフォニー第10番ト長調K.74が、またオペラの終曲には、「レ・プテイ・リヤン」K.Anh.10(299b)から4曲が用いられていた。
     なお、SACDの求め方はアマゾンでDEMOFOONTEと入力すれば求められると教えていただいたが、私はアマゾンの値段は少し高いと感じたので、タワーレコードで検索して貰い、取り寄せで少し安い値段で入手した。


ぁ08年11月号の放送番組予定−ついに新規ソフトがない時代になってきた−

 NHKのBSクラシック・ナヴィゲーションの11月号によれば、HVウイークエンド・シアター、HVクラシック館、クラシック・ロイヤルシート及びBSシンフォニーアワーなどのクラシック番組から、誠に残念ながらモーツアルトものは姿を消した。こんなことは、最近でははじめてのことである。昨年あたりから、オールモーツアルト・コンサートは殆ど姿を消し、演奏者も聴衆の方も変わってきて新しいソフトの激減を感じていたが、ここに来て06年のモーツアルトイヤー時に収録した映像ストックの放送もほぼ終わり、いよいよ、新規ソフトが少ない暗黒の時代が始まったような気がする。従って、NHKではハイビジョンとBSにあるクラシック倶楽部という番組だけが頼りであるが、こちらも仮にあっても小品が1〜2曲含まれているかどうかであろう。

  一方、クラシカジャパンでも、様子は同様であり、モーツアルトのものは、06年のモーツアルトイヤー時に収録されたM22のザルツブルグ・オペラ特集が続いているだけで、その他はいずれもアップ済みの再放送ばかりであった。

   このように新規のソフトが少なくなると、古いS-VHSテープのアナログ画像やレーザデイスクのものの出番となり、これらの古いソフトを早くアップして、沢山の曲の「映像のコレクション」を完成すべき時期が訪れてきたと思わざるを得ない。その意味で、以下の項で、今後のこのHPのアップロード方針を考えてみたいと思う。


ァS-VHSテープによるアナログソフトとモーツアルト関連ソフトのアップ方針、

 上記のように新規ソフトの減少の時代に入ったが、このHPでは、毎月3本のアップロードの基本的な方針に変わりがないが、余力があれば来年あたりから、これまでも不定期にアップしてきたドキュメンタリや映画・テレビ特集などのソフトを4本目のソフトとしてアップしてみたいと考えている。これらのモーツアルト関連ソフトは意外に関心が高く、訪問者数が多いようなので、余力があればのお約束であるが頑張ってみたいと思う。最近では再放送されない古いソフトが保存されているようなので、当方も息抜きとしてこれらをアップして遊んでみたいと考えている。差し当たっては、最近クラシカジャパンで収録した3時間を超える「ザルツブルグ音楽祭」のドキュメンタリ、古いレーザーデイスクから1989年ドイツ・チェコ合作映画「モーツアルト幻視行」(日本フォノグラムPHLG-7503)、1976年ドイツ長編劇映画「モーツアルト青春の旅路」(ドリームライフLSZS-00176)などがある。S-VHSテープに残されているものには、HPの表紙からジャンル別(表ー2)の映画・テレビ作品、および舞台・ドラマ作品のデータベースをご参照いただきたい。

 毎回トップの最新のコンサート記録については、今回の11月号のように二つの異種のコンサートからモーツアルトソフトを組みあわせることが多くなるかもしれないが、やはり着実に継続していきたいと考えている。新規ソフトについては、放送ソフトが切れてもまだ1年ぐらいは大丈夫であり、新しいDVDなどを利用してこのHPの看板として、従来通り続けていきたいと思う。

 S-VHSテープのアナログ画像のアップについては、370本のテープが手つかずの状態であるので、どういう順番で山崩しをするかが問題であるが、今のところ手探りで、「映像のコレクション」の完成が近づいたものを優先して取り上げてきたいと考えている。その曲の候補としては、「戴冠ミサ」K.317がこの11月号で完成するので、次の候補としては「レクイエム」K626やピアノ協奏曲第27番などを目途に、作業を進めたいと考えている。

 LDストックからのオペラ報告は、オペラの「映像のコレクション」として「羊飼いの王様」K.208が今回完成したので、次の候補として「偽りの女庭師」K.196、「イドメネオ」K.366、「フィガロの結婚」K.492などの完成を目指して頑張りたいと思っている。


Α08年11月号のソフト紹介予定、

 11月号の第1曲は、最新のコンサート記録からの映像であり、二つのコンサートアリアを含むコンサートからのものである。コンサートアリアの映像は非常に少ないが、たまたま、コンサートアリアが演奏された最新のコンサートが二つ収録できたので、合わせて8-11-1の5曲のアリアとして今回取り上げたいと思う。最初のコンサートは、去る08年6月25日にサントリーホールで行われたリサ・ラルソンのN響定期(第1624回)公演で歌われたもので、後期の「コシ・ファントッテ」の初演時にドラベッラ役のソプラノ歌手ルイーズ・ヴィエヌーヴのために書かれた3つのソプラノ用コンサート・アリアK.582、K.583及びK.578を歌っていた。彼女はスエーデンのヴェテラン歌手で、この他R.シュトラウスの歌曲も歌っていたし、交響詩「ツアラトウストラはこう語りき」で終わっていた。
 もう一つのコンサートは、モーツアルトイヤーの06年11月21日に東京オペラシテイで行われたブリン・ターフェルとUBSヴェルビエ祝祭管弦楽団によるコンサートで歌われた二つのバス・コンサートアリアK.432及びK.Anh.245(621a)である。ターフェルは、このHPではお馴染みの歌手であるが、コンサートアリアを歌ったのは珍しい。このコンサートで、彼はワグナーのタンホイザーから「夕星の歌」を歌っていた。これら5曲のうち K.582とK.578の2曲は初出である。

   11月号の第2曲は、S-VHSアナログテープ・ストックによる懐かしい映像であり、90年3月NHKホールで収録されたウーヴェ・ムント指揮N響によるミサ曲ハ長調K.317「戴冠式ミサ」である。演奏機会の少ないこの曲の映像は、このHPでは3曲目であり、この映像のアップロードでこの曲の「映像のコレクション」が完結するのでここに取り上げてみた。佐藤しのぶ、永井和子や東京混声合唱団の懐かしい元気な顔ぶれを拝見することが出来る。次いで宗教曲を続けて、フランス・ブリュッヘンの指揮と18世紀オーケストラによる1998年3月の日本公演の「レクイエム」K.626を取り上げた。しかし、この懐かしいコンサートでは、「レクイエム」のほかに「フリーメースンのための葬送音楽」K.477とアダージョK.411の2曲が演奏されていたので、大変な忙しさとなった。ブリュッヘンが手慣れた古楽器集団と少人数のオランダ室内合唱団を完璧なまでにコントロールした迫力ある「レクイエム」をコンサート・ライブで楽しむことが出来る。

 11月号の第3曲目は、古いレーザー・デイスク・ストックからのオペラ報告であり、 8-11-3として、マックス・ポマー指揮、東ベルリン放送交響楽団及び合唱団による「愛の女庭師(Die Gartnerin aus Liebe)」K.196を取り上げた。このオペラは、通常はイタリア語のオペラ・ブッファとして演奏されるが、モーツアルトの時代に既にドイツ語による版があり、この映像はゲオルグ・ミールケ演出のドイツ語のテレビ映画作品として1989年に東独のDDRテレビ局により制作されたものである。映画のため舞台の制約がない色彩豊かな華麗な映像であり、思い切ったレチタテイーボとアリアの短縮化と省略(セリフ化)を行って、全体を分かり易いものにし短く(52+56分)仕立てていた。この映像は、私の場合にはこのオペラを最初に見た映像であったので、将来にモーツアルトの「フィガロ」や「コシ」の誕生を予感させる天才のひらめきのようなものが、人間性に溢れた軽妙な作風の中に満ち溢れているという印象を強く受けていた。


(以上)(08/10/29)


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