モーツァルト気狂いの最新入手ソフト情報−−平成28年1月号−−

ミンコフスキー指揮グルノーブル・ルーブル宮音楽隊とザルツブルグ・バッハ合唱団によるカンタータ「悔悟するダヴィデ」K.469、/ラン・ランの最新のコンサート・ライブによるピアノ・ソナタ第5番ト長調K.283、第4番変ロ長調K.282、および第8番イ短調K.310、/井上道義指揮読売日本交響楽団と野田秀樹演出のオペラ・ブッファ「フィガロの結婚」−庭師は見た−、日本語演出のオペラ、

(先月の月報は  「こちら」 )


私の最新入手ソフト情報−平成28年1月号−

(ミンコフスキー指揮グルノーブル・ルーブル宮音楽隊とザルツブルグ・バッハ合唱団によるカンタータ「悔悟するダヴィデ」K.469、/ラン・ランの最新のコンサート・ライブによるピアノ・ソナタ第5番ト長調K.283、第4番変ロ長調K.282、および第8番イ短調K.310、/井上道義指揮読売日本交響楽団と野田秀樹演出のオペラ・ブッファ「フィガロの結婚」−庭師は見た−、日本語演出のオペラ、)

16-1-0、平成28年/2016年1月初めの近況報告−年頭所感−80歳の新年を迎えて−

16-1-1)、当HPの2015年のベストソフトはどれか?
−2015年の1年間にアップロードしたソフトにおけるベストソフトの選定−
16-1-2)、2015年は、「フィガロの結婚」に終始した一年間でした。
16-1-3)、3台目の録画用のHDDを接続して−その便利さと不便なこと−
16-1-4)、晩秋の広島旅行−写真報告:原爆の恐ろしさを再確認してきました−
16-1-5)、2016年1月号の放送番組予定、
16-1-6)、2016年1月号のソフト紹介予定、

(最新のBDソフト;ミンコフスキーのカンタータ「悔悟するダヴィデ」K.469)
16-1-1、マルク・ミンコフスキー指揮グルノーブル・ルーブル宮音楽隊とザルツブルグ・バッハ合唱団によるカンタータ「悔悟するダヴィデ」K.469ほか、
バルタバス演出のヴェルサイユ馬術アカデミーによる馬技競演、2015年1月、ザルツブルグ・モーツァルト週間ライブ、フェルゼンライトシューレ、ザルツブルグ、
(出演) S;クリスティアーネ・カルク、MS;マリアンヌ・クレバッサ、T;スタニスラス・ド・バルベイラク、
(2015/11/30、新宿タワーレコード、キングInt.BD、 KKC-9127)

(クラシカJの放送から;ラン・ランの最新のソナタ集、K.283、K.282、K.310)
16-1-2、ラン・ランの最新のコンサート・ライブによるソナタ集、ピアノ・ソナタ第5番ト長調K.283、第4番変ロ長調K.282、および第8番イ短調K.310、
2013/11/15、ロイアル・アルバート・ホール、ロンドン、
(2015/02/09、クラシカJの放送をレコーダー内部HDD のHD-3に収録、)

(最新のBSプレミアムのオペラから;井上・野田コンビによる「フィガロ」、)
16-1-3、井上道義指揮読売日本交響楽団と野田秀樹演出のオペラ・ブッファ「フィガロの結婚」−庭師は見た−日本語演出のオペラ、
2015/10/22、24、東京芸術劇場コンサートホール、
(配役)伯爵;ナターレ・カロリス、伯爵夫人;テオドラ・ゲオルギュー、スザ女;小林沙羅、フィガ郎;大山大輔、ケルビーノ;マルテン・エンゲルチェズ、走り男;牧川修一、狂っちゃ男;三浦大喜、バルバ里奈;コロン・えりか、庭師アントニ男;広川三男、および新国立劇場合唱団、
(2015/12/14、NHKBSプレミアムをレコーダーの外部USB-HDDのHD-2にHV録画、)



16-1-0、平成28年/2016年1月初めの近況報告−年頭所感−80歳の新年を迎えて−

皆さま、開けましてお目出とうございます。本年も例年に変わらず、元気にソフト紹介を続けますので、どうか宜しくお願い申しあげます。

朝日新聞では年末に科学医療報道の10大ニュースを発表しており、2015年は歴史的な節目になっている出来事が多いとしていた。私も技術系の人間なので、年頭に当たっての所感に変えて、ここで簡単にいくつかの感想を述べておきたいと思う。

1) 大村さん、梶田さんにノーベル賞、  2)COP21、「パリ協定」採択、
3)川内原発再稼働、           4)もんじゅで勧告、
5)各地で火山噴火、           6)血液製剤を不正製造、
7)医療事故調査制度、始まる、      8)関東・東北で記録的豪雨、
9)中国、受精卵でゲノム編集、      10)国産ジェット機、大空に、

    全体としてみれば、まずまずであろうと思われるが、これらのうち、6)と 9)については、医療の最先端技術のことなので、事柄の重大性が、土木技術者の小生には理解できていない。直接の土木・建築の分野では、大災害を引き起こした8)だけであるのが物足りない。あれだけマスコミを賑わした三井不動産に絡む旭化成のくい打ち手抜き問題が列挙されていない。土木では杭を何メートル打ち込んだかが費用積算の基準になっているのであり得ない話が、どうして建築では手抜きされるのか、責任の所在がどうなるか気になるところである。 3)の川内原発については、賛否の意見の分かれるところであろう。1〜2年前の頃は、私は再稼働に賛成であったが、最近になって石油価格が安定的に下がり、4)のもんじゅのダラシナサや理解不足の面などもあって、最終処理の見通しのない原発については、小泉元首相と同様の意見に傾きつつある。8)についてはこの日の堤防決壊のシーンは、一日中TVに釘付けになっていたが、「水海道」と怖い地名のついた常総市の一部に新築した方々には、誠にお気の毒であった。最近の気候変動の怖い典型的災害事例と思われるので、火山の前くらいに順位を上げるべきだと思われた。

以上が今年80歳を迎える老人土木技術者の感想である。
15年前に着手したHPが今だ完成とならず、といって責任放棄するわけにもいかず、もっと良いやり方がなかったか悔やんでいるところであるが、そろそろ「終活」の準備をしなければならない年齢なのに、このHPのために今年も時間がないと追われる忙しい一年になりそうである。


16-1-1)、当HPの2015年のベストソフトはどれか?
−2015年の1年間にアップロードしたソフトにおけるベストソフトの選定−

1、はじめに、

    レコード芸術1月号には、毎年、その前年にリリースされたCDに対して「レコード・アカデミー賞」なるものの特集があり、今年の栄えあるレコード大賞(金賞)には、ニコラウス・アーノンクールのシューベルト・エディション(交響曲集など)(2003〜06)が選定されていた。第二位の大賞銀賞にはアントニオ・パッパーノ指揮のオペラ「アイーダ」全曲(スタジオ録音、2015)が、そして第3位の銅賞にはルトスワフスキ作曲のピアノ協奏曲と交響曲第2番がサイモン・ラトル指揮ベルリンフイルとクリステイアン・ツイメルマンのピアノによるCDが選定されていた。私はルトスワフスキという作曲家は知らないので、残念ながら、モーツァルトに偏りすぎた聴き方をしてきたことに、不明をお詫びし、反省せざるを得ないと考えている。この三者は、交響曲部門、オペラ部門、協奏曲部門の優勝CDで、全9部門の中から選ばれる激戦である。各部門で専門の選者により数候補がノミネートされ、各選者がノミネートCDを聴いて評点により順位づけ、最優秀のCDを選定している。なおヴィデオソフトは、CDとは別の特別部門が設けられており、今回はイヴァーン・フイッシャー指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のベートーヴェンの交響曲全集(2012〜13)が選定されていた(この演奏の映像はクラシカジャパンで放送中である)。モーツァルトの作品は、今回の受賞作には、残念ながら、含まれてはいなかった。

     このやり方を見習って、私のホームページにおいても、この1年間にアップロードしたソフトの中から「モーツァルトの映像ソフト」の金賞・銀賞・銅賞を選ぶことにしているが、まだ今回で3回目に過ぎない。一昨年・昨年と私なりに良く考えて実施しており、その結果は末尾の別添ファイルの通りである。選定方法は、レコード大賞のように、初めにノミネート候補作品としてこの一年間で特に注目に値する作品を何曲か自由に選んでみて、その中から厳選してみようと考えた。毎月、1)交響曲・管弦楽曲部門、2)協奏曲・器楽曲部門、3)オペラ・劇作品部門の三部門で、3*12=36ソフトをアップしているが、その中から選定されることになる。以下は、私なりに厳選した結果のノミネート候補10作品をリストアップしてみたが、どうしても11作品になってしまったことをお詫びしたい。掲載順は、アップロードした日付順である。

2、選定されたノミネート候補作品のリスト、

1)15-1-1、ヘルベルト・ブロムシュテット指揮NHK交響楽団による交響曲第39番変ホ長調K.543、N響定期第1787回、および交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」、N響定期第1789回、いずれもサントリー・ホール、2014/9/10および2014/9/27、
2)15-4-2、アンドレアス・シュタイアーのフォルテピアノと佐藤俊介のヴァイオリンによるヴァイオリン・ソナタホ短調K.304(300c)、「ああ、私は恋人を亡くした」による6つの変奏曲ト短調K.360(374b)およびヴァイオリン・ソナタニ長調K.306(300l)、
3)15-5-2、マルタ・アルゲリッチとダニエル・バレンボイムによる二台のピアノソナタニ長調K.448、フィルハーモニー・ホール2014、およびメナハム・プレスラーのピアノとサイモン・ラトル指揮ベルリンフイルによるピアノ協奏曲イ長調K.488、2014ベルリンフイル・ジルベスター・コンサートより、2014/12/31、フイルハーモニー・ホール、
4)15-6-1、ニコラウス・アーノンクール指揮ウイーン・コンツエントウス・ムジクスによる三大交響曲;交響曲第39番変ホ長調K.543、交響曲第40番ト短調K.550、および交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」の新録音、2014年7月5日、シュテファニエンザール、グラーツ、シュテイリアルテ音楽祭2014、
5)15-7-1、カール・ベーム指揮ウイーン交響楽団による交響曲第39番変ホ長調K.543、1969年4月、スタジオ録音、およびウイーンフイルによる交響曲第40番ト短調K.550、&交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」、1973年6月、ウイーン楽友協会ホール、
6)15-7-3、ニコラウス・アーノンクール指揮、ウイーン・コンツエントウス・ムジクス、およびシェーンベルグ合唱団によるオペラ「フィガロの結婚」K.492、セミ・オペラ形式、2014年3月6&8日、アン・デア・ウイーン劇場、
7)15-8-1、(1)ドウダメル指揮ベルリンフイルによる「ポストホルン・セレナーデ」ニ長調K.320、2015/06/12、フイルハーモニー・ホール、
8)15-8-4、(1)アバド指揮ベルリンフイルとアンナ・プロハスカのK.418他およびポリーニのピアノによるピアノ協奏曲第17番ト長調K.453、2011/05/10、フィルハーモニー・ホール、
9)15-9-1、フイリップ・ヘレヴェッヘ指揮シャンゼリゼ管弦楽団、コレギウム・ヴォカーレ・ヘント合唱団による「レクイエム」ニ短調K.626、ショパン生誕200年の命日の典礼付き追悼ミサ、聖十字架教会、2010年10月17日、ワルシャワ、
10) 15-10-3、デニス・ラッセル・デイヴィス指揮、読売日本交響楽団、二期会合唱団による宮本亜門演出の「魔笛」、2015年7月、東京文化会館、
11) 15-12-2、(1)ゲヴァントハウス四重奏団による弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465「不協和音」、来日公演、2014年11月12日、いずみホール(大阪市)、(2)モザイク弦楽四重奏団による弦楽四重奏曲第17番変ロ長調K.458「狩」、来日公演、2014年12月24日、フィリアホール、


3、ベストソフトの選定結果とその理由、

       以上の選定された11本のノミネートソフトは、オペラが2本、三大交響曲が3本、オーケストラ・コンサートが3本、室内楽が2本、宗教曲が1本となっている。2015年にアップロードしたソフトの特別な特徴を述べると、第一にオペラ部門ではアーノンクールの優れた演奏会形式のダ・ポンテ三部作が3本も揃ったこと、第二にクラシカ・ジャパンの三大交響曲の特集があり、ラトル・ベーム・アーノンクールのほかNHKのブロムシュテッドなど優れたものが4本も揃ったこと、第三にベルリンフイルの優秀なデジタル・コンサートホール(BP-DCH)のソフトが4本も揃ったことなどが挙げられ、例年よりもそれぞれの中で競争が激化しており、バランスを取る総合的な配慮が必要であった。
        これら11本のソフトの中から、比較衡量の上、優れた5本のソフトを厳選し、その中から3ソフトを選び出し、最後に自分なりの評価の高さから金・銀・銅の順位をつけて、除かれた2本のソフトは佳作作品として扱うことにした。いずれも、甲乙つけがたい優れたソフトが並んでいる。

金賞:15-7-3、アーノンクール指揮、WCMおよびシェーンベルグ合唱団によるセミ・オペラ形式のオペラ「フィガロの結婚」K.492、

銀賞:15-8-4、アバド指揮ベルリンフイルとアンナ・プロハスカのK.418他およびポリーニのピアノによるピアノ協奏曲第17番ト長調K.453、

銅賞:15-6-1、アーノンクール指揮WVMによる三大交響曲の新録音、シュテイリアルテ音楽祭2014、グラーツ、

佳作:15-5-2、アルゲリッチとバレンボイムによる二台のピアノソナタニ長調K.448、   およびプレスラーのピアノとラトル指揮ベルリンフイルによるピアノ協奏曲イ長調K.488、
佳作:15-9-1、ヘレヴェッヘ指揮シャンゼリゼ管弦楽団による「レクイエム」ニ短調K.626、 ショパン生誕200年の典礼付き追悼ミサ、聖十字架教会、ワルシャワ、





     金賞の15-7-3、アーノンクール指揮、WCMおよびシェーンベルグ合唱団によるセミ・オペラ形式のダ・ポンテオペラ三部作は、2014年3月にアン・デア・ウイーン劇場で、すべて同じ趣向の演奏会形式の演奏で行われていたが、アーノンクールの熱意のこもった意欲的な指揮を始めとするオーケストラの充実振りや、今回の舞台における若い歌手陣の生き生きした表現や見事な歌い振りなどが非常に良く、指揮者と歌手たちやオーケストラとの距離感が非常に近いアンサンブルの優れた映像であることを感じさせた。中でも今回の「フィガロの結婚」が他の二作よりも、これら三者の熱意と意気込みが強く感じられ、他の二作よりも、豊かさと一体感に満ちた演奏になっていたので、代表として選定するものとした。





     銀賞のアバドのコンサート全5曲のうちの私の大好きなメインの二曲は、プロハスカのコンサート・アリアK.418とポリーニのピアノ協奏曲第17番であったが、アバドとベルリンフイルの暖かい伴奏を得て、プロハスカが実に良く伸び伸びと歌い、オーボエのオブリガートとも良く重なった充実した美しいアリアとなっていた。また、ポリーニの協奏曲も久し振りで聴くポリーニのピアノは、実に安定して音が鮮明であり、歯切れがよくて良く揃った鮮やかな冴えた音を聴かせており、アバドの遺産となるモーツァルト演奏の一つとして選定することにした。



     銅賞の今回のアーノンクールとWCMとによる小規模な楽器編成による39番、40番、41番の連続演奏会は、各所で彼独自のオリジナルなアクセントのついたピリオド演奏であったが、休みなく3曲が連続演奏されるなど、非常に密度が高く緊張感がみなぎる格調の高い充実したライブ演奏であった。どうやら「器楽によるオラトリオ」と、最近、彼自身が名付けている演奏の実験的な試みのようでもあり、彼一流の哲学に溢れた三大交響曲として評価したものである。

4、あとがき、

      以上は2015年を通じてアップロードしてきた37ソフトから選び出されたものであるが、この作業を行なう前に、アーノンクールが12月5日に引退を表明したことが報じられていた。86歳の誕生日の前の突然の出来事とされており、私は2015年のモーツァルト週間で彼のシューベルトの交響曲を聴いているので驚いているが、いずれその理由が明らかにされるであろう。今回図らずも彼の作品二点が栄誉を得たが、いずれも彼の何回目かの録音であり、彼の精力的な活動の成果として後世に残る記録であろうと考えて選択したものである。              (2015/12/24記)

(参考−1:2013年のベストソフトはどれか?)
(参考−2:2014年のベストソフトはどれか?)



16-1-2)、2015年は、「フィガロの結婚」に終始した一年間でした。

      2015年は、フェラインの2月例会で加藤浩子先生がクルレンツイスのCDの「フィガロの結婚」を取り上げて以来、たびたびこのCDとのお付き合いが始まり、聴くたびに新しさが耳につき、改めてこのCDやこのオペラに関心を深めた年となった。このCDの古楽器奏法による器楽の色彩感・リズム感・デュナーミク、即興や装飾など、女性歌手のノン・ビブラート歌唱法やアリアでの即興や装飾などのフリー化、フォルテピアノのレチタティーヴォやアリアでの活躍など、至る所で新鮮な響きに驚き、スコアやリブレットに改めて立ち戻り、自分なりにこのような演奏が許されるのか確かめたりしていた。

       そのような時期にレコード芸術8月号には、最新版「名曲名盤500」の「フィガロの結婚」において、かってのジュリーニ(1959)やアバド(1994)の名盤に続いて何とクルレンツイスのCD(2012)が3位にランクされるなど、多くの評論家に支持されていることを知り、モーツァルトの古典派のオペラにも、新しいピリオド奏法の時代の波が押し寄せてきていることを実感させられた。折しもアーノンクールとWCMによる演奏会形式の「フィガロの結婚」(2014)(15-7-3)をアップロードすることが出来たが、ここにおいても最近多い演出家による超モダンな変なオペラ演出などにとらわれないで、純粋にオペラ音楽の素晴らしさを追求して行く演奏会形式の良さが、「フィガロの結婚」などダ・ポンテ三部作を通じて強く出されており、演出重視のオペラ界の動きに一石を投ずることとなり、新しい段階に入ったことを知らされたような気がした。

         以上のような感慨を持っていたときに、レコード芸術11月号で、宇野功芳先生が連載中の「見たり、聞きたり」でクルレンツイスのCDを取り上げており、「理想の[フィガロ]――クルレンツイスの計り知れぬ才能」という標題で、このCDの内容に具体的に触れられ、末尾で「このCDは僕の宝だ」とまで書かれて結ばれていた。この先生のそれぞれのアリアなどに関する詳細なご指摘は、実に面白いばかりか素人にはとても参考になるので、日本モーツァルト協会のオペラ・サークルのオペラに詳しい皆さんと一緒に聴いて見ると喜ばれると考えた。その結果が、 12月8日のオペラ・サークルでの「理想の音源を求めて」と題する発表となり、資料を整理するのに大忙しであった。

        また、今年2015年の8月のザルツブルグ音楽祭に公演されたダン・エッテインガー指揮ベヒトルフ演出の「フィガロの結婚」(15-12-3)が、クラシカ・ジャパンにより8月のうちに日本語字幕付きで放送されるという過去にない画期的な特別緊急番組が組まれて話題を呼んだ。さらに12月のNHKのBSプレミアムのオペラ放送では、井上道義指揮、野田秀樹演出の「フィガロの結婚」−庭師は見た−の日本語オペラが登場するという画期的なことが行なわれた。この映像は新年になって(16-1-3)としてアップロードする予定であるが、なかなかの練られた熱演であるので、年を越えてもまだ「フィガロ」ブームが続いているように思われる。


16-1-3)、3台目の録画用のHDDを接続して−その便利さと不便なこと−

      いつの間にか外付けUSB-HDDの録画の時代になり、2015年11月についに3台目の2TBの外付けHDDを1万円で購入し、BDレコーダーに接続した。第1号機の接続は、2013年7月で、当時は1TBで1.5万円であったので、随分安くなった。BDレコーダーには外付けUSBタップが二つあったので、二つ同時に併用できるものと思い込んでいたが、残念ながら、新しい第3号機の接続は、第1号機を取り外してから新たに第3号機を登録して、接続する必要があった。HDDの取り外しも取り付けも初期設定から行なうよう手引きには書いてあり、面倒であるがやむを得ない。この手続きを経ないと記録内容を損失したり、予約録画が実行できないなどのトラブルが生ずると怖いことが書いてあった。そのため、HDDは固定的に接続し利用することが原則となり、この点がやや不便に感じている。

     スカパーのチューナーの無償提供を受けたのが2012年6月であり、スカパーのハイビジョン放送が始まったのが、2012年10月であった。これ以来、時間とともにNHKもクラシカ・ジャパンも高画質のHV録画が当たり前になり、録画容量が大量に必要になって来たので、スカパーのチューナーに外付けHDDを取り付けたのが2013年11月であった。この外付けHDDの第2号機は、第1号機同様の「DIGA推奨HDD」と箱に大きく印刷されたWestern Digital社 (WD)のMy Bookという2TBのHDDであった。このスカパー・チューナーの外付けHDDで再生すると、このチューナーには残念ながらチャプターマークがないため、オペラなどの長時間番組で頭出しが出来ずにいつも不便に感じている。内蔵HDD付きのチューナーを購入しておけば問題がなかったはずで、残念に思っている。

              この第2号機は2015年12月現在で残量が47%あり、この分では後2年ぐらい持つことになるであろう。今のところクラシカ・ジャパンしか録画していないが、録画したものをデイスクにダビングするには、BDレコーダーとの接続をLanケーブル接続して内蔵HDDに収録し、BDに再度ダウンロードする必要があったが、BDレコーダーをWi-Fi接続にしたところ、今まで出来たダビングが出来なくなり問題が生じている。チューナーもネットワーク接続をする必要がありそうで、WiーFi環境を新たに設定する必要があるが、時間がなくて延び延びになっている。

       第3号機になって容量は増えたが、一方ではモーツァルトソフトが少なくなって残念に思っている。2013年7月に第1号機を導入して以来、2015年12月までの約2.5年経過しているが、今のところ2TG分を録画している。従って、第3号機により、現在の容量は約3TB残されているので、今の体制でこのままいけばあと3年は持ちそうな勘定になるが、どうなるであろうか。今年で80歳を迎え、83歳までは録画は大丈夫なのであるが、果たして寿命の方はそこまで続くことになるであろうか。


  16-1-4)、晩秋の広島旅行−写真報告:原爆の恐ろしさを再確認してきました−

          12月に入って3日(木)から5日(土)まで、1年ぶりで女房と一緒にかねて計画していた広島へ2泊3日の新幹線で往復する旅行をしてきた。私が30歳ころに訪れて以来、何と50年ぶりの訪問となり、一方の女房は初めてという広島旅行を、やっと実現することになった。目的は毎年8月に、TVで見ることになるあの原爆被災の記録をこの目で改めて現地で確認し、被災者の冥福を心から祈ることにあった。そして原爆は二度とあってはならぬと誓いつつ、残された悲痛な被災現場の姿を改めて胸に刻んで来ることにあった。この地には世界遺産が二つもあり、併せて晩秋の宮島の厳島神社にも立ち寄ってみたいという期待もあった。報告は別添ファイルの通りの広島旅行写真集としているので、ここでは代表的な写真のみ紹介しておこう。

      新幹線で東京駅から4時間の久し振りの列車の旅を楽しんで、広島のホテルは、KKR広島で、着いた当日の夕刻に、ホテルの直ぐ傍の広島城を訪れることができた。翌日は一日中、観光バスの世話になり、午前中は原爆ドームから平和公園をゆっくりと散策して資料館を確認し、午後は宮島観光という計画であり、三日目は新幹線に乗る前にホテルの直ぐ傍の縮景園という庭園を散策するというゆとりのある計画であった。風が強く寒かったが、幸い雨がなく日差しにも恵まれて、良い旅ができたと喜んでいる。


       広島電鉄の電停付近から原爆ドームの方に近づき、廃墟の前でドームをしばし見上げて、目に焼き付けた。規模が大きいので、廃墟としてこのまま長期間保存することが大変であろうと思われた。相生橋を渡って、途中から平和公園の中州に入るが、島の両側の河には、被爆直後には、河が被災者があふれるほどで、みな水を求めていたという。中州から原爆ドームを望むと、川向こうの破壊前のこの建築物の当時の写真が飾られており、以前はどのような建物で、どのように破壊されたかが較べて写真に残せるようになっていた。公園には平和の時計塔や平和の鐘などがあり、千羽鶴の少女の追悼碑がひときわ高く聳えて、沢山の千羽鶴がいまでも各地から届けられているようであった。


       毎年、8月6日の式典の中心になる原爆死没者慰霊碑は、碑の中を覗くと中央に原爆ドームが位置しており、祭壇には沢山の献花で飾られていた。それから公園内を歩いて平和記念資料館に入館し、一時間ぐらいの時間をかけて、ゆっくりと館内を一周した。放射線による被害、熱線による被害、爆風による被害、などについて、残された貴重な遺品によって語らせようとした膨大な集積の展示があり、私は二度目であったが、改めて見直して感銘を深くした。平和島の案内の地図には何と56種類の記念碑的なものがあり、50年前と較べて、とても多すぎて見ることはできなかった。また、資料館も、増設された東館は生憎の工事中であり、残念ながら見ることは出来なかった。しかし、今回お墓に入る前に、是非もう一度見ておきたかった原爆ドームと慰霊碑に手を合わせることが出来て、念願の目的を達成したと思った。


国際会議場のレストラン・セレナーデで早めの昼食をとり、バスは一路宮島へと向かい、フェリーに乗り換えた。島に渡って、清盛公の銅像に敬意を表し、神社の鳥居をくぐって、大鳥居の前に出た。素晴らしい景色であり、この島の歴史の重みをつくづく感じていた。ガイドさんの話によるとこの大鳥居は、石の重みだけで支えているという話であったが、干満の差が激しい海中の建物なのでそうなのかもしれないが、土木屋としては基礎がしっかりしていない構造物は信用することが出来ないので、もし津波などが押し寄せたらどうなるか不思議な気がした。厳島神社への参拝を行ない、神社から大鳥居や五重塔を眺めて外に出たが、その周囲にいろいろな古い苔むしたお寺があり、この島は神仏一体の古くからの神聖な信仰の島であることが良く理解でき、北海道生まれの古いもの知らずのわれわれには、何百年もの歴史を経てきた島の古いたたずまいに驚き感動してきた。


16-1-5)、2016年1月号の放送番組予定、

         2016年1月におけるNHKの放送において、初めに「教育テレビ」では、毎週日曜日の21:00〜23:00(最終日曜は除く)の「クラシック音楽館」が、N響定期を中心に放送されている。1月の予定では、10日、17日、24日の三回が予定され、指揮者はみな異なるが第1820〜22回のN響定期が放送される予定である。そのうち24日がマリナーの指揮とオピッツのピアノで第24番ハ短調の協奏曲とブラームスの第4交響曲が放送される。「ららら!クラシック」は、毎週各土曜日に予定されており、1月の4回分では、身近な名曲などが取り上げられているが、モーツァルトは見当たらなかった。この番組は面白いので、いつも収録しておくことにしている。
     続いて正月の特別プログラムは、1日に恒例のウイーンフイルのNYコンサートがあり、また3日には第59回NHKのNYオペラコンサートがあるが、これらはカラフルな豪華映像が楽しめるので、毎年、録画するのが楽しみな番組である。一方、NHKBSプレミアムでは、毎週日曜日24:00〜4:00の予定であり、1月の音楽関係の予定では、17日は小曽根真のNYフイルのジルベスター・コンであり、31日にバレエ「火の鳥」がゲルギエフ指揮マリインスキー劇場が魅力的である。最後に、毎週月〜金曜日の6:00〜6:55の「クラシック倶楽部」では、ペライア、庄司沙也香とプレスラー、などの名が見えているが、モーツァルトの曲が含まれているかどうか、直前に、毎週、面倒でもチェックしておく必要がある。最近、再放送が増えているようなので注意が必要である。

         一方のクラシカ・ジャパンでは、待望のHD放送が続々と登場しているが、最近の特集は5月から始まったクラシック大全の、10大交響曲のモーツァルトの三大交響曲、10大オペラの「フィガロ」と「ドン・ジョヴァンニ」などでモーツァルトが早くも完結してしまったようである。12月号で10大オペラの一つに「魔笛」が選定されたようであるが、残念ながら、既にアップロード済みのアーノンクールの「魔笛」(2012)および2013ブレゲンツ音楽祭のサマーズ指揮の「魔笛」(2013)の2演奏が放送されただけであり、第三曲目が1月号になってもPRされていないようである。
        1月号での特集は、チョ・ソンジンの第17回ショパン・コンクールとウイーンフイルのNYコンサーオなどが目立っていた。その他、モーツァルトの器楽曲などは、全く新譜に恵まれず誠に残念である。

          レコード芸術1月号では、特集は先に述べた第53回レコード・アカデミー賞であり、全15部門・二六名の選定委員が選んだ最優秀デイスクの紹介であった。
         1月号の新譜月評の特選盤には、モーツァルトの曲のCDは1枚だけで、久元祐子先生のK.331とK.333のCDが、ベーゼンドルファーとヴァルター製フォルテピアノなどの聞き比べや、K.331の新発見自筆譜の演奏が評価されたか初めて特選盤として選ばれていた。新譜紹介では、ビデオデイスク欄でミンコフスキーのオラトリオ「悔悟するダヴィデ」K.469が評されていたが、これは小生も12月に購入したので、今回アップする予定である。
        海外盤レヴューでは、これまで「魔笛」のフランス語版と思われてきたパリ・オペラ座のオペラ「イシスの神秘」(1801)がCD2枚組として紹介されていた。

          毎月1回は、レコード店をソフト探しでうろつくことにしているが、新宿のタワーレコードで、今回、16-1-1としてアップする最新のミンコフスキーのBD「悔悟するダヴィデ」K.469を購入してきた。


16-1-6)、2016年1月号のソフト紹介予定、

      新年の1月号は、景気よく最新の新譜で飾ろうと考え、全てがごく最近に入手したものばかりである。第一曲は購入したばかりの最新のミンコフスキーの「悔悟するダヴィデ」K.469のBDを紹介する。この映像は何と2015年1月のモーツァルト週間で、私が現地で見てきたものであり、フェルゼンライトシューレの会場を良く生かした初めて目にしたいわば乗馬が主役の「総合芸術」であり、この時の様子はこのHPの旅行記で記録に残してあるものであった。今、考えると、写真は取ってきたものの、座席の位置が悪く視点が固定されていた。この映像を見ると、映像もそれから音楽もライブで見聞きしたものよりも遥かに全体が良く分り、クローズアップにより詳細もよく見えて、BDのほうが遙かに良く理解できたので、その模様をアップしてご報告したいと思う。

第二曲は、クラシカ・ジャパンの放送から、ピアニストのラン・ランによるモーツァルトのピアノソナタを三曲、第5番ト長調K.283、第4番変ロ長調K.282、および第8番イ短調K.310をお届けする。この映像は、ロンドンのロイヤル・アルバートホールという大ホールでのラン・ラン独演のピアノ・コンサート・ライブであり、ピアニストというよりショウマンとしてのピアノ独演会のようでもあった。この日は3曲のソナタと、ショパンの4曲のバラードがメインであったが、8曲もあった最後の解説付きのアンコール曲が圧巻きで、もの凄い拍手を浴びており、ショウマンぶりを遺憾なく発揮していた。
この人は実力のある人なので、観客を意識せずに真面目にスタジオでモーツァルトと向き合ったら、例えばヘブラーの新しいCD(1986〜91)のように演奏したら、どんなモーツァルトになったろうかと考えて見た。彼は利口な人だから、老境になって力が衰えたときの演奏がどう変貌するか、聴くことは不可能なので想像してみたい。

最後の第三曲は、昨年12月14日にNHKBSプレミアムで収録した日本語オペラ映像の「フィガロの結婚」であり、昨年10月に東京芸術劇場で収録されたものであった。驚いたことに、演出者野田秀樹によりこの西洋の貴族社会の物語が「庭師は見た」という日本の時代劇風に改められ、人間関係は「西洋も東洋も同じ」とも言うべき面白い「フィガロの結婚」に思い切って読み替えられており、井上道義総監督による音楽も充実して、初めて見たような和洋折衷の笑いに溢れたオペラブッファ劇であった。この舞台では、西洋文化と日本文化のそれぞれの良さを、江戸時代末期の長崎での物語に結実させた純日本調の舞台劇に仕立てたのが良かった。イメージに「蝶々夫人」のオペラがあったであろうが、西洋人を衣裳も言葉も外国人として扱い、舞台を全て東洋風の日本調にしたのが良かったようだ。リブレットは、外国人はイタリア語でアリアとレチタティーヴォを歌い、日本人は従来の翻訳調の言葉を放棄して、新しい日本語でアリアを歌い、レチタティーヴォを会話に切り替えて、さらに舞台の進行を庭師アントニ男に委ねるという純日本式舞台進行に徹底したのが良かったようであるが、このリブレットの大変更は、プロの演出者にとっても大変な作業であったと思われた。演出者の野田秀樹のアイデアに感心するとともに、それを生かして優れた日本調のオペラ作品にまで仕上げた井上道義総監督に敬意を表したいと思う。


(以上)(2015/12/25)



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