(最新のDVDオペラから;コボス指揮マドリード王立劇場の「フィガロの結婚」)
15-6-3、ヘスス・ロペス=コボス指揮、エミリオ・サージ演出によるマドリード王立劇場の管弦楽団&合唱団によるオペラ「フィガロの結婚」K.492、
2009年劇場ライブ収録、マドリード王立劇場

−先月の「コシ」に引き続くスペインのマドリード王立劇場の「フィガロの結婚」であったが、「コシ」が現代風であったに反し、今回は豪華な貴族風の伝統的な舞台となっており、省略曲もなく、歌手陣の動きも良く、スペイン風の趣味が随所に顔を出す新鮮な映像であった。フリットーリの伯爵夫人とピサローニのフィガロが突出していたが、このオペラには欠かせない他の主役たちが実に生き生きとしており、この劇場の水準の高さを物語っていた−

(最新のDVDオペラから;コボス指揮マドリード王立劇場の「フィガロの結婚」)
15-6-3、ヘスス・ロペス=コボス指揮、エミリオ・サージ演出によるマドリード王立劇場の管弦楽団&合唱団によるオペラ「フィガロの結婚」K.492、
2009年劇場ライブ収録、マドリード王立劇場
(配役)伯爵;リュドヴィク・テジエ、伯爵夫人;バルバラ・フリットリ、フィガロ;ルカ・ピサローニ、スザンナ;イザベル・レイ、ケルビーノ;マリナ・コンバラート、マルチェリーナ;ジャンネッテ・フィッシャー、バルバリーナ;ソレダード・カルドーソ、
(2014、新宿タワー・レコードで市販DVDを入手、Teatro Real Madrid TR97002)

6月号のオペラ部門では、6月13日に収録予定の最新の「フィガロ」も考えて見たが、アーノンクールが続くことになるので、先月のマドリード王立劇場の「コシ」に続いて、同劇場の「フィガロ」を取り上げてみたいと思った。出演者などの共通性はないようであるが、なかなかしゃれた舞台を披露する劇場であると感じており、フリットーリ、ピサローニ、イザベル・レイなどのお馴染みの歌手陣による「フィガロ」を楽しみたいと期待していた。今回初めて見るエミリオ・サージ演出、ヘスス・ロペス=コボス指揮の映像であるが、一見したところ、「コシ」の現代風の演出と反対に、豪華な貴族風の舞台であり、伝統的な舞台でありながら動きも良く、第4幕のアリアの省略もないリブレットに忠実な舞台であると感じた。そのため、いつもと異なって、この映像だけに現れる演出上の工夫や、歌手陣の音楽面で気がついたことなどに力を入れて、この映像の特徴を、順を追って簡単に記述して行きたいと考えた。





映像では、まだ訪問していないスペインのマドリード王立劇場の外観が写されて、指揮者コボスの入場とともに序曲が直ちに軽快に開始されていた。映像では薄い幕で透けて見える舞台を写し出し、出演者の紹介後に、奥の明るい部屋では早くも人の動きがあり、舞台の準備が始まっていた。 序曲が完了し続いて第1曲目の序奏が始まると幕が開き、広い舞台にはフィガロとスザンナが忙しく動いて第一曲の二重唱が始まっており、続いて大きなベッドの上で、二人のレチタティーヴォが始まっていた。





大きな椅子の代わりに置かれた「大きなベッド」が、このオペラの第一幕の特徴か。ベッドを置こうとして思わぬスザンナの反撃に遭ったフィガロは、「デイン・デイン」の二重唱の後に、伯爵の策略を聞かされて驚き、スザンナが立ち去ったあと第三曲のカヴァティーナで、腹を立てながら自問自答のアリアを朗々と歌って、大拍手を浴びていた。赤い衣裳のスザンナのイザベル・レイと、赤チョッキ姿のフィガロのピサローニとは相性が良さそうで歌の調子も良く楽しみであった。




     続いて杖を手にしたバルトロと借金の契約書を手にしたマルチェリーナが登場し、バルトロが若いロジーナを伯爵に奪われた恨みを晴らそうと、「復讐」の決意を高らかに歌い上げていた。一方のマルチェリーナは、フィガロを巡って恋敵同士のスザンナを見つけて、皮肉な言い争いの二重唱となっていたが、ここではスザンナの若さが勝って退散していた。


     スザンナが敵を撃退して大笑いしているところに、赤いタキシード姿の格好の良いケルビーノが登場し、スザンナから伯爵夫人のリボンを取り上げて、その代わりに自作の恋歌を渡し、「自分が自分で分からない」と歌い出した。ケルビーノのアリアは、ゆっくりであったがハッキリと歌われ、声も表情も良く、凄い拍手を浴びていた。


そこへ伯爵の声が聞こえて、ケルビーノはベッドの下へ。スザンナが一人と見た伯爵が、早速、スザンナを口説き出すが、良いところでバジリオの声が聞こえて、伯爵はベッドの下へ、そしてケルビーノはベッドの上で毛布に隠れて盗み聞き。バジリオがケルビーノの話から伯爵夫人の噂話に及んで、伯爵が「何だと!」と立ち上がってしまい、愉快な三重唱が始まるが仰天したスザンナが気絶してしまって大騒ぎとなっていた。


    スザンナが介抱されているうちにベッドの上で隠れていたケルビーノが見つかってしまい、「コシ・ファン・トッテ」とバジリオに冷やかされ、スザンナは弁解に一苦労しているところへ、運良くフィガロが村人達を連れて登場し、バジリオが珍しいことに見事な合唱指揮をして伯爵を讃える大合唱となっていた。しかし、伯爵はフィガロの作戦には乗らず、村人達を解散させてしまう。残されたケルビーノは、伯爵から連隊の士官に命ぜられ、直ぐに出発となって、フィガロから「さらば、少年ケルビーノ」とばかりの少々手荒な激励の歌で励まされ、最後には行進曲となって、軍隊帽を被って堂々と行進をしながら退場して幕となっていた。大きなベッドがご愛敬で、役者が揃って上手いとても楽しい第一幕の様子であった。





      第二幕は豪華な伯爵夫人の部屋で、夫人のカヴァテイーナの前奏で始まっていたが、これが非常に遅いテンポ。初登場の正装の伯爵夫人がゆっくりと悲しげに歌い出すが、やはりフリットーリは遅いテンポながらさすがにしっかり歌っていた。フィガロが現れて伯爵を懲らしめようと作戦を練り、ケルビーノを女装させることには女二人は大賛成で、フィガロは立ち去った。





すると間もなく軍服姿のケルビーノが登場して、直ぐにスザンナのギター伴奏でカンツオーネを歌い出すが、これが兵隊風の姿勢でキチンと歌われ、後半も崩さずに丁寧に歌い上げて、万雷の拍手を浴びていた。ピッチカートと木管の六重奏の豪華な伴奏が快いこのアリエッタは、兎に角、人気満点であった。続いてスザンナの着せ替えのアリアが始まったが、スザンナが喜々として軍服姿のケルビーノをからかいながら、ズボン姿からスカート姿に見事に変身させて大笑いで拍手を浴びていた。ケルビーノが自分の腕に巻いた夫人のリボンが欲しいと伯爵夫人に詰め寄ってあわやと思わせたときに、ドアが叩かれ伯爵の声が聞こえてきたのでさあ大変。





     衣裳部屋に隠れたケルビーノをスザンナだと言い張る伯爵夫人を怪しいと睨んだ伯爵が、「スザンナ、出て来なさい」と大声を上げて三重唱が始まり、夫人がドアを開けさせまいと必死で抵抗するので、伯爵は夫人と一緒に工具を取りに行こうとした。その僅かな一瞬の隙に、スザンナの「早く、早く」の小二重唱でケルビーノが窓から飛び降りて逃げ出し、スザンナが衣裳部屋へと入れ替わってしまっていた。



工具を手にした伯爵が部屋の戻ると、観念した伯爵夫人がケルビーノだと白状したが、伯爵はまたもあいつかとカンカンになり、「出てこい、無礼な小僧!」と歌い始めて、第二幕の長い長いフィナーレが始まった。

      フィナーレは怒る伯爵に対し、あの子には罪はないとする伯爵夫人との口論の二重唱から始まって、部屋の鍵を渡して開けようとした所に、ドアが開いて「シニョーレ、どうぞお手討ちを」とスザンナが現れた。そこで大驚きの三重唱となり、謝る伯爵と強い女二人による伯爵を懲らしめる三重唱に発展していた。そこへフィガロが現れたので、伯爵はしめたとばかりに手紙の問題をフィガロに問いただそうと四重唱が始まった。





知らぬ存ぜぬを決め込んだフィガロに、一同が呆れていたところに、アントニオが二階から人が飛び降りたと伯爵に抗議して何と五重唱になった。うるさいアントニオを追い出して、女二人の助けを借りて何とか四重唱で伯爵の追求を逃れたフィガロだったが、そこへマルチェリーナ一行三人が登場して、伯爵に借金の契約の執行を訴えたため七重唱となった。喜ぶ伯爵側に対し、フィガロ側は劣勢となって大声で抵抗するので場面は盛り上がり、争いはどうなるか緊張の中で第二幕が終了していた。豪華な夫人の広い部屋で、有名なアリエッタや二階からの飛び降りなど巧みな演出に恵まれて、フィナーレの二重唱、三重唱などから七重唱に至るまで息もつかせずにアンサンブルが盛り上がり、素晴らしい第二幕となっていた。




       第三幕は椅子が沢山置いてある会議室か。伯爵が一人で登場し、第二幕で起きた不思議な出来事を自問自答していたが、部屋の隅では伯爵夫人がスザンナに対し何やら伯爵を欺く作戦を秘かに指示している様子であった。スザンナは夫人用の気付け薬を口実に伯爵に接近すると、いつの間にか伯爵から今夜の庭でのデートを約束する二重唱となっていた。イエスと言ったりノーと言ったりスザンナは、伯爵をじらしながら、伯爵を喜ばせてしまうが、別れ際にすれ違ったフィガロに「訴訟には勝ったわ」と漏らしたことを伯爵に聞かれてしまう。伯爵はそれを聞き、謀られたかと自問自答しながら伴奏付きレチタティーヴォで制裁をしようと決意を歌い、アリアでは「私は溜息をつきながら、召使いの幸せを見るのか」と伯爵の唯一のアリアを朗々と歌って会場を沸かせていた。





  続いて判決が出たとドン・クルチオを先頭に伯爵のところにマルチェリーナとバルトロが登場し、フィガロが一人で不平を言っていた。結婚するか支払うかの判決であったが、結婚するには盗まれた貴族の子だから親の承諾が必要だとしてフィガロが頑張っていた。証拠があるのかと問い詰められて、その証拠は盗まれたときの洋服と右腕の絵文字の痣だと息巻いていたが、それを聞いてマルチェリーナが驚きの声を上げた。その子は盗まれたラファエロだと言うことが分かって、彼女とバルトロとフィガロの三人のパードレ・マードレの珍妙な六重唱が始まった。親子の抱擁から駆けつけたスザンナの平手打ちを誘い出し、お互いに話を聞いて和解して、伯爵とクルチオがのけ者にされる六重唱は実に面白く、最後には親子の二組の結婚式を挙げようと言う四重唱に発展していた。





  続いて伯爵夫人が登場し、スザンナと伯爵との約束がどうなったかを心配しながら、伴奏付きレチタティーヴォで自分が女中の服を着て主人を待つという情けなさを自問自答して、「昔は良かった」というアリアをアンダンテで歌い出し、その後半ではアレグロになって「伯爵の心を取り戻すなら」希望があると決意を高らかに歌っていた。フリットーリの馴染み深いこのアリアは、この日の最高のアリアとなり会場を沸かせていた。駆けつけて来たスザンナから、伯爵夫人は伯爵との約束を聞いて、手紙を書いて場所をハッキリさせようと夫人が歌い出し、スザンナに書き取らせる「手紙の二重唱」が始まった。二人が言葉を繰り返しながら歌うこの二重唱は実に美しく、ワイングラスを手にしながら優雅に歌う夫人の姿は抜群の出来であった。





     村の若い娘達の合唱が威勢よく始まり、伯爵夫人に花を献花していたが、娘達の中に一人見慣れぬ娘をスザンナが見つけたが、それが何とケルビーノ。伯爵夫人に花束を渡していると、アントニオと伯爵に見つかり、ケルビーノが絶体絶命になったが、バルバリーナが伯爵に捨て身の告白をして助かっていた。さらに伯爵とフィガロも、窓から飛び降りたことを巡ってあわや一騒動の場面があったが、行進曲の音楽に救われていた。





フィナーレに入って行進曲とともに、村人達や二組の婚約者が入場し、二人の乙女達の祝福の二重唱が続き、スザンナが伯爵からヴェールを受けていた。その隙にスザンナから手紙が伯爵にソッと手渡されていたが、ここで大勢の踊りの場面でスペイン風のカスタネットによる踊りが披露され、この演出の第三幕の目新しい目玉商品になっていた。そして良い手紙を手にして、すっかりご機嫌になった伯爵が、高らかに盛大に結婚式を挙げようという締めの挨拶があって、第三幕が盛大に終了していた。舞台は大勢の出演者で賑やかであったが、流石に余り矛盾がなく、順調に進んでいた。





  幕切れにバルバリーナが伯爵に告白した言葉が、伯爵夫人をもの凄く傷つけたか、続いて第四幕に入っても伯爵夫人は舞台の陰で悲しそうな表情を見せていた。幕が開くと、バルバリーナのピンが見つからないという悲しげなアリアで始まるが、フィガロとマルチェリーナが登場して、ピンを見つけた振りをして、彼女からスザンナと伯爵の企みを始めて知った。新婚の夜だというのにとフィガロは怒り出したが、マルチェリーナに宥められても治まらない。スザンナの潔白を信じているマルチェリーナは、ここで「雄山羊と雌山羊は仲が良い」とメヌエット風の三拍子のアリアを歌ってフィガロを激励していた。





また、バジリオもバルトロを相手に、「ロバの皮」のアリアを歌い、権力に逆らわずに避けて通れとフィガロを諭すアリアを歌っていた。続いてフィガロが、伴奏付きのレチタテイーヴォで「全ての用意は整った」と歌い出し、「目を見開け、男たちよ」とスザンナの裏切りを怨むアリアを朗々と歌っていた。







一方、スザンナはフィガロの姿を暗闇で見て、自分を疑うフィガロをからかうために、「さあ、時がきた」と伴奏付きのレチタテイーヴォで美しく歌い出した。ピッチカートに支えられた木管三重奏のオブリガートに乗った絶妙なアリアは、イザベル・レイにピッタリのアリアで、暗闇の中であったが実にしっかりと歌われていた。これまでは、5人が薄暗い舞台で学芸会のように続けて歌って、最後のスザンナのアリアが飛びきり上等で、大拍手の中で場面は第4幕の最後のフィナーレに突入していた。





   松の木のある庭園でスザンナの衣装を付けた伯爵夫人が登場すると、ケルビーノがスザンナと見違えて、ちょっかいをかけてうるさい。それを伯爵が見守る中で、フィガロとスザンナも茂みの陰に隠れて様子を見ており、五人の五重唱の形でフィナーレが始まった。伯爵が邪魔なケルビーノを追い払おうと平手打ちすると、それが隠れていたフィガロに当たって一騒動。音楽が変わってやっとスザンナの伯爵夫人と伯爵が二人きりになり、伯爵が手を取って口説きだし、素直なスザンナに対し盲目となってダイヤの指輪までサービスしてしまう。見かねたフィガロが通行人で現れると、証拠を得たスザンナの伯爵夫人は、フィガロを追っていなくなり、伯爵はスザンナをウロウロと探していた。





      一方、スザンナの逢い引きを見たフィガロが怒って伯爵夫人に訴えると、それがスザンナであることが分かり、ここで二人の一騒動があって、フィガロとスザンナは仲直り。スザンナを捜す伯爵を見て、二人は奥方と従僕のラブシーンを芝居して、伯爵を驚かせ「皆のもの、密通だ」と大声を上げさせてしまう。そして平謝りの二人に対し、伯爵は皆の前で「絶対に許さない」と大声で叫んでしまった。








そこに伯爵夫人が「私がお許しをお願いしたら」と陰から現れたので、伯爵は仰天する。自分の非を悟った伯爵が皆の前で奥方に深々と頭を下げて許しを乞い、伯爵夫人は「私が怒れましょうか、許しましょう」と寛大な姿勢をみせたので、見ている一同は一安心。素晴らしい赦しの音楽がゆったりと流れ、これを讃える満足の音楽とが微妙に重なって、場面は登場人物全員による華やかな喜びの重唱で賑やかに終幕となっていた。



映像が美しく音楽も嬉々として後味の良い幕切れであったが、内容は三人の女性主役や伯爵・フイガロのほか、出てくる端役の皆さんの活躍でライブの舞台は充実しており、やはり楽しい舞台であった。
スペインでのオペラ映像は、これまで余り関心がなかったが、マドリード王立劇場の前回の現代風の「コシ」に続いて今回の「フィガロ」は伝統的演出でもあり、いろいろなことが出来る劇場であると感じた。特に、舞台上の歌手たちがローカルな方でも、役柄に合った歌も演技も良く出来ており層の厚さを感じさせ、時にはスペイン風の珍しさも目について面白く、これで日本語がつけば、日本でも喜ばれる映像になるかと思わせた。

初めてのサージ演出は、伝統的なスタイルで安心して見ておれたが、冒頭の大きな椅子に変わった「大きなベッド」が大活躍しており、実に自然な演出で驚いた。また、スペイン風の衣裳や造りや踊りなどの味付けが随所に見られて新鮮な印象を受けたが、省略のないリブレットに忠実でありながら新しさがあり、中でも伯爵夫人にはいろいろな動きがあったり、バルバリーナも良く活躍していたりと、目新しさを感じさせた。

コボス指揮の音楽造りは、初めてであるがさすが各地を歴任しているヴェテランだけあって、落ち着いたゆったりしたテンポで歌手たちにしっかりと落ち着いて歌わせ演技させる進行ぶりであり、安心して音楽に浸ることが出来た。
歌手陣では、この映像ではフリットーリの伯爵夫人が、このHPでは2度目の登場であったが、今回は実に存在感を見せており、特に二つのアリアは最高の出来であったし、ワイングラスを手にした手紙の二重唱は実に美しく、第4幕冒頭でのバルバリーナの告白で傷ついた傷心の姿、最後の伯爵への赦しの場面などで、実に印象的であった。

また、フィガロのピサローニは、このHPで3度目のフィガロ役であったが、前回はストレーレル演出の2010年パリ・オペラ座(13-4-3)であり、この時の伯爵夫人は、フリットーリであった。今回もヴェテランのイザベル・レイのスザンナを相手に立派な歌と演技を見せており、今やフィガロ役とレポレロ役に欠かせない人気歌手に育ったものと思われた。
イザベル・レイのスザンナ役もこのHPで2度目であり、前回はアーノンクール指揮フリム演出の1996年チューリヒ劇場であり、ピサローニの相手ではやや老け役の感じであったが、良く舞台を動き回って元気の良さを見せつけていた。

よく知っていた歌手たちは、以上の三人であったが、この映像では、若いケルビーノとバルバリーナが実にお似合いで、この舞台では各所で姿を見せており、動きも歌も良くとても印象に残った。また、このオペラには欠かせない伯爵、マルチェリーナ、バルトロ、バジリオ、アントニオなどの人物たちが実に生き生きとしており、良く動き良く語ってとても好感が持てた。この人たちの活躍があって初めてブッファの「フィガロの結婚」が楽しくなると、今回もつくづく感じさせていた。マドリード王立劇場のローカルな面々に敬意を表したいと思っている。

(以上)(2015/06/23)  

 
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