(最新のBP-DCHより;交響曲・管弦楽曲編、K.320、K.385、K.286)
15-8-1、(1)ドウダメル指揮ベルリンフイルによる「ポストホルン・セレナーデ」ニ長調K.320、2015/06/12、(2)ムーテイ指揮ベルリンフイルによる交響曲第35番ニ長調「ハフナー」K.385、2015/04/17、(3)ゲーベル指揮ベルリンフイルによるセレナーデ「ノットゥールノ」ニ長調K.286、2013/04/07、フイルハーモニー・ホール、

−第一曲目のドウダメルは、全てを暗譜で指揮しており、実に落ち着いた雰囲気でこのセレナード「ポストホルン」を堂々と進行させていた。その楽しげな様子が演奏にも反映されて、とても気持ちよくこの和気あいあいたるセレナードの演奏を楽しむことが出来た。第二曲目のムーテイの「ハフナー」交響曲は、この曲の3回目の映像に当たり、ムーテイは力強くしかもスムーズに流れるように采配を取り、この曲の第一・第四楽章など早い楽章を一気に駆け抜けており、実に気持ちの良い清々しく感ずるすっきりした演奏であった。第三曲目のケーベル指揮のセレナータ・ノットルノK.286は、4つのオーケストラのうち、第一・第二オーケストラしか姿を見せていなかったが、実に、きびきびとしたテンポで二つのオーケストラの弦を進めて、陰で演奏するオーケストラのエコーを響かせて、全体としての響きを向上させていた。4つのオーケストラを意識する必要はなかったが、映像では物足りなく感じた−

(最新のBP-DCHより;交響曲・管弦楽曲編、K.320、K.385、K.286)
15-8-1、(1)ドウダメル指揮ベルリンフイルによる「ポストホルン・セレナーデ」ニ長調K.320、2015/06/12、(2)ムーテイ指揮ベルリンフイルによる交響曲第35番ニ長調「ハフナー」K.385、2015/04/17、(3)ゲーベル指揮ベルリンフイルによるセレナーデ「ノットゥールノ」ニ長調K.286、2013/04/07、フイルハーモニー・ホール、
(BP-DCHの視聴券(201/08/28日まで有効)で視聴)

       2015年8月号は、全てベルリンフイルのデジタル・コンサート・ホール(BP-DCH)で新しくアーカイブされたデジタル映像を全て収録しようとしている。全体で未アップの曲が18曲あるので、2回に分けて一気にアップロードしたいと考え、第一回目の9曲をほぼ収録年順に選定してみた。Win8.1搭載のPCを使うと、映像がHDDに直ぐ収録できると考えていたのが間違いで、8月28日まで、BD-DCHを見られるようなので、この間に予定された全9曲のアップロードを行う予定としている。8月はどうやら新譜ばかりで楽しいが、作文して写真も含めてアップロードするのが大変な作業で、もの凄く忙しい月になりそうである。



       最初の3曲は、最も新しい交響曲・管弦楽曲などのオーケストラ作品であり、中でも最も新しいのは15-8-1の(1)ドウダメル指揮ベルリンフイルによる「ポストホルン・セレナーデ」ニ長調K.320であり、2015年6月12日に収録されたばかりである。この曲は、これまでの所、故コリン・デーヴィス指揮の映像しかなかったので、これにベルリンフイルの最新映像が加わることは素晴らしいことである。また、2曲目に(2)ムーテイ指揮ベルリンフイルによる交響曲第35番ニ長調「ハフナー」K.385が紹介されているが、これも今年の4月17日の定期公演に、ムーテイが久し振りでベルリンで指揮をしたものであり、ムーテイとしてはこの曲は3回目の映像であり、恐らく得意にしている曲なのであろう。また、3曲目には、珍しい曲として、(3)ゲーベル指揮ベルリンフイルによるセレナーデ「ノットゥールノ」ニ長調K.286が含まれているが、これは2013年4月7日の定期からの収録であり、この映像は3種類目の最新盤という位置付けになる。これらのアップロードにより、K.320とK.385とが、全映像のアップロードを完成させたことになる。



       第一曲目の「ポストホルン・セレナーデ」ニ長調K.320は、第一楽章とフィナーレの祝賀的な響き、第三・第四楽章の協奏的響き、第五楽章に室内楽的響きを持ったザルツブルグ時代の最後を飾る「フィナーレムジーク」となっており、第六楽章のメヌエットの第二トリオに「ポストホルン」が響きわたるところから、この名を愛称とされてきた全7楽章プラス前後の行進曲からなる大曲である。第一・第七楽章はソナタ形式で構成されているところから、三楽章の交響曲版にも編曲されている。この曲は、トランペット2とテインパニーが加わり、協奏曲楽章ではフルート2、オーボエ2が活躍する祝祭的なフル・オーケストラの構成を取っており、木管・金管の華やかな響きを持っているので、今回のドウダメルの伸びやかな指揮とベルリンフイルの最新の演奏は、腕達者な木管・金管・ポストホルン・ピッコロなどの賑やかな楽器の出番が多く、大らかに存分に存在感を示してくれるので、映像で見ながら聴く楽しみを充分に味せてくれた。



  第一楽章はアダージョ・マエストーソの短い序奏を伴った雄大な交響曲楽章であり、6小節の強弱を伴った緊張感溢れる序奏で始まると、直ぐに、奔流のように溢れ出したアレグロの第一主題が生き生きとして流れ出す。そして続いて、第一ヴァイオリンの旋律的な部分と行進曲風なリズムの部分からなる第二主題が提示されて、このリズムを中心に複雑に繰り返されていく。ドウダメルは楽しげに自分でも歌うように、実に伸び伸びと全てを暗譜で、このアレグロを指揮していた。展開部での変化のあと、後半に再びアダージョの序奏が回帰するのも面白く、再現部では再び生き生きとしたアレグロが華やかに演奏されていた。
        第二楽章は明るいセレナーデらしく活気に溢れたメヌエットが力強く続き、ドウダメルは嬉しそうに楽しげに踊るような仕草でしっかりと指揮をしていた。このトリオではフルートと次いでファゴットのソロが華やかに独奏していた。



        続く第三・第四楽章はコンチェルタンテ楽章であり、この曲ではオーボエとフルートのための協奏交響曲のスタイルを取っていた。初めのアンダンテでは、第一主題を代表する第一ヴァイオリンの装飾的リズムによる主題が提示され、やがてオーボエとフルートが華やかにソロで引き継いでゆく。次いで弦の伴奏に乗って新しい第二主題がフルートで現れ、やがてオーボエに替わって提示される。続いてこの主題がオーボエからフルートに入れ替わって二つの主題を変奏しながら現れ、実に美しい協演が繰り返されていた。豊かな楽想が次々に湧き出てくるような思いがする素晴らしい楽章であり、最後には両楽器のカデンツアにファゴットまで加わって、天国的な響きが用意されていた。
         次のロンド楽章では二つのエピソードを持つロンド形式で、始めに弦の伴奏に乗ってフルートが 明るいロンド主題を提示して、これをオーボエが繰り返していた。第一のエピソードではオーボエに始まりフルートへと渡される。と言うようにここのロンドでは、フルートとオーボエが絶えず入れ替わり、競い合って絶妙な効果をもたらしていた。第二のエピソードもオーボエに続いてフルートで現れ、ドウダメルは、体を全く動かさずに、独奏者たちに任せるように、両腕で軽やかにリズムを取りながら、楽しげな表情で指揮をしていた。素晴らしい協奏的な楽章であった。



  第五楽章は一転して暗い陰りを持つニ短調の主題で呻くように始まるアンダンテイーノであった。経過句を挟んで第一ヴァイオリンで第二主題が現れオーボエがそれに応えていくが、明るさを取り戻すには弱々しく、やはり全体として暗い沈んだ楽章であった。展開的な部分も弱々しく、ファゴットのソロがあったりオーボエと弦の応答が美しかった。この楽章では反復記号が二つあったがドウダメルはいずれも省略しており、またフルートも休みの楽章であった。

       次の第六楽章は二つのトリオを持つ元気なメヌエット楽章であり、トランペットやテインパニーが存在感を示すように堂々と響き渡る。第一トリオはヴァイオリンの伴奏で珍しくピッコロが登場し、繰り返しを巧みに変奏しながら進行していた。「ポストホルン」の独奏がある第二トリオでは、幾分哀愁を帯びたポストホルンのファンファーレが堂々と鳴り響いていた。この演奏では横向きの短いホルンを使っており、赤いリボンが吊されていたので、図鑑にある単純な形のポストホルンであろうと思われる。



  フィナーレでは素晴らしく威勢の良い生き生きとした主題が登場し、長い曲の締めくくりに相応しい華やかな展開をするプレストの交響曲的楽章である。ドウダめるはいかにも楽しそうに、力を込めてこのプレストの早い楽章を指揮しており、充実感が湧き上がってくるような感じがするフィナーレであった。展開的な部分では低音弦によるピッチカートが印象的で、この早いフィナーレ楽章を盛り上げていた。

       ドウダメルは、実に落ち着いた雰囲気でこのセレナードを堂々と進行させており、その楽しげな様子が演奏にも反映されて、とても気持ちよくこの和気あいあいたるセレナードの演奏を楽しむことが出来た。全てを暗譜で指揮していることは、この曲を全てものにしていることであり、やはり類い希な素養を持っている指揮者なのであろう。ドウダメルがヨーロッパの楽壇に登場して来たのは、2006年のモーツァルト・イヤーにミラノ・スカラ座で「ドン・ジョヴァンニ」を振ってデビユーしたのを覚えている(8-3-3)が、それから10年も経ち、今やベルリンのフィルハーモニー・ホールで、マーラーの交響曲第一番ニ長調の「巨人」をベルリンフイル相手に振る様に成長してきている。これからが楽しみな指揮者であり、モーツァルトをこのように親しげに落ち着いたテンポでしっかりと演奏してくれるのは有り難く、しかも最新の映像でHV規格で楽しめることを大歓迎しなければならないと思われる。 (以上)(2015/08/01)







      ベルリンフイルの第2曲目は、リッカルド・ムーテイ指揮による交響曲第35番ニ長調「ハフナー」K.385が予定されているが、この演奏は2015年の今年の4月17日の定期公演に、ムーテイが6年ぶりでベルリンフイルに登場した最新のものであり、この曲のほかに、シューベルトの序曲D.591、およびR.シュトラウスの交響的幻想曲「イタリアより」作品16という多彩なプログラムであった。











一方、このHPとしては、ムーテイはこの交響曲を二度映像に残している。その最初のコンサートは、ウイーンフイルとの来日記念公演コンサート(6-1-1)であり、05年08月31日にサントリーホールで開催されたコンサートにおける最新の5.1CHのハイビジョンで収録した「ハフナー」交響曲であり、ベースが5本の重量級のオーケストラで演奏され、重厚な響きを持った骨太の堂々たる演奏であった。第二の映像は、私も仲間と参加した2006年1月27日(金)ザルツブルグの祝祭大劇場で開催された「生誕250年記念コンサート」(6-4-4)であり、ハンプソン、バルトリ、内田光子、クレーメルなどが歌って演奏したウイーンフイルによる大記念コンサートであった。ハフナー交響曲は第一部の休憩前の最後に演奏され、私は満員の聴衆の熱気溢れる中で、このホールの向かって右側の前の二階席で聴いていたが、座席で聴いたライブの響きでは、コンサートマスターと会場が変わったくらいで、フルオーケストラの立派な演奏には間違いはなく、演奏内容はほぼ一緒であると思われた。



今回のベルリンフイルとの演奏としては、この曲は3回目の映像に当たり、恐らく彼がいつでも振れる得意にしている曲なのであろう。フイルハーモニー・ホールで楽団員が勢揃いしている中に、ムーテイが足早に2曲目の指揮のために登場して、指揮台に上がった。そして未だざわめきがある中で、いきなりタクトを振り、第一楽章の激しくアクセントのついた跳躍の部分と行進曲風のリズムの部分を持った第一主題が開始された。ムーテイは初めからメガネをかけており、両腕の動きは細やかで素早く、とてもキビキビした指揮ぶりで、オーケストラを激しく揺するような仕草で早めのテンポで全体をぐいぐいと引っ張っていた。右奥にコントラバスが4台配置され、トランペットやテインパニーの燦めくような音と力強い重量感のある分厚い弦楽器の音が重なって、全体として雄大な音像を作り上げていた。ベルリンフイルのこの第一楽章は、気のせいか息をつく閑もないほど一気呵成に進行して主題提示部を終了し、展開部へと進んでいた。
ここでは転調を重ねつつ、出てきた主題をファゴットとオーボエがヴァイオリン二部と対話しつつカノン風に下降していくと、突然に最初の激しい跳躍のある第一主題が始まった。これは劇的な再現部の開始であり、ムーテイが仕掛けたポイントの一つであろう。再び奔流のようにオーケストラが走り出し、再び燦めくようなトランペットやテインパニーの響きと力強い弦楽器の音が重なって、一気に輝くように進行し、全体として雄大な音像を作り上げていた。



  第二楽章は中間と最後に反復記号のあるソナタ形式で、弦の音がきめ細かく流れる明るい華やかなアンダンテで、弦のスタッカートで刻まれた伴奏に乗って第一ヴァイオリンが伸びやかに歌う第一主題は美しく、ムーテイはベルリンフイルの弦をゆっくりしたテンポで歌わせていた。続いてチッチッチッチッという第一ヴァイオリンの伴奏で第二ヴァイオリンやヴィオラがざわめくように第二主題を歌い出し、実に優雅な美しい響きで進行していた。ムーテイはこの第一楽章と対照的な美しい静かな音の響きをもう一度繰り返し、再び丁寧に美しい第一・第二主題を進めていた。シンコペーションとトリルによる短い展開部のあと、ムーテイは静かに再現部に移行して美しいアンダンテとなっていたが、ムーテイも繰り返しを入れるようになったかといささか驚かされた。



       第三楽章は踊るように明るい典型的なメヌエット楽章で、二つのホルンとテインパニーが力強く響き堂々と進行していた。続く第一ヴァイオリン、オーボエとファゴットが合奏するリート風のトリオは、いかにも対照的で、穏やかで流れるように進んでいた。再び始まるメヌエット主題は、まさにムーテイ調のように聞こえていた。
フィナーレはモーツアルト特有のロンド・ソナタ形式で、まさに疾走するプレスト。初演したばかりの「後宮」の第19番のオスミンのアリアに似たヴァイオリンのユニゾンの旋律で始まり、軽快に進行する。ムーテイは力強くしかもスムーズに流れるように采配を取り、この早い楽章を一気に駆け抜けていた。実に気持ちの良い清々しく感ずるすっきりした演奏であり、ムーテイの明るい屈託のなさが、このベルリンフイルの疾走する快い響きを生み出したに違いなく、まさにこれが「ハフナーだ」と思わせる快演奏に聞こえていた。                      (以上)(2015/08/03)




続くベルリンフイルの第3曲目は、初めてお目にかかるラインハルト・ゲーベル指揮によるセレナーデ「ノットゥールノ」ニ長調K.286(269a)と言う珍しい曲。四つのオーケストラにより構成され、第一オーケストラのエコーを主体にする曲からなり、第3曲目のメヌエットで終わるという未完の作とも言われる変則的なセレナーデであった。このコンサートはベルリンフイルの定期であるが、何と余り聴かれない4つの曲、すなわちジャン=フェリー・リベル組曲「4大元素」、4つの管弦楽のための「ノットルノ」、クリステイアン・カンナビヒの「二つの管弦楽のための交響曲」、ヨハン・クリステイアン・バッハの歌劇「ゴールのアマデイ」より序曲と組曲、という風変わりな曲の組合せのコンサートであった。



今回の映像は、ベルリンフイルのフイルハーモニー・ホールにおける公演であるが、本来なら4群からなるオーケストラで構成され演奏されるはずであるが、今回は正面の舞台上のオーケストラが、弦5部と2ホルンと1ファゴットの小規模なオーケストラが、一組、いるだけで、左奥の出入り口にもっと小さなオーケストラがおかれていた。そして演奏が始まって気がついたのであるが、第二のオーケストラの第3・第4のエコーが、その奥から聞こえており、どうしてか良く分からないのであるが、その奥の見えない所に第3・第4のオーケストラがいるように思われた。写真を撮っているが、それでは判別が出来ず、残念であった。しかし、最後のメヌエット楽章で、エコーなしのメヌエットが始まり、続いて弦楽器だけのトリオが始まり出してから、楽員たちの入場ぞろぞろと始まり、続くメヌエットの演奏時にはほぼ揃って演奏しており、でメヌエット終了時には全員による演奏になっていた。



       この曲の第一楽章はアンダンテ楽章で、譜面で確認すると、2ホルン、弦4部の4つのオーケストラが大きく二つの反復記号を有する三部形式の構造を持っており、まず、第一オーケストラが序奏風の第一主題の4小節のフレーズを演奏すると、第二オーケストラが1小節重ねて4小節を繰り返し、続いて第3のオーケストラが1小節重ねて前のフレーズの最後の3小節をエコーのように反復し、第4のオーケストラが1小節重ねて最後の2小節をエコーのように反復するという構造になっていた。
第一オーケストラは、最初に4小節の第一フレーズを演奏すると、第二・第三・第四オーケストラがエコーのように響き、続いて第一オーケストラが8小節の第二フレーズを奏すると、第2・第3・第4・オーケストラがそれぞれ4・3・2小節のエコーを奏していた。そして、第一オーケストラが、4小節の第三フレーズ、エコー後に最後の2小節のフレーズを奏してエコーで前半の第一部が終わり、全体が繰り返されていた。
今回の演奏では、第一・第二オーケストラしか姿を見せていないので、第一・第二オーケストラ・プラス・エコーという順に聞こえており、指揮者ケーベルが、実に、きびきびとしたテンポで二つのオーケストラの弦を進めて、エコーを響かせ、颯爽と第一部を繰り返し、続いて第二部の入っても、エコー効果を高めながら一気にこのアンダンテ楽章を進行させていた。映像ではエコーを演奏する第三・第四オーケストラの姿が見えないので、エコーだけを確認するのであるが、そのせいか余り4つのオーケストラを意識する必要はなかった。



       第二楽章はアレグレットの早くて短い楽章。展開部のないソナタ形式で、始めから軽やかに速いテンポで進みエコー効果も明解で、エコーを楽しむように作曲されていた。しかし、ここでもエコーを演奏する第三・第四オーケストラの姿が見えないので、二つのオーケストラの演奏のように聞こえていたが、これは指揮者ゲーベルが、他の曲と比較出来るように、エコー効果を高めるために工夫をしたように思われた。



        第三楽章はリズミカルなメヌエット楽章で、リズムが明解な分だけエコー効果が高まっていた。トウッテイでも、弦5部でも見事なエコー効果を示していたが、ここではホルンだけでもエコーが楽しめ面白かった。しかし、トリオだけはエコーがなく全ての弦だけで普通に演奏されていたが、この映像では最初に述べたように、第二・第三・第四のオーケストラの人が陰から入場して着席しており、最後の繰り返しのメヌエットでは全員で豪華にトウッテイで演奏して、総仕上げを行っていた。この映像だけに仕組まれたフィナーレのように思われた。



  オーケストラ作品の映像を見る面白さには、この曲や「ノットウールナ」K.239のように複数のオーケストラのものがあるが、映像ではそれぞれが工夫されており、このベルリンフイルの演奏も、この種の複数オーケストラの曲や編成の異なる組曲を網らして楽しませてくれている。なお、この曲には、アマデオの「ヘルブルン宮のセレナード・コンサート」と題する初期の頃のLDがあり、パウムガルトナーが解説した珍しい映像があった。ヴォルフガング・フォン・カラヤン(カラヤンの実兄)が指揮するカメラータ・アカデミカの演奏であり、全員が18世紀風のカツラを着け、当時の楽団員のユニフォームをまとい、ヘルブルン宮殿の噴水のある野外の会場まで、行進曲ニ長調K.290(167AB)を演奏しながら行進し、4つのオーケストラに分かれてこの曲を演奏するという、当時を偲ぶに相応しい映像であった。今回この映像の未アップに気がついたので、早くアップしたいと思う。

(以上)(2015/08/05)



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