モーツァルト気狂いの最新入手ソフト情報−−平成27年12月号−−

ジェルメッテイ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による交響曲第40番ト短調K.550、およびデユトワ指揮NHK交響楽団によるセレナーデ(アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク)ト長調K.525、/ゲヴァントハウス四重奏団による弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465「不協和音」およびモザイク弦楽四重奏団による弦楽四重奏曲第17番変ロ長調K.458「狩」/エッテインガー指揮、ウイーンフイルとベヒトルフ演出による「フィガロの結婚」K.492、2015年8月、モーツァルト劇場、ザルツブルグ音楽祭2015、

(先月の月報は  「こちら」 )


私の最新入手ソフト情報−平成27年12月号−

(ジェルメッテイ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による交響曲第40番ト短調K.550、およびデユトワ指揮NHK交響楽団によるセレナーデ(アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク)ト長調K.525、/ゲヴァントハウス四重奏団による弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465「不協和音」およびモザイク弦楽四重奏団による弦楽四重奏曲第17番変ロ長調K.458「狩」/エッテインガー指揮、ウイーンフイルとベヒトルフ演出による「フィガロの結婚」K.492、2015年8月、モーツァルト劇場、ザルツブルグ音楽祭2015、)

15-12-0、平成27年/2015年12月初めの近況報告
−日本モーツァルト協会のオペラサークルにおける12月8日の講演概要について−

「オペラ《フィガロの結婚》・・・理想の音源を求めて」
−クルレンツイスのCD《フィガロの結婚》(2012)の凄さを、皆で聴きながら確かめよう−

15-12-1)、クルレンツイスのCD《フィガロの結婚》(2012)の特徴の要約。
15-12-2)、各曲別に、聴きどころ(耳新しさ)を整理し、確認する。
15-12-3)、当HPの当オペラの総括表の資料を最新のものに改訂する。
−表−2、年代別映像ソフトの整理、および、表−3、各ソフトの主要歌手名の整理−
15-12-4)、当HPの《フィガロの結婚》K.492の推薦映像とレコード芸術「名曲名盤500」の推薦盤とを比較する。
15-12-5)、2015年12月号の放送番組予定、
15-12-6)、2015年12月号のソフト紹介予定、

(古いS-VHSより;二つの名曲、ト短調交響曲とアイネ・クライネのアップ完了)
15-12-1、(1)ジェルメッテイ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による交響曲第40番ト短調K.550、1991年、シュヴェツインゲン音楽祭、(2)デユトワ指揮NHK交響楽団によるセレナーデ(アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク)ト長調K.525、
N響定期公演、第1121回定期、2000/11/30、NHKホール、
(2001/01/25、クラシカJの放送をS-VHS365.4に収録、および2001/04/15のNHKBS103の放送をD-VHS-008に収録、)

(最近収録のBS放送から;ゲヴァントハウスQとモザイクQのK.465およびK.458)
15-12-2、(1)ゲヴァントハウス四重奏団による弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465「不協和音」、来日公演、2014年11月12日、いずみホール(大阪市)、(2)モザイク弦楽四重奏団による弦楽四重奏曲第17番変ロ長調K.458「狩」、
来日公演、2014年12月24日、フィリアホール、
(2015/01/29、および2015/03/05、NHKクラ?のBS放送をHDD-2に収録)

(最新のクラシカJのオペラから;2015年ザルツ音楽祭の「フィガロ」)
15-12-3、ダン・エッテインガー指揮、ウイーンフイルとウイーンフイルハーモニア合唱団、スヴェン=エリック・ベヒトルク演出による「フィガロの結婚」K.492、
2015年8月、モーツァルト劇場、ザルツブルグ音楽祭2015、
(配役)伯爵;ルカ・ピサローニ、伯爵夫人;アネット・フリッチュ、フィガロ;アダム・プラチェッカ、スザンナ;マルテイーナ・ヤンコヴァー、ケルビーノ;マルガリータ・グリシュコヴァ、マルチェリーナ、アン・マレー、バルトロ;カルロス・ショーソン、バルバリーナ、ステイーナ・ガンシュ、
(2015/8/30、クラシカJの特別ライブ放送をHDD-1に収録)



15-12-0、平成27年/2015年12月初めの近況報告
−日本モーツァルト協会のオペラサークルにおける12月8日の講演概要について−

「オペラ《フィガロの結婚》・・・理想の音源を求めて」
−クルレンツイスのCD《フィガロの結婚》(2012)の凄さを、皆で一緒に聴きながら確かめよう−

              倉島 収(千葉県柏市K.513)
1、はじめに−このCDを取り上げた経緯−

 かねて評判になっていたクルレンツイスの新CD「フィガロの結婚」(2012)を、今年の2月のフェライン例会で加藤浩子先生が取り上げて下さり、その新しさや聴きどころなどを教わった(資料-1参照)。先生のこのCDへの思いに乗せられて、自分なりにその良さや楽しさを秘かに確認しているときに、レコード芸術8月号の最新版「名曲名盤500」でこのCDが「フィガロ」の3位にランクされており、何と推薦者が5名もいて1位のジュリ−ニ盤(1959)と同数であったことに驚かされた(資料-2)。そして同誌11月号に宇野功芳氏の連載で「理想のフィガロ−−クルレンツイスの計り知れぬ才能」を拝見したが、「僕の宝だ」とまで書かれていた(資料-3)。指揮者だからこそ分る指摘があったり、心情に溢れた表現が実に分かり易くて面白いので、この文章を見ながら、クルレンツイスのこのCDを皆さんと通して聴き、例示されたアリアを他のものと聞き比べたりして、オペラ好きの皆さんの耳で確認すると、とても面白い機会が得られると考えついた。

   この「フィガロの結婚」のオペラは、「ドン」や[後宮」や[魔笛」などと異なって、最近のモダンな変な演出による被害を受ける機会は少ないが、これらの中には下品で不愉快になる 影像などが含まれていて、映像派である私でも、目をつぶって聞きたくなるようなものもある。このようなややもすれば行き過ぎた最近の風潮のせいか、アーノンクールが演奏会形式でダ・ポンテ三部作を新録音する(2013)など、新しい動きもあるようだ。
   しかし、この新しいクルレンツイスのCDを耳にして、映像をみて不愉快になるDVDなどよりも、音楽に没入できるCDの良さを再認識したいと思うようになった。このCDも、初めて耳にする方には、モダンな古楽器奏法を駆使しているため、瞬間的にテンポの早さとか装飾の異常な付け方とかに驚いて、行き過ぎと思われるところがあるかもしれない。しかし、繰り返し聴いたり、全体として流れの中で聴き込むと、良かれとしてやっていて、恐らく、次第に馴染んでくるものと思われる。以下に、私なりにこのCDの聴きどころの資料を用意したので、どうかこのCDをご一緒に聴いていただいて、ご感想をいただきたいと思う。

参考-1、フェライン例会(2015年2月例会)での加藤浩子先生のお話。(資料−1)
参考-2、レコード芸術2015年8月号の最新盤「名曲名盤」に掲載。(資料−2)
参考-3、レコード芸術2015年11月号の宇野功芳氏の「理想の《フィガロ》」(資料−3)


15-12-1)、クルレンツイスのCD《フィガロの結婚》(2012)の特徴の要約。

1) 古楽器によるピリオド奏法のM-OPへの究極的到達か、レコード史に残る快挙。
−バロックOPの成果が古典派のOPにも及んできた−

2) ドラマ・歌よりも徹底した音楽性の追求・美的ハーモニーの追求、
−古楽器による器楽の色彩感・リズム感・デュナーミク、即興や装飾、FPの参加、新鮮さを増す工夫など−

3) 声楽も劇や歌よりも全体の美的音楽追求に奉仕。
−特に女性歌手のノン・ビブラート化(個性・表情・音色などの無視)の徹底、アリアでの即興・装飾などをフリー化、器楽とのアンサンブルの重視、アリアの使い分け−

4) レチタティーヴォの歌わせ方の工夫とフォルテピアノの自由化・多彩化、
−スパイス的効果、チェロ、リュート、ハーデイ・ガーデイなどに加えて口笛やハミングなども積極的に参加−

5) 10年を超えるスコアの研究と実践の集大成、自らの古楽器集団ムジカエテルナとの妥協のないオペラ録音
−(一過性の舞台録音と基本的に違うスタジオ録音)−

6) リブレットやスコアを超える部分もあるが、全体に影響を与えるものではないので許されるであろう。FPの動きや、歌の即興や装飾面のやり過ぎで好みの問題が生ずるが、ブッファ性のオペラ全体を考えて、評価して欲しいと考える。


15-12-2)、各曲別に聴きどころ(耳新しさ)を整理し、どこに現れるかを確認する。

CD-1、第一幕、
1)序曲;古楽器による色彩感・リズム感・デュナーミクなどキラキラ感および肌理の細かさ(凄い!)。第2主題でスコアにない上昇音形が入る?。
2)第1曲・第2曲;二重唱が良く揃う、FPの自由な動き、デイン・デインの伴奏、二人の会話のレチタの魅力。
3)第3曲;レチタのFPとチェロの伴奏の多彩さ、堂々たるアリア、FPが伴奏に加わる、アリア最後の装飾の付け方、(凄い!)。
4)第4曲;FPが序曲(結婚が話題?)を、堂々たるアリア、FPが伴奏に、アリアの最後の装飾の付け方。
5)第5曲;FPの自由な動き、二人の声のノン・ビブラの美しさ、動きが見えるよう、(美しい)。
6)第6曲;レチタのFPと声が多彩、ビブラートあり?、アリアの最後の装飾の見事さ。
7)第7曲;レチタの機敏な動きとFPの多彩さ、動きが見えるような早いテンポの三重唱。
8)第8、9曲;透明感のある落ち着いた合唱、中間のレチタの声とFPが多彩。
9)第10曲;口笛あり、伸び伸びした歌い方、中間の自由な装飾、歯切れの良いオーケストラの行進曲。(凄い!)

第二幕、
10)第11曲;前奏の美しさ、ノン・ビブラートの美しさ、声を張り上げない、(美しい)。
11)第12曲;レチタの多彩なFP、ビブラートあり?、FPが伴奏に、変化のある装飾、(美しい)。
12)第13曲;レチタの多彩なFP、スザンナの独り言のアリア、ブラボー、ノン・ビブラ、話しかけるように、上機嫌の口笛、(凄い!)、後半のレチタの多彩なFPと声。

CD-2、 
1) 第14曲;レチタでFPが活躍、美しく良く揃う三重唱、歯切れの良いオケ伴奏、レチタでFPが良く動く。
2) 第15曲;早いテンポ、見事な二重唱、二人の動きが見えるよう。(美しい)。
3) 第16曲;フィナーレ、早いテンポの弦の伴奏、早い三重唱、珍しい重音奏法。
4)    ;フィガロが加わって笑いの四重唱、勢いのあるオケ伴奏、
5)    ;アントニオが加わって五重唱、難問に苦戦のフィガロ、静かなオケ。
6)    ;三人が加わって七重唱、勢いのあるオケ、大声の伯爵、充実した七重唱。

第三幕、
6) 第17曲;FPによる始まり、レチタでFPが活躍、ノン・ビブラの美しい二重唱、(面白い)。
7) 第18曲;レチタでFPが活躍、激しいオケ前奏のレチタ、早くて激しいアリア、(立派)。
8) 第19曲;どもりのFPの動き、笑いと驚きの声、ラファエロの可笑しさ、FPの入ったオケ伴奏、スザンナが加わって六重唱、FPの多彩な動きと最後の四重唱の面白さ、(凄い!)。
10)第20曲;伴奏付きレチタの美しさ・激しさ、ノン・ビブラのアリア、装飾あり、(凄い!)。
11)第21曲;レチタでFPが良く動く、ノン・ビブラの透明な二重唱、装飾多し、(美しい)。
12)第22曲;FP伴奏のレチタ、前奏のFP、女声合唱の透明感、ハーデイ・ガーデイ伴奏。
13)第23曲;伯爵の大声とFPのレチタ、FP伴奏の二人の対立レチタ、フィナーレの軽快な行進曲、娘二人の美しい二重唱、踊りの楽しい音楽、伯爵挨拶のオケ伴奏。

CD-3、第四幕、
1) 第24曲;美しいオケ伴奏、ノン・ビブラのさりげないアリア、カデンツア的装飾、(美しい)。
2) 第25曲;FPが動くレチタ、オケ伴奏の美しさ、ノン・ビブラの元気なアリア、凄いカデンツア的装飾、後半のアレグロのアリアの面白さ、(凄い)。
3) 第26曲;FPの多彩な動き、男三人のレチタとFP、オケ伴奏とアンダンテ・メヌエット・アレグロの面白さ。
4) 第27曲;オケ伴奏のレチタ、軽快なオケ伴奏と元気の良いアリア。
5) 第28曲;FP伴奏のレチタ、オケ伴奏の美しいレチタ、オケ前奏のノン・ビブラのアリア、装飾の多彩さ。(以上、5曲のアリアの連続する学芸会が凄い!)
6) 第29曲;FPの多彩さ、フィナーレ、オケ伴奏と二重唱、続く三重唱、平手打ち。
7)     ;オケ伴奏とフィガロとスザンナの二重唱、平手打ちと続く仲直りと浮気の二重唱。
8)     ;オケの早い伴奏とペルドーノ、ゆっくりの伯爵と夫人のアリア、美しい安堵の合唱。
9)     ;早いオケの伴奏と大団円の大合唱。(残念ながら拍手なし。)
(以上)


15-12-3)、当HPの当オペラの総括表の資料を最新のものに改訂する。

   当HPにおける「フィガロの結婚」K.492の全コレクションの総括は、2010年6月に行なっているが、その後、約5年を経て、7映像、1CDが追加されて、今日に至っている。それは、この総括の表-1のデータベースを見れば明らかなのであるが、この基本となる表-1については、映像を追加アップするごとに修正を加えてきた。しかし、コレクション全体を俯瞰するためには、表−2の年代別映像ソフトの整理および表−3主役歌手名リストについても、追加修正を加えなくてはならない。最近は老齢化のためか、指揮者名・歌手名などがとっさに出なくなっているので、表による視覚化がとても重要になっている。


表ー2 「フィガロの結婚」K.492の年代別映像ソフトの整理、(2015年11月改定)
番号89年以前(〜89)90年代(90〜99)100年代(2000〜)
ローター映画(55)P.セラーズ・スミス(90)メータ・ミラー(103)
マリオネット・ジュリーニ(59)ハイテインク・ベルリン・ハンペ(91)ヤーコプス・コンチェルト・ケルン(104)
マゼール・ザルツF(63)アバド・ミラー(91)コルステン・ストレーレル(106)
ベーム1・レンネルト(66)ガーデイナー・パリシャトレ座(93)パッパーノ・マックヴィーカー(106)
プリッチャード・P.ホール(73)ハイテインク2・NewGBO(94)アーノンクール2・グート(106)
ベーム2・ポネル(75)ウイルドナ・J.デユー・ライプチヒ(95)カンブルラン・マルターラー(106)
フェルゼンシュタイン・ベルリン(76)アーノンクール・チューリヒOP(96)メスト・ベヒトルフ(107)
ショルテイ・ストレーレル・パリ(80)バレンボイム・ベルリンOP(99)ルイゾッテイ・ホールオペラ(108)
ベーム3・ポネル・東京(80)コボス・マドリッドOP(109)
10エストマン・イエルヴェフェルト(81)サマーズ・シドニーOP(110)
11ジョルダン・ストレーレル2(110)
12テイチアテイ・グランデージ(112)
13クルレンツイス(CD)(112)
14アーノンクール3演奏会(114)
15エッテインガー・ベヒトルフ2(115)



表−3、「フィガロの結婚」の主役歌手名リスト(2015年11月改訂)
番号映像名フィガロスザンナ伯爵伯爵夫人ケルビーノその他
マゼール(63)エヴァンスシウッテイデイスカウギューデンレアー
ベーム1(66)ベリーグリストヴィクセル ワトソン マテイス
プリッチャード(73)スクラムコトルバス ラクソンカナワ シュターデ
ベーム2(75)プライフレーニ デイスカウカナワユーイングモンタルソロ
ショルテイ(80)ダム ポップ パキエヤノヴィッツ シュターデモル
ベーム3(80)プライポップ ワイクルヤノヴィッツ バルツアリドル
ハイテインク(91)フルラネットアップショウアレンカザルノフスカヤメンツアトムリンソン
アバド(91) ガッロマックローリン ライモンデイスチューダーシーマ
ガーデイナー(93)ターフェル ハグリー ジルフリーマルテインベルトステイーブン
10ハイテインク(94) フインレイハグリー シュミットフレミングトドロヴィチ
11アーノンクール(96)ショーソン レイギルフリー メイニキテアニュー
12バレンボイム(99) パーペレッシュマントレケルマギーリスレイ シュライヤー
13メータ(103)スーリアンチョーフイガッログヴァザーヴァコンバラート
14ヤーコプス(104)ビサローニ ジョシュアスパニヨーリ ダッシュキルヒシュラーガ
15コルステン(106)ダルカンジェロ ダムロウスパニヨーリ タラマンカバチェッリ
16パッパーノ(106)シュロットパーション フインレイ レッシュマンシャハム
17アーノンクール(106)ダルカンジェロネトレプコ スコウフスレッシュマン シェーファーマックローリン
18カンブルラン(106) マーフイ レガッツオ マッテイエルツエシェーファー
19メスト(107)シュロットヤンコヴァー ヴォーレハルテリウスシュミットショーソン
20コボス(109)ピサローニレイデジエフリットリコンバラート
21サマーズ(110)ローズフィービックライトダーキンペンドリー
22ジョルダン(110)ピサローニシウリーナテジエルフリットリデスヤエスマレイ・ロイド
23テイチアテイ(112)ブリアンテトイシャーイヴェルセンマシューズレナードマレイ
24クルレンツイス(112)ホルンアントネルーホンダレンコケルメスネジ
25アーノンクール4(114)シユーエンエリクスメンスコウフスシェーファークールマン
26エッテインガー(115)ブラチェッカヤンコヴァーピサローニフリッチェグリシュコヴァーマレイ・ショーソン
27映像名フィガロスザンナ伯爵伯爵夫人ケルビーノその他



15-12-4)、当HPの《フィガロの結婚》K.492の推薦映像とレコード芸術「名曲名盤500」(2015)の推薦盤とを比較する。


      当HPの「フィガロの結婚」の総括は、2010年に25組の全映像が集積したときに行なわれているが、それ以来5年を経て、現在では7映像1CDを加えて、全体で32映像1CDの大変なコレクションになっている。これらのうちベーム3、アーノンクール3、ハイテインク2の三人が複数の演奏を残しているので、28人の指揮者による33演奏が記録されている。これらの追加記録は、当HPの「フィガロの結婚」K.492の「全25組の映像のアップロードを終えて」とした「総括」の表−1の中に、後日、映像をアップするごとに、追加してきており、表−1データーベースとして全てを纏めているので、参照していただきたい。

       これまで私が好ましい演奏として全25映像の中から紹介して来たものは、[総括」報告と重複するが再掲すると、全体を通じて最も望ましいものとして、ベーム・ポネル(73)の映像と、アバド・ミラー(91)が優れていると申し上げてきた。そして伝統的な演出でありながら、時代感覚が新しくバランスの取れた新しい映像として、コルステン・ストレーレル(106)およびパッパーノ・マックヴィカー(106)の映像を挙げてきた。そして古楽器系指揮者による新たな感覚で問題提起をしてくれる映像として、ガーデイナー・パリシャトレ座(93)、アーノンクール1・チューリヒOP(96)、ヤーコプス・コンチェルトケルン(104)の映像を挙げてきた。
       今回追加された7映像1CDを総括して、結論だけを申し上げてその位置付けを考えて見ると、クルレンツイスのCD(112)が、音楽的に見て新たな完成度を持って登場して来たと言えようか。このCDは、今回の12月号で特集としてその優れた点を高く評価するものであるが、これは映像ではないので、別扱いとならざるを得ない。しかし、歴代のヤーコプス以降のピリオド奏法の系譜を継いできた完成に近い演奏としてここに位置づけたいと思う。また、アーノンクール3の演奏会形式の新映像(114)が音楽に集中しつつ歌う姿も見ることができる映像として彼一流の癖はあるが優れた演奏であるが、総括上のスタンスとすれば、チューリヒOPのものと入れ替えることになる。

       一方、レコード芸術8月号で紹介された「名曲名盤500」の「フィガロの結婚」で11のCD録音が名曲名盤としてリストアップされている(資料-2参照)。この選定方法はレコ芸独自の方式によるもので、10人の専属評論家の方々にそれぞれ3,2,1,の評点を付けた3CDを選定していただき、それを合計得点順に表示されたものである。以下に総得点別の順位に従ってCDを詳記していくが、指揮者名・オーケストラ名・(録音年)の他に(総得点数、推薦者数)も参考に記載した。

       第1位はジュリーニ・フイルハーモニアO(59)(14点、5人)、第2位はアバド・ウイーンフイル(10点、5人)であり、第3位には何と今回のクルレンツイス(112)(9点、5人)と評価されていた。この名曲名盤のシリーズは、レコード芸術誌が始まって以来の60年余りの蓄積のある伝統的なものであり、ここに載ること自体がレコード史に残る記録と考えられるが、クルレンツイスのCDが、一挙に3位になったことは、恐らく、過去に前例のない快挙であろうと思われる。
         続いて、第4位が二つあり、カラヤン・ウイーンフイル(78)(8点、4人)およびアーノンクール・ウイーンフイル(106)(8点、3人)であった。続いて第6位がヤーコプス・コンチェルトケルン(103)(5点、3人)であり、第7位はE.クライバー・ウイーンフイル(55)であった。第8位の4組は、全てが1点の得点であり、ガーデイナー・イギリス・バロックO(93)、クレンペラー・ニューフイルH(70)、ショルテイ・ロンドンフイル(81)およびベーム・ベルリンDO(68)という面々であった。

            これらのうち、当HPの映像と同じ音源のものは、アバド、アーノンクール、ヤーコプス、ガーデイナーの4組もあり、別の音源であるが、聴感上ほとんど遜色ないものに、ベーム盤(オーケストラの違い)などがあった。これら5組は、当HPでは優れた映像として選び抜かれており、非常に似かよった結果になっているので、良いコレクションが出来ていたものと安心して評価しておきたい。レコード芸術の選ばれた11組は、映像もある5組とクルレンツイスのCD以外は、全てLP時代からの産物であり、やはり映像とは違う古さがあると感じさせられた。


(以上)(2015/11/25記)


15-12-5)、2015年12月号の放送番組予定、

         2015年12月におけるNHKの放送において、初めに「教育テレビ」では、毎週日曜日の21:00〜23:00(最終日曜は除く)の「クラシック音楽館」が、N響定期を中心に放送されている。12月の予定では、6日、13日、20日の三回が予定され、ヤルヴィの指揮で第1817〜19回のN響定期が放送される予定であるが、今回は残念ながら、モーツァルトの曲は見当らなかった。「ららら!クラシック」は、毎週各土曜日に予定されており、12月の3回分では、身近な名曲などが取り上げられているが、モーツァルトは見当たらなかった。この番組は面白いので、いつも収録しておくことにしている。
     続いてNHKBSプレミアムでは、毎週日曜日24:00〜4:00の予定であり、12月の音楽関係の予定では、オペラが2回予定されているが、13日には[フィガロの結婚」が組まれていた。井上道義指揮、野田秀樹演出、読響、新国立合唱団の出演による国産のフィガロであるので、収録して後日、報告したいと考えている。最後に、毎週月〜金曜日の6:00〜6:55の「クラシック倶楽部」では、ペライア、ユジャ・ワン、中村紘子などの名が見えているが、モーツァルトの曲が含まれているかどうか、直前に、毎週、面倒でもチェックしておく必要がある。最近、再放送が増えているようなので注意が必要である。

         一方のクラシカ・ジャパンでは、待望のHD放送が続々と登場しているが、最近の特集は5月から始まったクラシック大全の、10大交響曲のモーツァルトの三大交響曲、10大オペラの「フィガロ」と「ドン・ジョヴァンニ」が早くも完結してしまっていた。12月号では10大オペラの一つに「魔笛」が選定されるようであるが、残念ながら、既にアップロード済みのアーノンクールの「魔笛」(2012)および2013ブレゲンツ音楽祭のサマーズ指揮の「魔笛」(2013)が選定されているようであるが、あと一組の映像が紹介されていない。予想としては、ラトルとベルリンフイルの「魔笛」(2013)ではないかと思われるが、どうなるであろうか。
         12月号では、第九特集とクリスマス特集でプログラムは溢れており、第九では、イヴァン・フイシャーの最新の交響曲全集が放送される他、「炎の第九」と称して、小林健一郎と日本フイルの第九が放送される予定である。

          レコード芸術12月号では、特集は「B0Xセット大集合!!」ー一生ものコレクション・ガイド−となっていた。当方の書斎にもこのBOXものが増えてきているが、だいたいは積んでおくことになり、最近は聴く時間が限られているので買わないように努力している現状にある。11月号で今回お世話になっている宇野功芳氏の「見たり、聞きたり」連載シリーズが、何と12月号で最終回と言うことになっていた。年齢的にやむを得ないことなのであろう.残念である。
         12月号の新譜月評の特選盤には、モーツァルトの曲のCDは3枚も含まれていた。第一は、フランスのエベーヌ四重奏団のハイドンセットの第15番K.421と第19番K.465にデイヴェルテイメントK.138が加わったCDである。第二は、日本モーツァルト協会の10月例会で聴いたばかりのイリーナ・メジューエワのピアノソナタ集の第2集2枚組であり、われわれが聴いた二つの幻想曲の他ソナタ6曲が含まれている。また、第三は、平井千絵のフォルテ・ピアノによるピアノソナタ3曲の曲集であり、これに追加された幻想曲K.Anh.32とドウシェクの「フランス王妃の受難」が極めて珍しいとされていた。
        また、ビデオデイスクの新譜では、珍しく4種類のDVDが新譜として紹介されていた。そのうち、プレスラーのピアノとヤルヴィの指揮でピアノ協奏曲第23番K.488および第27番K.595が含まれていたが、これらは既にアップロード済み(15-5-2)および(14-2-2)であった。
        海外盤レヴューでは、今月の注目盤として、ヤーコプスの「後宮」が紹介されている。ハルモニア・ムンデイ盤であり、映像があるかどうか、日本語字幕があるかどうかは不明である。また、今年2月にザルツブルグで見てきたミンコフスキーのカンタータ「悔悟するダヴィデ」K.469の映像が出た。これは山野楽器店で見かけたが、BDでないので諦めた。現地では乗馬術は華麗であったが、肝心の音楽が馬の走る音で掻き消されて良く聞こえなかったので、BDで音楽を確かめてみたいと思う。    

          毎月1回は、レコード店をソフト探しでうろつくことにしているが、新宿のタワーレコードや山野楽器店では、今月はカラ振りであった。


15-12-6)、2015年12月号のソフト紹介予定、

     十二月はかねて計画をしていた広島旅行があったり、年末で何かと忙しい上に、12月8日のオペラサークルの発表が決まったりしたので、アップロード作業は軽くしたいと考えていたが、形だけはいつものように、交響曲、二つの四重奏曲、オペラは2015年ザルツ音楽祭の最新の[フィガロの結婚」と三本立てにしている。

     最初の交響曲では、ト短調交響曲K.550がジェルメッテイ指揮のビデオのアップロードで全て完了することが分かり、また、11月の作業で、「アイネクライネ」K.525についてもデユトワとN響の映像のアップで全て完了することが分ったので、これら二つの曲を組み合わせることにした。続いて、先月の四重奏曲の作業が久し振りで楽しかったので、HDDに収録されている最新の二つの四重奏団の来日公演の記録をアップしようと考えた。
     また、オペラ部門では、クラシカジャパンの緊急放送で2015年ザルツブルグ音楽祭速報として収録した「フィガロの結婚」を、急いでアップロードしようと考えた。これは、今回のクルレンツイスの「フィガロ」の発表を機会にして、このオペラの「総括」の改訂作業を行ないたいと考えたからである。


(古いS-VHSより;二つの名曲、ト短調交響曲とアイネ・クライネのアップ完了)
15-12-1、(1)ジェルメッテイ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による交響曲第40番ト短調K.550、1991年、シュヴェツインゲン音楽祭、(2)デユトワ指揮NHK交響楽団によるセレナーデ(アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク)ト長調K.525、
N響定期公演、第1121回定期、2000/11/30、NHKホール、
(2001/01/25、クラシカJの放送をS-VHS365.4に収録、および2001/04/15のNHKBS103の放送をD-VHS-008に収録、)

先月号の交響曲第39番変ホ長調K.543のアップロード完了に引き続いて、今回ジェルメッテイ指揮の交響曲第40番ト短調K550 をアップロードすれば、この曲についても全ての曲を見てきたことになり、あとは大もののジュピター交響曲だけだと気がついて、やっとこのHPのアップ作業も終焉に近づいて来たという実感が沸いてきた。今回、同時にアップする、デユトワのセレナーデト長調「アイネ・クライネ」K.525についても、収録数は少ないがアップロード完了の見通しであり、これからはそれぞれの曲の「総括」作業が忙しくなると思われる。

       ジェルメッテイのト短調交響曲は、シュトゥットガルト放送交響楽団による1991年の録音であり、彼がシュヴェツインゲン音楽祭で収録したロッシーニのオペラのLDを次々とリリースしていた時期に相当しており、音楽祭の中心になる宮廷劇場で演奏されている。 この映像を見てすぐに、現地で「フィガロの結婚」を見たロココ劇場での演奏であることが懐かしく思い出された。一方のデユトワとN響の「アイネ・クライネ」は、2001年4月のN響定期の収録であり、当時、S-VHSテープにデジタルで録画するというD-VHSレコーダーを使い始めたばかりの頃の映像で、アナログと違うデジタル映像の緻密さに喜んでいたことを懐かしく思い出す。この二つの映像は、両曲のアップ完了に相応しい、私にとっての懐かしい映像であった。


(最近収録のBS放送から;ゲヴァントハウスQとモザイクQのK.465およびK.458)
15-12-2、(1)ゲヴァントハウス四重奏団による弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465「不協和音」、来日公演、2014年11月12日、いずみホール(大阪市)、(2)モザイク弦楽四重奏団による弦楽四重奏曲第17番変ロ長調K.458「狩」、
来日公演、2014年12月24日、フィリアホール、
(2015/01/29、および2015/03/05、NHKクラ?のBS放送をHDD-2に収録)

         今回の二つの弦楽四重奏曲は、いずれも最新のNHKのBSクラシック倶楽部の来日公演の記録映像であり、いずれもハイドンセットの中からの有名曲の演奏である。最初のゲヴァントハウス四重奏団は、同名のライプチヒの著名なオーケストラの中心メンバーにより構成されており、このHPでは、二度目の登場である。前回は2005年5月の現地のランメナウ宮殿での演奏でNHKのクラシック・ロイヤルシートのBS102の放送を収録した演奏(7-11-1)であった。今回の[不協和音」四重奏曲K.465はその時も演奏されているが、メンバーのうちヴィオラ奏者だけが入れ替わっており、お馴染みの有名な第二ヴァイオリンのコンラート・ズスケは健在であった。

        もう一方のモザイク四重奏団は、1985年の創設とされているが、第一ヴァイオリンのエーリヒ・ヘーバルトは、アーノンクールのウイーン・コンツエントウス・ムジクス(WCM)のコンサートマスターであり、このHPではウイーン弦楽六重奏団の主催者として一連の五重奏曲(3-10-2)でお馴染みの方である。この四重奏団もこのHPでは2度目の登場であり、前回は2002年10月29日のトッパンホールでの来日公演で弦楽四重奏曲第21番を演奏(4-2-3)しており、約10年ぶりであるが、写真で同じメンバーであることが直ぐ分った。


(最新のクラシカJのオペラから;2015年ザルツ音楽祭の「フィガロ」)
15-12-3、ダン・エッテインガー指揮、ウイーンフイルとウイーンフイルハーモニア合唱団、スヴェン=エリック・ベヒトルフ演出による「フィガロの結婚」K.492、
2015年8月、モーツァルト劇場、ザルツブルグ音楽祭2015、
(配役)伯爵;ルカ・ピサローニ、伯爵夫人;アネット・フリッチュ、フィガロ;アダム・プラチェッカ、スザンナ;マルテイーナ・ヤンコヴァー、ケルビーノ;マルガリータ・グリシュコヴァ、マルチェリーナ、アン・マレー、バルトロ;カルロス・ショーソン、バルバリーナ、ステイーナ・ガンシュ、
(2015/8/30、クラシカJの特別ライブ放送をHDD-1に収録)


       この映像はクラシカジャパンの特別の緊急放送として、今年2015年8月のザルツブルグ音楽祭から、メインのオペラ公演であるこの「フィガロの結婚」と「フィデリオ」の二つのオペラのライブ収録を放送してくれたものである。このように8月の公演記録をその同じ月のうちに、ハイビジョン映像で日本語字幕付きで見られることは初めてのケースであり、永年エア・チェックに努力してきたものにとっては、時代の変化や技術の急速な進歩に驚いてしまう。

       今回の映像では、指揮者のエッテインガーはこのHPで初めての方であるが、演出者のベヒトルフが同じ「フィガロ」で二回目(9-7-2)、ダ・ポンテ・オペラではお馴染みの方であり、背広姿のモダンな演出ではあるが、劇の進め方は伝統的なものを重んずる演出の筈なので期待が大きい。また、前回のベヒトルフ演出で、ピサローニとヤンコヴァーがフィガロとスザンナであったが、今回はピサローニが伯爵にまわり、ヤンコヴァーは続投ということになっており、見ている方は、どうやら安心して見ておれる舞台であろうと思い込んでいた。


(以上)(2015/11/27)



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