( 最新のBDオペラから;2014 Opera de Lilleの「にせの花作り女」)
16-6-3、Emmanuelle Haim指揮David Lescot演出によるオペラ・ブッファ「にせの花作り女」、K.196、2014/05/22〜25、Opera de Lilleにおけるライブ収録、

−このフランスの Lille劇場のオペラは、このHPで初出であると同時に、指揮者、演出者、出演者、全員が初出であり、どんな映像か心配な面があったが、市長役を除き、全員が若々しいスタッフが揃い、全員の息の合った生き生きとした活発な舞台がとても楽しめた。このオペラは、単純な恋のもつれの物語なのであるが、ストーリーが分かりづらく、いろいろな工夫が必要であるが、序曲からモノログを取り入れて過去の事件を説明したり、2004年のベーレンライター版を省略なく忠実にすすめ、特に、一・二幕のフィナーレの舞台を思い切って簡略化して、分かり易くしていた。日本語字幕がなく心配であったが、これまでの古い映像にない新しさと分りやすさがあり、推薦に値するものと思われる−

(最新のBDオペラから;2014 Opera de Lilleの「女庭師」)
16-6-3、Emmanuelle Haim指揮David Lescot演出によるオペラ・ブッファ「にせの花作り女」、K.196、
2014/05/22〜25、Opera de Lilleにおけるライブ収録、
(配役)ドン・アンキーゼ;Carlo Allemano、サンドリーナ(ヴィオランテ);Erin Morley、ベルフィオーレ伯爵;Enea Scala、アルミンダ;Marie-Adeline Henry、騎士ラミロ;Marie-Claude Chappuis、セルペッタ;Maria Savastano、ナルド(ロベルト);Nicolay Borchev、
(2015/11/13、タワーレコード新宿店でBDを購入、Warner Classics、Erato、)

   6月分の第三曲目は、かねてアップしたいと考えていた「にせの花作り女」K.196であり、これはフランスの最新の輸入BDであって、このHPに初めて登場するフランスのオペラ劇場 2014Opera de Lilleの「女庭師」のライブであった。初めてづくしであるが、女性指揮者、Emmanuelle Haim指揮、David Lescot演出によるオペラ・ブッファであり、2004年のベーレンライター版を使った最新の演奏であるとされて、一見したところでは、舞台の造りなどは同じフランスもののカンブルラン指揮のLDと庭つくりの風景が良く似ているように思った。登場人物たちが、市長のアンキーゼを除くと全員が若々しく生き生きとしており、すぐに舞台に惹き付けられそうに見えていた。残念ながら日本語字幕がなく、字幕を英語版で見ていたが分かりづらい英語であり、旧版の新全集しか持っていないが、どこが違うか、譜面を見ながら場面を追っていきたいと考えている。



    このブルーレイのオペラのトップ画面は、若い女性が黄色い長靴をはき、庭木のスプレイのかけ方を指導する男女二人の姿が写されていたが、それは女庭師サンドリーナと召使いのナルドの隠れた姿であった。映像が始まると、画面は配役の主役7人と演出者David Loscotの8人が二人づつペアーで写され紹介されてから、拍手とともに女性指揮者Emmanuelle Haimが登場し、早速、アレグロ・モルとの序曲が軽快に開始される場面が格好良く写されていた。序曲の画面には二人の男女が愛し合っている姿が写されていたが、突然、二人はいさかいを起こし、男の手が女性の首を絞める姿になって倒れ込み、打ち所が悪かったか、女性は死んだようにグッタリの姿になってしまった。驚いて男が助けようとしても効果なく、男はそのまま逃げ去ってしまっており、序曲はアンダンテ・グラツィオーソになっていた。倒れた女性は伯爵家のヴィオランテ妃であり、そこへ召使いが駆けつけて来て、女主人が倒れていたので驚いて助け起こす。そこで目覚めた女主人と召使いは、どうやら市長のドン・アンキーゼ長官邸の庭園を舞台にした、見習いの女庭師サンドリーナと召使いのナルドの姿であった。アンダンテのオーケストラの中でフォルテピアノが美しい音を響かせていた。



   そこで、早速、幕が開き舞台では、第一曲の「嬉しい日、喜びの日」と威勢よく五重唱が始まっていた。この日は長官の姪アルミンダとベルフィオーレ伯爵とが長官邸で結婚式を挙げる日で、めでたい嬉しい日であった。五人の登場人物は、初めに騎士ラミロで、市長の姪アルミンダが好きだが結婚することが出来ずその悔しい思いを歌っていた。続いて市長は女庭師のサンドリーナに恋をして思いがかなわず悩んでおり、一方のサンドリーナは愛していたベルフィオーレ伯爵を探すため女庭師に身を隠しているが、市長に言い寄られて困っていた。召使いのナルドはセルペッタが好きだがこれは片思いであり、セルペッタは市長の愛人で彼に夢中であるが、彼の女庭師への浮気に嫉妬していた。これら5人の登場人物たちの恋の悩みがソロでそれぞれ歌われてから、再び最初の五重唱となり、颯爽としたモーツァルト・アレグロで実に生き生きと開始されていた。



  続く第二曲は、バドミントンの選手スタイルの騎士ラミロがフォルテピアノ伴奏の長いレチタティーヴォにより、アルミンダへの恋が終わる日でもあり、「小鳥は逃げて自由になっても戻ってくる」と逃げた小鳥を案じた美しいアリアを歌っていたが、繰り返しでやや長く冗長な感じがした。続いて市長がサンドリーナと二人になり口説こうとするが、セルペッタが嫉妬でじゃまをしていらいらしていた。第三曲で、市長は愛の喜びをフルートとオーボエにたとえ、愛の苦しみをヴィオラや太鼓やテインパニーにたとえて、各楽器によるオブリガートで、面白いコンチェルタントなアリアを歌っていたが、この曲は前代未聞のモーツァルトの発明のような賑やかなアリアであり、指揮者と舞台での反応が楽しく、大拍手であった。



  一方のサンドリーナは、伯爵に殺されて、捨てられたと思い込んで、一年も過ぎて、第四曲で女はこうなると憐れなものと歌っていたが、このアリアの主題はとても魅力的で、失恋で落ち込むラミロを相手に元気よく歌われ、この主題は三度ほど現れていた。続く第五曲の召使いのナルドのアリアは、セルペッタが好きなのに彼女の移り気な女心を歌ったアリアとなっていたが、同僚の男の庭師たちと一緒になって大声で歌っていた。





         結婚の日、鞭を手にした花嫁アルミンダが貴族のスタイルで現れ、市長に対しベルフィオーレ伯爵の到着が遅いと怒っていた。そこへ伯爵が遅れて登場し、恰好をつけたのはよかったが、そこで少しよろめいたり、市長の手にキスをしようとしたりして失敗して大笑い。しかし、アルミンダの美しい姿に魅せられたと第6番のアリアを歌っていた。そこで、アルミンダは少しおかしな伯爵をヒマワリだと言って責め、鞭を振り回して一緒になっても「浮気をしたらヒッパたくわよ」と警戒して第7番のアリアを歌って伯爵に言い渡していた。







     それに対して伯爵は少し馬鹿にされたと思ってか、自分の由緒ある家系を自慢しながら第8番のアリアで堂々と「ローマの偉大な祖先を持つ家系だ」と歌っていた。市長は姪の相手には、少し変わっているが、まずまずの相手だと言った表情であった。
     一方、そこに現れたセルペッタは、市長の姿を思い出して「夫が欲しい」と第9番aのカヴァテイーナを歌い出したが、ナルドが自分を見ているのが嬉しくて、色気を見せていた。一方、ナルドは夫が欲しいと歌うセルペッタを見て、同じ旋律の9bのカヴァティーナを歌いながら近寄ると、セルペッタは気まぐれにも怒り出し、ナルドをはねつけて困らせていた。そしてセルペッタは、コケットリーな調子の早い第10番のアリアで、男は自分を美しいと言うが、自分の好きな男は振り向いてもくれないと当たり散らしていた。





     そこへヴァイオリンの序奏の付いたピッチカート伴奏の美しい音楽に乗ってサンドリーナが鳥かごを持って登場し、故郷を思いながら愛する人(ベルフィオーレ伯爵)に会えぬ孤独な自分を嘆く美しい第11番の「キジバトのアリア」を歌っていた。そこへアルミンダが来て、今日の自分の結婚の相手はベルフィオーレ伯爵だというので、サンドリーナは驚愕し、真っ青になって倒れ込み驚気の余り気を失ってしまった。アルミンダが大声を上げて助けを呼ぶと伯爵が駆けつけて来て第一幕のフィナーレが始まった。





     伯爵は倒れている彼女が愛人のヴィオランテであることを発見し自分の目を疑った。サンドリーナも助けてくれた人が伯爵であることが分かって、さあ大変。サンドリーナが声を挙げたので、アルミンダもラミロも駆けつけるが、サンドリーナと伯爵の様子がおかしいので、二人とも何が何だか分からないと大騒ぎであった。そこへ市長が駆けつけたが、やはり何故皆の様子がおかしいのか分からない。私一人置き去りにしてとカンカンになって怒っていると、セルペッタが伯爵とサンドリーナの二人が抱き合っていると知らせるが、ナルドが市長にそこへ行かせまいとして大混乱。




       サンドリーナが、私はヴィオランテでないと伯爵に怒るが、二人は矢張り恋人同士、互いに背を向け合って座り込んだところに、全員が駆けつけて二人を囲んであわやという場面になった。アルミンダが「不実もの」と伯爵を責めて、様子が分らない市長も混乱して大変な騒ぎであった。そしてこの混乱のままで第一幕は終了していたが、何とも演出者泣かせのドタバタのフィナーレで、いつもこのような調子でこのオペラは終幕となるようであった。






         第二幕は再び長官邸の庭園で、アルミンダはうるさく言い寄るラミロを突き放し、早く伯爵に会いたいと思うが、一方では伯爵がサンドリーナに気が移って、自分とは距離を置くように感じて、「愛していたのに憎い」とばかりに第13番の早いアリアを歌って、姿を見せた伯爵を責めていた。彼女は鞭を振るって、ひまわりの花が4〜5本、鞭の犠牲にするほどの怒 りようであった。





       一方のセルペッタはナルドが自分に関心があるのを知って、騎士風に私を口説いて見せてとナルドに注文すると、ナルドは喜んで、始めにイタリア風に思いを告げ、続いてフランス風に「マダーマ」と語りかけ、最後の英国風に口説くが、残念ながらセルペッタにはチンプンカンプンで知らん顔。おかしな女だと腹を立ててしまったが、このアリアは、単独でも歌われる有名な第14番のアリアであった。

    美しい弦とピッチカートの音楽が始まりサンドリーナが登場するが、直ぐに伯爵が現れ、改めてヴィオランテであると認めて過去の不始末を心から詫び、許しを乞う真面目な第15番のアリアが歌われ、あと一歩のところまで来ていたが、市長がそれを見て邪魔をしたので、また伯爵得意のよろめきが出て、市長の手にキスをする失敗をしてしまった。








     市長はサンドリーナをしつこく口説き、使用人を貴婦人にするのだと迫るが、彼女の拒絶反応に合い、彼女は「私の主人は寛大な人」という第16番のアリアを歌って、長官から逃げ出していた。そこへラミロが市長に一通の手紙を手渡した。それはミラノから届いたベルフィオーレ伯爵の逮捕状であり、オネステイ侯爵令嬢ヴィオランテの殺害犯としてラゴネロ市の市長に対し裁判を求めた文書であった。
      伯爵が殺人犯?と戸惑う市長は、大事なアルミンダの身の上を思い「結婚などとんでもない」と第17番のアリアを歌い出し、伯爵を契約違反だと怒っていた。





      ここで泣きながら悲しむアルミンダを見て、ラミロは「アルミンダを手にする希望が涌いてきた」と、ここで三拍子の美しい第18番のアリアを歌っていたが、このアリアは少し長いが実に素晴らしく美しいアリアであった。
            裁判官の恰好を付けた市長の前に伯爵が顔を出したので、アルミンダとセルペッタが立ち会いで、いきなり裁判が始まった。伯爵の名は?身分は?に次いで、オネステイ侯爵令嬢は知っているか?彼女は生きているか?の問いに、ハッキリ分からぬと伯爵が口ごもっていた。





         そこへ、突然に、横からサンドリーナが現れて「ヴィオランテは死んでいません。怪我しただけで、私がそのヴィオランテなんです」と答え、伯爵を許しますと申し出た。一同唖然として、これで裁判は、突然、休会となった。驚いて残された伯爵は、ヴィオランテと呼び掛けると、サンドリーナは「先ほどは貴方を助けるために言ったのよ」と相手にせず、嫉妬の余り「どうぞ、アルミンダの元へ」と素っ気ない。この厳しい様子によろめき伯爵は、為す術がなく倒れ込んで、第19番の長いレチタティーヴォを悲しげに歌うばかりだった。








         セルペッタが急いで駆け込んできて、サンドリーナが逃げたと知らせて舞台は大騒ぎとなった。市長が心配して探しに行ったのでセルペッタは嫉妬で半狂乱。一人でやけ酒をあおったように大声を出しながら、市長を恨んで第20番のアリアを歌っていた。続いて逃げ出したサンドリーナは、広い原っぱの中でただ一人になり、怖さの余り「神よ、助けて」と半狂乱になって第21番の有名なアリアを歌い倒れてしまった。続く第22番のカヴァテイーナでは、「誰かが来る。神よ、逃げるにも力がない」と洞穴の暗い中で一人恐れおののいて倒れていた。





       続けてフィナーレになってサンドリーナを探しに全員が暗い洞穴の中に来て、七重唱が始まり、暗闇の中でそれぞれが自分の恋人を探し始めていた。そこでは暗闇の中で初めにセルペッタと伯爵がお互いに見つけ合って互いの恋人であると思い込み、続いて市長とアルミンダが逃げられそうな自分の恋人を思って抱き合っていたし、終わりにナルドとサンドリーナも暗闇で恋人をやっと見つけた気分になっていた。ところが最後にラミロが松明を持って駆けつけて、明るいところでお互いの恋人を見ると、何と相手が全く違うことに驚いて、皆が一気に正気に戻されていた。





       アルミンダが伯爵を蹴飛ばして怒りをぶつけると、市長とラミロが剣とピストルで伯爵に決闘を申し込もうとしていたし、伯爵がサンドリーナの美しい歌を聴いてのぼせ上がってお得意の虚ろな状態になっていた。そしてサンドリーナと伯爵の二人が狂気に陥ったように愛の夢を語り合い、正気を失って皆の相手にならず、全員が呆れて見守るばかりの混乱状態になっていた。そして、この狂気に全員が当てられたまま大騒ぎになって、この不可思議なフィナーレが狂気の状態の中で終幕していた。









         第三幕ではフォルテピアノが美しく響いて、夜が明け朝が来たことを告げ、静かな池のほとりで目が覚めて起き上がったナルドが、セルペッタを見つけて口説こうと近寄ったところに、まだ少しおかしい伯爵とサンドリーナがナルドを見つけて絡んできた。ナルドはまだ狂気が続いているサンドリーナと伯爵の二人を落ち着かせて、大声で二人に空の星を見よと勧め「太陽と月が喧嘩をすれば、星同志が心配して揺れるんだ」という第24番のアリアを歌い出した。サンドリーナと伯爵の二人は、ナルドに従って空を見つめているうちに、このアリアが良く効いて、二人は太陽と月の二重唱を歌い始めて次第に心が落ち着いてきた。そして二人はやっと少しづつ狂気が去り、目が覚めてきたようであった。





        市長はアルミンダから伯爵をと責められ、またラミロからはアルミンダを早く何とかしてくれと責められ、うんざりしていたが、二人にこれ以上俺を煩わすなと第25番のアリアを歌って、二人を話し合いで結びつけようとしたが、失敗であった。アルミンダはラミロにこれ以上あなたを愛することは出来ないと明確に告げたので、ラミロは「むごい女だ。でも私の気持ちは変わらない」と絶望的な第26番のアリアを歌って、遠くに行って死にたいと呟いていたが、それを見送ったアルミンダは、やはり心が動かされたようだった。





         いよいよ終わりが近づいて、弦とピッチカートの美しい前奏が聞こえて、伯爵とサンドリーナはようやく深い眠りから目が覚めた。伯爵はサンドリーナをヴィオランテであると認めて「愛しい人よ」と声を掛け近づくが、彼女はまだ嫉妬深く警戒していた。何と焦れったいことかと心配していると、音楽がやっと少し変わり、第27番のアリアと二重唱が始まって、二人は次第に歩み寄り始めた。そしてやっと顔を近づけるが、まだヴィオランテは仲良くなれず、時間がかかっていた。しかし、近づいてやっと抱き合い始めてソッとキスを交わしていた。もう大丈夫。愛はいつも最後には勝つように出来ていた。







        この二人の様子を皆が覗き見しており、二人の愛の二重唱が終わると、泉の前でサンドリーナとアルミンダが手を差し出して握手をし、平和を取り戻していた。セルペッタは「私も棘が取れた」と言ってナルドの方に近づいていった。そしてアルミンダも伯爵をやっと諦めたか、ラミロに優しい素振りを見せていた。そこへサンドリーナがヴィオランテの姿になって「私は許婚に優しい復讐を沢山したかったから」と語って伯爵を仰ぎ見ていた。そこで市長は「結婚したいものは勝手にすればよい。俺も別のサンドリーナを探したい」と呟いて、長い恋のもつれの物語は終わりとなっていた。



音楽は賑やかな第28番のフィナーレの合唱が始まり、ヴィオランテと伯爵を囲むように皆が集まって「庭師の娘、万歳」となり、本当の心を守った女としてヴィオランテと伯爵とは全員の祝福を浴びていた。また、セルペッタとナルド、アルミンダとラミロもペアーになって嬉しさを隠さずに、賑やかな威勢の良い全員合唱の中でオペラは終わりとなっていた。


      このオペラは、単純な恋のもつれの物語なのであるが、ストーリーが分かりづらく、その原因はアリアの言葉が抽象的で意味が取りずらいことが多分にあった。この映像は細かく見れば見るほど、周到に用意された舞台であり、幾つかの工夫がなされていた。その第一は序曲から始まっており、モノログであるが隠されたヴィオランテ妃と伯爵の秘密の事件が用意されていた。そしてアンダンテでヴィオランテが「にせの花作り女」サンドリーナに変装していることをさりげなく説明していた。その第二は28曲のアリアは全く省略なく丁寧に演奏されており、ダ・カーポの部分はやや冗長に感ずるアリアもあったが、丁寧にオペラを進めていたことであろうか。これらは2004年の新しいベーレンライター版を使ったせいでもあろうが、指揮者のHaimと演出者Lescotの意気の合った取り組みがあり、演出者泣かせの一・二幕のフィナーレを、思い切って単純化して分かり易くしていた。これらは出演者全員の協力があって初めて達成できたものと思われ、これまでの映像よりも、遥かに分かり易い舞台となっていた。

    今回の簡素な庭園の舞台作りは、一・二幕のフィナーレを除き、全幕共通で 使われた美しい印象的なものであったし、各所で見られた二人の庭師による動きがオペラの進行性や喜劇性を高めるものであったが、これらを含めて、同じフランスの舞台であったカンブルランとヘルマン夫妻のLD(10-2-2)の映像に似ているところが多分に含まれていたことを附記しておきたい。

                   今回のLille劇場のオペラは、このHPで初出であると同時に、指揮者、演出者、出演者、全員が初出であり、著名な方はいなかったが、市長役を除き、全員が若々しく見え、息の合った生き生きとした活発な舞台が楽しめた。この映像は、これまでのものと較べて日本語字幕はなかったが、とても分かりやすかったので、推奨に値すると考えられ、是非、一度は見ていただきたい映像であると思われる。

(以上)(2016/06/13)



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