モーツァルト気狂いの最新入手ソフト情報−−平成24年7月号−−


(コープマン指揮、1、交響曲(第32番)ト長調K.318(序曲)、2、変ロ長調(第−番)K.Anh.216、3、ト短調(第25番)K.183(173dB)、4、ハ長調(第41番)K.551「ジュピター」、/バレンボイムの弾き振りによるヒ゜アノ協奏曲第25番ハ長調K503、および第26番ニ長調K.537「戴冠式」、/本名徹次指揮、高橋英郎歌詞・台本・演出による二部の宗教劇「救われたべトゥリア」K.118(74c)、)

(先月の月報は  「こちら」 )


私の最新入手ソフト情報−平成24年7月号−

(コープマン指揮、1、交響曲(第32番)ト長調K.318(序曲)、2、変ロ長調(第−番)K.Anh.216、3、ト短調(第25番)K.183(173dB)、4、ハ長調(第41番)K.551「ジュピター」、/バレンボイムの弾き振りによるヒ゜アノ協奏曲第25番ハ長調K503、および第26番ニ長調K.537「戴冠式」、/本名徹次指揮、高橋英郎歌詞・台本・演出による二部の宗教劇「救われたべトゥリア」K.118(74c)、1997年7月12日、モーツアルト劇場、)

12-7-0、平成24年7月初めの近況報告、

1)、今後のこのHPのアップロード方針を考える−峠を越えたのでゆっくりやります−
2)、久元祐子先生による4台のピアノの弾き比べ−フェライン例会の珍しい試み−
3)、コープマンの91年モーツァルトイヤーの11回の交響曲連続演奏会、
4)、セレナータ「アルバのアスカーニョ」K.111のアップロードを終えて、
5)、2012年7月号の放送・番組予定、
6)、2012年7月号のソフト紹介予定、

(懐かしいS-VHSを見る;コープマンの交響曲連続演奏会、第五集、4曲)
12-7-1、トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ、(曲目)1、交響曲(第32番)ト長調K.318(序曲)、2、変ロ長調(第−番)K.Anh.216、3、ト短調(第25番)K.183(173dB)、4、ハ長調(第41番)K.551「ジュピター」、  第五回連続演奏会、1991年6月4日、東京芸術劇場大ホール、日本公演、NHK、
(1993年02月14日、NHKによる放送をS-VHSテープNo96に3倍速で収録)

(最新市販BDより;バレンボイムのピアノ協奏曲第20〜27番より)
  12-7-2、ダビエル・バレンボイムの弾き振りによるヒ゜アノ協奏曲第25番ハ長調K503、およびピアノ協奏曲第26番ニ長調K.537「戴冠式」、ベルリンフイル、1986〜1989年、ベルリン、
(2012年06月11日、新宿タワーレコードにて、Metropolitan Munich BD1枚に収録)

(懐かしいビデオテープより;1997年モーツァルト劇場公演のオラトリオ)
12-7-3、本名徹次指揮、高橋英郎歌詞・台本・演出による二部の宗教劇「救われたべトゥリア」K.118(74c)、1997年7月12日、モーツアルト劇場、東京芸術劇場中ホール、日本語j上演、
(配役)オツイア;五郎部俊明(T)、ユデイット;永田直美(A)、アキオール;黒田 博(B)、アミタール;山本真由美(S)、カプリ;柳沢涼子(S)、カルミ;小畑朱美(M)、
(2008年10月26日;八が岳山麓のMozart Goodsの店にて、)


  12-7-0、平成24年7月初めの近況報告、

     三党合意の下にやっと衆院を通過した消費増税関連法案は、審議の舞台を参院に移すことになったが、衆院採決での大量の造反者が出たことで、その扱いを巡り民主党の内部でごたごたが続いており、時間稼ぎの小沢元代表と輿石幹事長との密室の会談などが続き、どうやら参院での審議入りは7月にずれ込みそうである。
これで政権与党である民主党の姿が明白になった。こんなにものを決められないだらしない政党に国の行く末を任せておく訳にいかない。何でも反対する輩に政権を委ねること自体がおかしい。怒りに満ちた国民は、もはや解散総選挙しか次の展望が開けないと考え始めている。


1)、今後のこのHPのアップロード方針を考える−峠を越えたのでゆっくりやります−

これまでオペラ優先でアップロードを急いできて、「魔笛」と「後宮」のアップロードがほぼ完成に近づいているが、今度はオペラ総括の「季刊」への投稿が、特に6月号において「ドン・ジョヴァンニ」で分量が多すぎて迷惑が掛かるという思わぬ事態が発生してきた。これまでホームページの完成された姿を理解してもらおうと、オペラのダ・ポンテ三部作に重点を置いて作業をしてきたが、このアップロード作業と「季刊」への投稿とを切り離す必要が生じてきた。これまで「季刊」への投稿で一区切りということを無意識に考えていたが、今後は総括作業はホームページとして必要なので、自分のペースで作業し、投稿についてはテーマや分量や時期などを考えて、余り迷惑の掛からない範囲で必要に応じ行いたいと思う。

          このホームページをいわばライフワークとして取り組んできたものにとって、残された許される期間内に、どう言う手順でアップロードして行けば全体として良いものになるかを改めて考えてみた。オペラの優先アップ方針で、冷や飯をくっていたのは、ソフト数の多い器楽曲の交響曲類と協奏曲類であり、交響曲については半年ほどコープマンのものが続いていた。しかし、毎月アップできる本数は、3本程度であり、少しゆとりが欲しいので、3本と言うことに先取りしたい。そうすると、必然的に、1、交響曲類、2、協奏曲類、3、オペラなどと言うことになってしまうが、取りあえず、この形で半年ぐらい様子を見たいと思う。

交響曲については、コープマンのコンサートが、後述するが、新たに2回分発見されており、それに続いて最近のDVDで、ミュンシュ・チェリビダッケ・ブリュッヘンなどの映像がアップを待っている。協奏曲については、最新入手のバレンボイムのピアノ協奏曲BDから未アップのものを対象にしたいし、イタリア・スイス放送管弦楽団の一連の協奏曲のアップが急がれている。オペラについては、今月は例外として、イドメネオやテイトに的を絞り、いずれも古いものであるがアップして行きたいと思う。


2)、久元祐子先生による4台のピアノの弾き比べ−フェライン例会の珍しい試み−

去る6月23日(土)モーツァルテイアン・フェラインの6月例会で標記の珍しい久元先生によるレクチャー・コンサートがあった。4台のピアノが展示された場所は、セレモニア・コンサートホール武蔵野(立川市)であり、4台のピアノは、まず19世紀を代表するピアノとして、「プレイエル・1843年製」と「エラール・1868年製」があり、前者はショパンが愛用したモデル、後者はリストが愛用したピアノと言うことであった。また現代を代表するピアノとしてはベーゼンドルファーとスタインウエイが置かれており、50人ほどの参加者を得て、先生のお話と演奏で始まった。



最初にベーゼンドルファーでリスト編曲の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618が弾かれ、一音一音ゆっくりと丁寧に弾かれたピアノの澄んだ音色と美しい響きに息をのむ思いであった。小さい会場で席がかぶりつきの状態で聴くことが出来たので、驚くほど鮮明に聞こえていた。
プログラムは始めにピアノソナタハ長調K.330の第一楽章をエラールで、第二・三楽章をプレイエルで弾いてから、もう一度第三楽章をエラールで弾いて下さった。先生のお話ではこのエラールは、ショパンがマジョルカ島で弾いていたモデルと同じという説明で、たまたま現地でこのピアノによるCDを購入し、音が良くてよく聞き込んでいたので、同質の音を確かめることが出来た。第三楽章で聞き比べた印象では、プレイエルの方が音が大きく明確で透明感があったように思ったが、やはり音色に違いがあり、曲によって好き嫌いの好みが現れるであろうと言う想像は付いた。



続いてピアノソナタイ長調K.331の第一楽章をベーゼンドルファーで、第二・第三楽章をスタインウエイで弾いてから、フィナーレ楽章をベーゼンドルファーで弾いて下さった。やはり現代ピアノは音が均一でその響きの完成度が高いと感じたが、一・ニ楽章では両ピアノの違いには余り気づかずに、第三楽章の最強音が連続するところで、始めてベーゼンドルファーの方がしっとりと響いていたように思った。スタインウエイの方が力強い感じであったが、良し悪しを判断するにはかなりの聞き込みが必要であると感じた。



私は家でCDなどでピアノ曲を聴くことが多いが、かねて古楽器のピアノの音が上手く再生が出来ず、CDでは楽器のことを論ずることなどは出来ないと感じていたが、ライブで聴いてもエラールが良いかプレイエルが良いかなどの判断はとても難しいと思った。しかし、音の響きの違いは確かにあり、良い音を求めて、演奏者の方々は自分の音を極めるために大変であるとつくづく感じてきた。今回の例会報告はいずれ出るが、この例会はとても良い経験になったと思った。


3)、コープマンの91年モーツァルトイヤーの11回の交響曲連続演奏会、

先月コープマンの交響曲連続演奏会の報告は完了したと書いてきたが、その後別に1本のテープが発見されて、全11回の連続演奏会が行われ、その全容が明らかにされた。第4回の1コンサートだけが収録漏れとなったが、その他は「レクイエム」を含めて全て収録済みであり、その全容は以下の通りであることが分かった。従って、これから7月、8月と2回に分けて、未アップのコンサートをアップしたいと考えているが、この連続演奏会で漏れが生じたのは、第4回の4曲(K.181、K.43、K.200、K.133)だけであったことをご報告し、ここに修正をしておきたいと思う。

本来ならアナログのハイビジョン放送をNHKが放送していた時点できちんとD-VHS録画をしておかなければならなかったが、手落ちであったことをお詫びしたいと思う。コープマンのこの連続演奏会のアップロードの結果、交響曲については、アップロードの進捗が進んできた。今後は手持ちのDVDで収録している新しいものを引き続きアップしてから、各曲のデータベース表で未アップのものを拾い上げて、逐一アップロードを続けて行きたいと考えているので、宜しくお願いしたい。


4)、セレナータ「アルバのアスカーニョ」K.111のアップロードを終えて、

5月号で2007年のボローニア歌劇場で上演された セレナータ「アルバのアスカーニョ」K.111のアップロードを完了したが、今回このオペラを先行させた理由の一つに、最近加入した日本モーツァルト協会のオペラサークルで何か発表して欲しいと頼まれていたからである。その理由は皆さんが関心を持っている初期のオペラであることと、このオペラのDVDが珍しいばかりでなく日本語付きの優れものであることと、何にも増して、紹介に価する良い演奏であり、演出も新全集通りのオーソドックスなものであったからであり、今回のアップ作業は、これらを十分に確かめる作業となっていた。

            このオペラのもう一つのM22の06年ザルツブルグ音楽祭の映像は、古楽器スタイルで演奏は良かったのであるが、演出がドイツ人向けに、難解なイタリア語のレチタテイーヴォを、ドイツ語の語り部に語らせた上に、宇宙人が現れたような超近代的演出で度肝を抜かれ、始めてこのオペラを見る人には、オーソドックスなものが良いと思っていたからである。従って、この日の発表は、最初に簡単な解説を行って、兎に角、128分の映像を通して見ることと、比較の材料としてこのM22の新しい映像の一部を、時間の許す限り見て頂くと面白いのではないかと考えている。

           実は作業中に気がついたのであるが、私はこのオペラの二つのDVDに添付されていた解説書を、うっかり二つとも紛失してしまっていた。新しいDVDを最初に見たときに比較して見ていて、つい何処かに紛れ込んでしまったもののようである。そのため、このオペラに関する情報は、属先生のご本と新全集しかないのであるが、一応アップロードを終えたので、後は頭出しをスムーズに行えるようにしておくことである。幸い、M22の比較のポイントは、語り部が出てくる最初の部分と、宇宙人と見間違えたヴィーナスの登場の部分を見て頂くと大きな違いが分かるであろう。また、M22 においては、初演時にカストラートが歌った「牧神」にダイアナ・ダムロウが特別出演しているので、このアリアが聴けるように準備をしておく予定にしている。


5)、2012年7月号の放送・番組予定、

            NHKの放送では、教育テレビでの毎週日曜日21:00〜21:57の4月から始まった「ららら♪クラシック」という新しい番組では、作曲家の加羽沢美濃と作家の石田衣良により、毎週テーマを変えてクラシックの対話形式による音楽放送が行われるようになった。7月でモーツァルトの曲が出てきそうな番組はないが、7月22日には、ウイーン・フォルクスオーパーの「メリー・ウイドウ」がテーマで、幸田浩子がゲストで登場するので、チェックしておきたい。
           BSプレミアムのプレミアムシアターは毎週日曜日24:00〜4:00の予定であり、7月の5回の放送予定は魅力的である。中でも7月22日には、われわれがライプチヒで聴いて来たビラー指揮の「マタイ受難曲」があるので、パソコン・ネットで収録済みであるが、オーデイオでも録画して比較してみたいものである。また、7月29日は先のフォルクスOPの「メリー・ウイドウ」日本公演がある。アネッテ・ダッシュの名が出ている。
           特選オーケストラ・ライブは毎週日曜日6:00〜7:55の予定とされているが、七月はN響定期1727〜1729回などが予定されている。7月22日には、アバド指揮ルツェルン音楽祭管弦楽団の「ハフナー」交響曲とブルックナーの5番が組み込まれている。また、クラシック倶楽部が毎週月曜日〜金曜日6:00〜6:55に実施されるが、このホームページではモーツァルトは殆ど期待できなかった。

              一方のクラシカジャパンでは、ハイビジョン対応のチューナーになってHV画像が見られるようになったが、従来通りの標準画質録画が、HDDでは出来るが、BDに収録しようとすると、コピーガードが掛かって失敗するという現象で困っており、原因を調べている。7月号では、特集は「クラシック音楽と映画とのステキな関係」となっていた。サブテーマでは、1)映画音楽をオーケストラで聴くとどうなるか?、2)イタリア・オペラが歌劇場を飛び出すと、迫真の映画になる、3)映画になって、オリジナルを超えた!、など盛り沢山での特集が組まれている。しかし、古い映像が多く、モーツァルトとは関係がなさそうである。その他のモーツアルト関係曲は、残念ながら、再放送ばかりであり、いずれも収録済みであった。

             レコード芸術7月号では、特集が「ドビュッシー」と吉田秀和追悼特集であり、いずれも当方とは直接関係がなく、モーツァルト関係のDVDなどの新しい映像関係新譜情報は、11ヶ月連続して新譜としては見当たらなかった。

毎月1回は、新宿タワーレコード、銀座ヤマハ、山野楽器店で新着DVDをチェックしているが、BD1枚ものでバレンボイムの後期ピアノ協奏曲全8曲(255分)が出ているのを発見したので購入した。4200円であった。S-VHSでは全てクラシカジャパンから、ばらばらに収録してあるが、未アップの曲(第25番および26番)はこれでアップしようと考えている。表紙には35ミリフィルムからtrueHDに変換したものとされ、同時に音質も改善されているようだ。今後、この種の旧ソースが新しくHD化された形でBDに復刻されることが多くなるかもしれない。




6)、2012年7月号のソフト紹介予定、

今月からこれまでのオペラ優先アップの方針を改めて、1、交響曲・管弦楽曲類、2、協奏曲・器楽曲類、3、オペラ・歌曲類の3本建てで、映像紹介を行うことに方針を変えた。オペラ以外は、1コンサートないし1〜2時間の数曲単位でご紹介することになると思われる。当面は、新しく購入したDVDないし最近収録した音源を中心に紹介していくことになろう。しかし、ストックが途切れれば、偶発的に入手するDVDなどと、データベース記載の古いS-VHSテープからの掘り起こしソフトの共存状態になるものと思われる。約350本のS-VHSアナログと約170本S-VHSデジタルのテープの山崩しを行うにはどう言う手順が良いかを、良く考える必要がある。私は早く総括を行いたい曲から順番にテープの掘り起こしをすれば良いと考えているが、これが曲種別にK番号順が良いか、その逆が良いのなど、早速、考え方を決めなければならない。この作業段階になると、このホームページもそろそろ終焉の状態に近づくのであるが、早くそうなって欲しいと心から願うものである。

7月号のソフト紹介の第一曲目は、トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラの第五回連続演奏会で、曲目は1、交響曲(第32番)ト長調K.318(序曲)、2、変ロ長調(第−番)K.Anh.216、3、ト短調(第25番)K.183(173dB)、4、ハ長調(第41番)K.551「ジュピター」であった。ところが、調べてみると後半のメインの2曲が、既にアップロード済みで、前半の2曲では、物足りないことが分かった。一方、8月に予定されている第10回の曲目を調べると、1、二長調K.161及びK.163(141a)、2、ヘ長調(第13番)K.112、3、ニ長調K.95(73n)、4、変ホ長調(第26番)K.184(161a)、5、変ホ長調(第39番)K.543、の5曲となっていた。5曲を一度にアップするのは大変なので、このうち1曲を選んで7月分にアップすれば良いと考えているが、大好きな変ホ長調(第39番)K.543にしたいと考えている。

7月号の第二曲目は、ダニエル・バレンボイムのベルリンフイルとの弾き振りによるヒ゜アノ協奏曲第25番ハ長調K503(1988)およびピアノ協奏曲第26番ニ長調K.537「戴冠式」(1989)をお届けする。彼のニ短調第20番以降8曲のピアノ協奏曲シリーズは、私はクラシカ・ジャパンの放送で全て収録済みであり、同じものをテルデックのCDでも持っていた。これまでS-VHSのアナログで収録されていたものを6曲アップしてきたが、今だアップロードする機会に恵まれていなかったのが、上記のK.503及びK.537であった。今回は35ミリフイルムで収録されていたオリジナルテープを新たに利用して1080iのデジタルハイビジョン(16:9)の映像と非圧縮のPCMステレオ音声をHD規格に収録したものであり、8本のソフト255分の映像が1枚のBDデイスクに入っているので、画質や音声のレベルが格段に向上しているほか、小型軽量化されて取り扱いも楽になっていた。

7月号の第三曲目は、懐かしいビデオテープより、1997年のモーツァルト劇場公演のオラトリオである二部の宗教劇「救われたべトゥリア」K.118(74c)を、本名徹次指揮、高橋英郎訳詞・台本・演出によるもので、1997年7月12日に東京芸術劇場中ホールで収録されている。この映像の特徴は、日本語上演と言うことで、高橋氏の持論が生かされたもので、氏の手による訳詞・台本・演出が一体になった公演であった。氏がフェライン会長を辞められ、モーツァルト劇場に専念なさったのは1988年頃であったろうか。先生は毎年一本の日本語オペラをモーツァルト劇場として公演されていたが、その当時手がけられた「フィガロ」や「コシ」などの日本語上演は、フェラインの新入会員として見に行っており、良く記憶している。

最近ではモーツァルト・オペラは、グローバルな時代になって原語主義になっているが、1991年のモーツァルトイヤーの頃までは、ドイツ語圏では過去の慣習に基づいてドイツ語で上演するのが主流であった。ところがカラヤンの全盛期であろうか、ザルツブルグ音楽祭には各国から優れた超一流の歌手たちが集められて豪華・華麗なオペラの時代が始まってから、原語主義で育ったオペラ歌手たちは、ドイツ語で歌うことに抵抗を示し、演奏者の都合で伝統のあるドイツ語圏のオペラ劇場でも、次第にドイツ語で歌う歌手が少なくなり、最近では場末の劇場でなければドイツ語のオペラが見られないような状況になっている。
高橋先生は、当初から「日本のオペラは日本語で」と主張され、日本語への翻訳からご自分でなされ、アリアを日本語で歌わせることに力を注いでおられた。私はLDでドイツ語によるオペラを見て、先生の言うように歌手の動きが良いことに普段から着目していたが、ウイーンのフォルクスオーパーで「フィガロの結婚」を見て、有名歌手がいるわけでないのに、舞台が生き生きとして活気があり、歌手たちの反応や動作が素晴らしいのに感動したことがあり、熟成されたドイツ語オペラは、素晴らしい舞台を生み出すことを知って、先生のおっしゃる意味を良く理解した。しかし、オペラ界の現実は、観客の都合よりも、残念ながら、演奏者の都合で決まるものであるようだ。一流のオペラ劇場は競ってグローバルな国際的歌手を呼ぶのが現状であり、各劇場の字幕方式がどこでも簡単に整備されるようになって、今や原語主義に異論を唱える人は少数派になってしまったようである。

この映像は、高橋先生の訳詞・台本・演出の日本語上演記録であり、こうした原語主義に挑戦するかのような作品であったので、改めてもう一度、日本語のオペラを考えるに適切な素材であるようだ。幸いM22には、演奏会形式であるが、われわれが初めてこのオペラを映像で見ることが出来たDVDもあるので、両方を比較しながらこの問題を考えてみたいと思っている。先に述べた、日本モ−ツァルト協会のオペラサークルで、この極めて珍しい映像を見ていただく候補の一つにならないか考えている。

(以上)(2012/06/29)



(懐かしいS-VHSを見る;コープマンの交響曲連続演奏会、第五集、4曲)
12-7-1、トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ、 (曲目)1、交響曲(第32番)ト長調K.318(序曲)、2、変ロ長調(第−番)K.Anh.216、3、ト短調(第25番)K.183(173dB)、4、ハ長調(第41番)K.551「ジュピター」、  第五回連続演奏会、1991年6月4日、東京芸術劇場大ホール、日本公演、NHK、
(1993年02月14日、NHKによる放送をS-VHSテープNo96に3倍速で収録)

(最新市販BDより;バレンボイムのピアノ協奏曲第20〜27番より)
12-7-2、ダビエル・バレンボイムの弾き振りによるヒ゜アノ協奏曲第25番ハ長調K503、およびピアノ協奏曲第26番ニ長調K.537「戴冠式」、ベルリンフイル、1986〜1989年、ベルリン、
(2012年06月11日、新宿タワーレコードにて、Metropolitan Munich BD1枚に収録)

(懐かしいビデオテープより;1997年モーツァルト劇場公演のオラトリオ)
12-7-3、本名徹次指揮、高橋英郎歌詞・台本・演出による二部の宗教劇「救われたべトゥリア」K.118(74c)、1997年7月12日、モーツアルト劇場、東京芸術劇場中ホール、日本語j上演、
(配役)オツイア;五郎部俊明(T)、ユデイット;永田直美(A)、アキオール;黒田 博(B)、アミタール;山本真由美(S)、カプリ;柳沢涼子(S)、カルミ;小畑朱美(M)、
(2008年10月26日;八が岳山麓のMozart Goodsの店にて、)



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