(最新のHDD録画;ネルソンズ指揮ライプチヒGH管のト短調交響曲K.550)
18-12-2、アンドリス・ネルソンズ指揮、ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団による交響曲第40番ト短調K.550、2018年3月15・16日、ゲバントハウス(ライプチヒ)、カペルマイスター就任記念コンサート、

−この映像は、ベルリンフイルで活躍していたラトヴィア出身のアンドリス・ネルソンズがライプチヒのゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターに就任した記念のコンサートであり、交響曲第40番ト短調K.550とチャイコフスキーの悲愴交響曲を演奏していた。相変わらず、颯爽とした姿を見せて生きのよい疾走するト短調交響曲のイメージの演奏をしており、クラリネットが入った第2版を用い、コントラバスが4台の重厚な布陣で指揮をしていた。 ネルソンズはベルリンフイルでは駆け出しの指揮者のように見えていたが、このゲヴァントハウスの定期では、髭ずらのスマートな格好の良い指揮者にすっかり様変わりしており、まるで一回り大きくなったような気がしていた −

(最新のHDD録画;ネルソンズ指揮ライプチヒGH管のト短調交響曲K.550)
18-12-2、アンドリス・ネルソンズ指揮、ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団による交響曲第40番ト短調K.550、
2018年3月15・16日、ゲバントハウス(ライプチヒ)、カペルマイスター就任記念コンサート、
(2018/06/25のNHKプレミアム・シアターでHDD-2に収録、)

          12月号の第二曲目はベルリンフイルで活躍していたラトヴィア出身のアンドリス・ネルソンズがライプチヒのゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターに就任した記念のコンサートであり、交響曲第40番ト短調K.550とチャイコフスキーの悲愴交響曲を演奏していたので、ご報告するものである。ネルソンズは、相変わらず、颯爽とした姿を見せて生きのよい演奏をしており、クラリネットが入った第2版を用い、コントラバスが4台の重厚な布陣でト短調交響曲の指揮をしていた。よく見ると、第一ヴァイオリンに四重奏団のズスケが元気に弾いている姿を見たり、広いゲヴァントハウスのホールを見て、懐かしく思いながら聴いていた。


                     アンドリス・ネルソンズは、落ち着いた足取りで登場して来て、コンサートマスターといきなり握手をしてから指揮台に上がり、観客に会釈をしてから、大きく弧を描くような指揮ぶりで開始し、さざ波を打つような弦の流れであの交響曲第40番ト短調K.550の第一楽章が始まっていた。やや早めのテンポであったが、彼の指揮ぶりは、腕を大きく回しながらゆったりと全身を使って指揮をするやり方に見えていた。弦楽合奏はとても良く揃って軽やかに進んでおり、やがて第二主題に入って弦楽器に続いてクラリネットとファゴットが活躍をし始めていた。ここでもやや早めのテンポは変わらず、颯爽と進行していたが、ここで提示部の繰り返しがなされていた。そして、再び冒頭のしっかりした弦楽合奏が始まっていたが、彼の指揮振りはとてもスマートで颯爽としており、それがオーケストラにも現れて、あくまでも穏やかにすっきりと進行していた。


          展開部では、冒頭の導入主題を弦楽合奏が早めのテンポで繰り返し展開されてから、うねるような対位法的な展開が小気味よく進行し、次第に力を増しながらこの主題だけで進んでいた。そしていつの間にか再現部が始まっていたが、ここで再び美しい第一主題、第二主題と軽快に進行していた。ネルソンズは、やや早めのテンポを最後まで崩さずに、軽やかな手慣れた指揮振りでオーソドックスに進んで、駆け上がるようにこの楽章を収束していたが、疾走する弦楽合奏の軽快さが溢れるような印象深い第一楽章に聴こえていた。


   第二楽章は、アンダンテの第一主題がホルンの伴奏で美しい弦楽合奏により軽やかにゆっくりと始まっていたが、途中から弦で現れる32分音符の休止を挟んだ3度動機のフレーズが早くも顔を出し、実に美しい。そしてこれが進むにつれて次第に弦から管へ、管から弦へと発展し、上昇したり下降したり、うねるように繰り返され、特に管と弦との応答が実に印象的であった。やがて、第二主題に入って美しい弦楽合奏が開始されても、この特徴あるフレーズが余韻のように響いており、ネルソンズは、両手を僅かに振るだけでオーケストラを動かしていた。提示部での繰り返しは丁寧に再現されていたが、ここでもこのフレーズが賑やかであった。展開部では初めは重々しく始まていたが、直ぐにこのフレーズが顔を出し、力強く弦から管へ、管から弦へと移行して、主として下降のパターンで展開されていた。再現部に入って、第一主題・第二主題と続いていたが、これらのなかにも弦と管のフレーズのアンサンブルの美しさが冴えており、弦楽合奏の中でフルート、クラリネット、ファゴットが新しい半音階的動機を登場させて歌い出す場面が美しく、綿々と続くこの楽章の独特の装飾効果と繊細なアンサンブルの良さに聴き惚れていた。ネルソンズは、終始、にこやかな表情でこの楽章を指揮していたが、アンサンブルの良い管と弦の音色の美しさが魅力的であり、実に美しいアンダンテ楽章であった。


     第三楽章のメヌエットでは、ネルソンズは少し早目のテンポで進めており、とても軽やかで軽快なアレグレットの弦楽合奏となっていた。この進め方は最近の走るような古楽器演奏のメヌエットと較べれば、落ち着いたテンポであり、ネルソンズは、中庸を得たオーソドックスなスタイルの演奏を行っていた。トリオでも、このテンポ感は変わらずに、弦楽合奏で始まり、木管の三重奏がこれに応えて美しさを強めていたが、繰り返しの後は低弦と木管の三重唱の対話の後に、二つのホルンが響きだし、後半では力強い見事な管楽四重奏が続いて、素晴らしい効果をあげていた。再びメヌエット主題が再起して軽快に進んでいたが、ネルソンズはここでも格好の良い指揮ぶりをして、この明るいメヌエット楽章を優雅に仕上げていた。


    フィナーレはアレグロ・アッサイであり、ネルソンズは第一楽章とほぼ同様な落ち着いたやや早めのテンポで第一主題を進めていたが、軽やかに疾走する弦楽合奏が実に快い。流れるような見事な弦楽合奏が続いてから、やがてなだらかなヴァイオリン三部の第二主題が歌うように進行するが、ここでクラリネットが明るく歌い出して管と弦とが融合したアンサンブルの良さを響かせていた。ここでネルソンズは提示部の繰り返しを丁寧に行っていたが、ここでも颯爽とした疾走する弦楽合奏の軽快な流れを感じさせていた。展開部では冒頭の主題の動機が早いテンポで、休止を伴って、ギクシャクした形で進行するが、続いて弦でも管でも交替しながら執拗にこの主題が繰り返されており、ここでも管と弦のアンサンブルが良く、素晴らしい響きでであったので楽しめた。再現部でもこの安定した落ち着いたテンポが続き、第一主題・第二主題と流れるようにスムーズに進行し、一気にこの楽章が仕上げられていた。

          久しぶりでフルオーケストラの穏やかな落ち着いた感じのオーソドックスな第40番ト短調の交響曲を聴いたが、ネルソンズはベルリンフイルでは駆け出しの指揮者のように見えていたが、このゲヴァントハウスの定期では、髭ずらのスマートな格好の良い指揮者にすっかり様変わりしており、まるで一回り大きくなったような気がした。後半のプログラムはチャイコフスキーの「悲愴」交響曲であり、このオーケストラがどれだけ鳴るか、5.1chの録音を楽しみたいと考えている。
ネルソンズのこのHPの登場は、早いもので3度目であり、最初はエマニュエル・アックスのピアノ協奏曲第14番K.449の伴奏指揮者として登場(15-8-2)し、2度目には、ベルリンフイル定期の指揮者として、珍しく交響曲第33番変ロ長調K.319を演奏してくれていた(17-1-2)。今回の演奏ぶりを聴いても、彼の演奏スタイルはほぼ間違いなく決まっており、このホールでの彼への拍手が凄かったので、彼への期待が大きいものと感じさせていた。とても安心して聴ける指揮者であるので、これからのゲヴァントハウスでの活躍が大いに期待される。


(以上)(2018/12/07)



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