(最新のDVDより;パドヴァにおける戴冠ミサ曲K.317)
16-11-3、クラウデイオ・シモーネ指揮、イ・ゾルステイ・ヴェネテイによるミサ曲ハ長調「戴冠ミサ曲」K.317、
聖ピータースブルグ合唱団、2014年5月23日、ヴェネト音楽祭2014、オープニング・コンサート、エリミターニ教会、パドヴァ、イタリア、

− 残響が多い教会の中で、瑞々しく響くソプラノの輝かしい歌声と、厳かな四重唱や壮大な大合唱の歌声が残響の中でこだまして、教会らしい荘厳な響きの中でミサ曲は演奏されていた。シモーネは相当な高齢でありながら、まだしっかりとした指揮振りで、オーケストラや合唱団を動かしており、ソリストたちの見事なソロや四重唱もあって、全体としては素晴らしく感銘深い厳かな演奏であった。レコードショップで偶発的に見つけ出した輸入盤のDVDであったが、初めて聴く団体にしてはまずまずの出来映えであり、思わぬ収穫という感じがしていた−

(最新のDVDより;パドヴァにおける戴冠ミサ曲K.317)
16-11-3、クラウデイオ・シモーネ指揮、イ・ゾルステイ・ヴェネテイによるミサ曲ハ長調「戴冠ミサ曲」K.317、
聖ピータースブルグ合唱団、2014年5月23日、ヴェネト音楽祭2014、オープニング・コンサート、エリミターニ教会、パドヴァ、イタリア、
(ソリスト)ソプラノ;Roberta Canzia、アルト;Laura Polverlli、テノール;Aldo Capute、バス;Marco Bussui、
(2016/7/28、タワーレコードにて購入、DVD Dynamic 377490、)

          12月分の第3曲目は、これも最近購入したイタリアのDVDであり、 クラウデイオ・シモーネ指揮、イ・ゾルステイ・ヴェネテイによるミサ曲ハ長調「戴冠ミサ曲」K.317である。イタリアのパドヴァで行なわれたヴェネト音楽祭2014のオープニング・コンサートとされ、2014年5月23日、エリミターニ教会で収録されており、上記のソリストたちと聖ピータースースブルグ合唱団が歌っているものであった。このDVDの第1曲目は、イタリアのブラーノに生まれてヴェネツイアで亡くなったバルダサーレ・ガルッピ(1706〜1785)のミサ曲が演奏されており、音楽祭のオープニング・コンサートとされているだけに、この作曲家を讃えるこの地域の音楽祭と結びついているのかも知れない。




         「戴冠ミサ曲」ハ長調K.317は、第2曲目として歌われており、いかにも古そうなエリミターニ教会の祭壇を背景にして、四人のソリストが最前列に、コントラバス二台の中規模なオーケストラが中段に、後列に女声と男声合唱団が二列に並んでいた。指揮者のクラウデイオ・シモーネは聞いた名前ではあるが、映像で見るとこのHPに初めて登場する指揮者であると思われた。とても残響が多い教会であり、字幕がないので言葉は殆ど聴き取れないほどであった。4人のソリストを先頭に指揮者も現れて、挨拶をした後に、一息おいてシモーネの一振りで「戴冠ミサ」の「キリエ」の合唱がアンダンテ・マエストーソで壮大に始まった。




「キリエ」と叫ぶ合唱とオーケストラが交互にゆっくりと力強く響き渡り、実に荘厳な始まりで、オーケストラの残響が深く響いていた。次いで、オーボエとヴァイオリンの前奏でソプラノがピウ・アンダンテでキリエ・エリイソンを朗々と高らかに歌い出し、テノールがソプラノの後を継いで交互に歌い出し、二重唱になっていたがソプラノの高い透き通るような声が一際美しく目立っていた。続いて合唱が再び冒頭のキリエ・エリイソンを歌い出し、ひとしきり整然と歌われた後に盛り上がって静かに終息した。一際目立つソプラノも、比較的少人数であるが残響の多い響きの中で整然と歌う合唱団も落ち着きがあり、シモーネのゆっくりしたテンポもとても良く、素晴らしい「戴冠ミサ」の始まりとなっていた。




        続くグロリアは、合唱が力強くグロリアと歌い出す整然とした早いアレグロで、合唱の後をオーケストラが受ける形で繰り返され、合唱の響きが深くこだまして輝かしいばかりの賛歌に聞こえていた。続いて四重唱と合唱が続いてから、独唱のソプラノに次いでテノールが掛け合いながら歌い出し、四人のソリストによる四重唱となって歓喜に溢れる歌声が続いていた。その後合唱に変わり、四重唱と合唱の繰り返しが問答風に数回続く。そして再び冒頭のアレグロの合唱に戻り、やがてアーメンを歌う四重唱と合唱とが続き、コーダとなって威勢良く終えていた。




 クレドは早くて激しい弦によるシンフォニックな前奏に始まって、クレドと叫ぶ大合唱がアレグロ・モルトで開始され、オーケストラの激しい伴奏と合唱が続く。シモーネは力強く明確にリズムを取って、力を込めて歌いながら指揮をしていた。中間部に入ると4人のソリストによるエト・インカルナタス・エストのアダージョの四重唱となるが、ソプラノの高い声がくっきりと目立ち、またヴァイオリンとオーボエによる小刻みな伴奏が良く合って、感動的なエピソードを作り出し、素晴らしい雰囲気を醸し出していた。続いて合唱でもこの厚みのあるアダージョが整然と繰り返されて静かに終息してから、再び最初のテンポのアレグロの大合唱となった。そして、ソプラノ、バス、の順にピッチカートの伴奏で美しい四重唱が始まり、さらには合唱とオーケストラとによる大合唱に発展してから、アーメンの合唱を繰り返して終息した。




          サンクトウスではアンダンテ・マエストーソの壮大なサンクトウスの爆発的な大合唱が鳴り響いた。シモーネは力強く口を動かしながら指揮を取り、トランペットやトロンボーンの鋭い響きと、テインパニーの力強い響きが耳にこだまする。やがてアレグロ・アッサイのホザンナが高らかに合唱され、数回繰り返されて終息した。
          続いてヴァイオイン二部とオルガンによる静かで歌うように美しい前奏に続いて、ソット・ヴォーチェでソリスト達による四重唱でベネデイクトウスが始まった。ソロが四部で弦とオーボエに導かれるようにベネデイクトウスの四重唱となり、何回か繰り返されたが、全曲の中でもとりわけ穏やかな部分であった。しかし、突然、再びアレグロ・アッサイのホザンナが合唱で激しく高唱されてから、四重唱の美しいベネデイクトウスとホザンナの合唱が激しく短く繰り返されていた。




         やがてミサの最後のアニュス・デイが始まる。弦二部とオーボエとピッチカートの伴奏でゆっくりとしたオーケストラの前奏で始まり、ソプラノがキリリとした高い声で、アニュス・デイと歌い出す。あの「フィガロの結婚」の伯爵夫人の祈りにも似たソプラノのソロが高らかに歌われ、くっきりとした声が浮き上がるように響き、実に美しく感動的であった。二度・三度と繰り返すたびに神に祈るような気持ちになり、最後にはオーボエとピッチカートだけの伴奏になって終息した後、弦二部とオーボエの伴奏でソプラノが先導してゆっくりと「ドーナ・ノビス(われらに平安を)」が始まった。ソプラノからテノールに渡され再びソプラノに戻ってから、四重唱で歌われ実に美しい感動的な場面であった。次いでアレグロに変わり、堂々たる合唱になってテンポが次第に早くなって盛り上がり、最後には合唱の掛け合いになって輝かしい響きの中で結びとなった。




        教会のせいか遠慮深い拍手が始まって、指揮者のシモーネはソリストたちと握手を交わしていたが、全員を起立させて、次第に大きくなる拍手に答えていた。そのうちに女性ソリストに花束が贈呈されたり、合唱指揮者が呼び出されて挨拶を交わすなど、和やかな雰囲気の中2つのミサ曲のコンサートが終了していた。
残響が多い教会の中で、瑞々しく響くソプラノの輝かしい歌声と、厳かな四重唱や壮大な大合唱の歌声が残響の中でこだまして、教会らしい荘厳な響きの中でミサ曲は終息していた。シモーネは相当な高齢でありながら、まだしっかりとした指揮振りで、オーケストラや合唱団を動かしており、ソリストたちの見事な四重唱もあって、全体としては素晴らしく感銘深い厳かな演奏であった。タワーレコードで偶発的に見つけ出した輸入盤のDVDであったが、初めて聴く団体にしてはまずまずの出来映えであり、思わぬ収穫という感じがしていた。


(以上)(2016/10/31)



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