モーツアルト気狂いの最新入手ソフト情報−−平成23年11月号−−


(グルダのピアノ・リサイタル、ピアノソナタ変ホ長調K.282、ソナタニ長調K.311、ソナタヘ長調K.322、幻想曲ハ短調K.475およびソナタハ短調K.457、/映画監督ブラナー、コンロン指揮、ヨーロッパ室内管弦楽団によるオペラ「魔笛」の完全映画化/ガーデイナー指揮バロック・ソリイストおよびモンテヴェルデイ合唱団による「後宮」K.384、/コープマン指揮、アムス・バロック・オーケストラ、交響曲ニ長調(第7番)K.45、変ロ長調(第5番)K.22、ニ長調K.97、ハ長調K.96、ハ長調(第36番)K.425「リンツ」、)

(先月の月報は  「こちら」 )


私の最新入手ソフト情報−平成23年1月号−

(グルダのピアノ・リサイタル、ピアノソナタ変ホ長調K.282、ソナタニ長調K.311、ソナタヘ長調K.322、幻想曲ハ短調K.475およびソナタハ短調K.457、/映画監督ブラナー、コンロン指揮、ヨーロッパ室内管弦楽団によるオペラ「魔笛」の完全映画化/ガーデイナー指揮バロック・ソリイストおよびモンテヴェルデイ合唱団による「後宮」K.384、/コープマン指揮、アムス・バロック・オーケストラ、交響曲ニ長調(第7番)K.45、変ロ長調(第5番)K.22、ニ長調K.97、ハ長調K.96、ハ長調(第36番)K.425「リンツ」、)

11-11-0、平成23年11月初めの近況報告、

1)、放射能のホットスポットに怯える柏市の状況、市の対策と心配点−
2)、久しぶりで聞いたオール・モーツァルト・コンサート−アウローラ・クニタチ−
3)、「コシ・ファン・トウッテ」はどの映像が良いか、−ムーテイの三つの映像−
4)、DVDのモーツァルト・ソフトを探して−タワーレコードの新宿店が多い−
5)、2011年11月号の放送・番組予定、
6)、2011年11月号のソフト紹介予定、



(懐かしいS-VHSを見る;コープマン交響曲連続演奏会、第二集、5曲)
11-11-4、トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ、 (曲目)交響曲ニ長調(第7番)K.45、変ロ長調(第5番)K.22、ニ長調K.97、ハ長調K.96、ハ長調(第36番)K.425「リンツ」、 第二回連続演奏会1991年5月20日、東京芸術劇場、日本公演、NHK、
(1993年02月14日、NHKによる放送をS-VHSテープに3倍速で収録)


(最新購入のDVD;フリードリッヒ・グルダのモーツァルト・リサイタル)
  11-11-1、フリードリッヒ・グルダのピアノ・リサイタル、ピアノソナタ変ホ長調K.282、ソナタニ長調K.311、ソナタヘ長調K.322、幻想曲ハ短調K.475およびソナタハ短調K.457、Imperial DVD ClassicによるDVD、収録時期・場所の情報なし、
(2011年8月20日、銀座ヤマハ店にて購入、Imperial DVD Classic SOPI-YSD-1013)


(最新購入のDVD;ケネス・ブラナーによるオパラ「魔笛」の完全映画化、)
11-11-2、映画監督ケネス・ブラナー、ジェームス・コンロン指揮、ヨーロッパ室内管弦楽団によるオペラ「魔笛」の完全映画化、2006年、イギリス映画、日本公開日07年7月14日、
(配役)タミーノ;ジョゼフ・カイザー、パミーナ;エイミー・カーソン、パパゲーノ;ベンジャミンJ.デイヴィス、パパゲーナ;シルヴィア・モイ、夜の女王;リューホフ・ペトロヴァ、ザラストロ;ルネ・パーペほか、
(2011年8月20日、銀座ヤマハ店にて購入、全国劇場公開作品、Showgate-PCBE-52728)


(懐かしいS-VHSを見る;ガーデイナー指揮パリ・シャトレ座の「後宮」K.384)
11-11-3、ジョン・エリオット・ガーデイナー指揮、イングリッシュ・バロック・ソリイストおよびモンテヴェルデイ合唱団」パスカル演出による「後宮」K.384、1991年、パリ・シャトレ座、
(配役)コンスタンツエ;ルーバ・オルゴナソーヴァ、ブロンテ;シンシア・シーデン、ベルモンテ;コーネリアス・ホープマン、ペドリオ;−、オスミン;−;セリム;−ほか、
(1988年8月13日、NHKBS102CHにてS-VHSテープ三倍速にて収録)



11-11-0、平成23年10月初めの近況報告、

     急に寒くなったり、暑くなったりして気温の変化の多い日が続いているが、概して良い天気に恵まれ、ゴルフには最適のシーズンを迎えており、体調の回復の有り難さを噛みしめながら、週一ゴルフを楽しんでいる。このところこれまでの最高の円高が続いており、タイの洪水騒ぎが長期化して輸出産業に影響が出そうな気配が濃厚になったり、思わぬ心配が増えてきた。一方では、順調な滑り出しを見せていた野田政権が、沖縄基地問題やTPP問題の党内のまとめと国としての政策決定に、まさに正念場を迎えようとしている。私は今となっては県外へという沖縄知事の主張はもっともであると思っており、また、TPPの農業問題については、日本人は米は高くてもおいしい日本米しか食べないと信じているので、米問題は大丈夫で、逆に農協の体制の改革が必要だろうと考えているが、果たしてどう言う決着がつくか、慎重に見極めたいと思っている。


1)、放射能のホットスポットに怯える柏市の状況、市の対策と心配点−

  私は千葉県の柏市の住人であるが、このところ放射能汚染のホットスポットということで、柏市がにわかにクローズアップされ、市内で高い放射線量が観測されたことがテレビや新聞のニュース報道で話題にされている。確かに原発から20キロ圏、50キロ圏などという尺度で放射能の分布図が描かれるのは分かるが、およそ200キロぐらい離れた柏市とその周辺だけが汚染されているというのは、住民として何とも理解が出来ない放射能という良く分からないものによる不思議な話である。

  ところが10月24日(月)の新聞に、文部科学省が測定したとされるセシウム134、137の蓄積量を汚染マップとして作成し公表されていた。それによると、汚染マップに放射線雲の流れという2本の雲の流れが太く線が描かれており、一本は3月14日深夜から翌日にかけて、またもう一本は3月21日夜から翌日にかけて、いずれも雲が南下し、丁度、茨城県南部と千葉県の柏市周辺を通過したため、ホットスポットをもたらした疑いがあるとされていた。これまで漠然と噂されていた話が、データで説明されたものと思われる。どうやら放射能を排出した時刻と風向・風速と雨量による複雑な関係によって、結果的に、柏市周辺には2回にわたって放射能がホットスポットとして集中的に拡散されたらしい。

       一方、新聞情報された高濃度汚染箇所の文部省の測定結果では、柏市根戸字高野台(柏市有地)地区で、「地表面から1m高さで最大毎時2.0マイクロシーベルト、地表面から50cm高さで最大毎時4.5マイクロシーベルト、地表面で最大毎時15マイクロシーベルトを測定」とあり、周辺の平均的測定値よりもかなり高いとされていた。その原因は、「汚染の高い地点脇の側溝(深さ約30cm)に約50cm幅の破損が発見され、この箇所が半減期約2年の放射性セシウム134が確認された地点に近いことから、東京電力(株)福島第1原子力発電所の事故による放射性セシウムを含んだ雨水が側溝の破損口から漏れ込み、当該地点で放射性セシウムが土壌に濃縮された」と発表されていた。

   これらの測定結果では、確かにこれまで柏市が広報などで公表してきた市内の積算線量の値を遙かに上回るものであり、当時の雨水の浸透状況によっては、住民の人体や特に子供にとって、非常に放射能が危険な場所があることが知らされた。
  これらの事実関係から、東葛地区放射線協議会などが開催され、いずれ市当局としての対応と対策が発表されることになろうが、柏市の市有地であったから問題は広がらないで済んだが、これが私有地であったりしたら、問題がより大きくなると思われる。幸い私の住んでいる地区とはかなり離れた場所であったので、これまで無関心でいたが、雨水が浸透して濃縮されやすい土壌があるはずなので、もっと調査が必要である。また、現在はセシウムだけが取り上げられているが、千葉県には農産物や畜産物などの食料生産が盛んなのでセシウム以外の放射能元素がどうなっているか心配される。


2)、久しぶりで聞いたオール・モーツァルト・コンサート−カペラ・アウローラ・クニタチ−

      レコード芸術11月号に、「ウイーンはウイーン!」を連載しておられる指揮者の前田昭雄氏が「モーツアルトの後に」と題して、「指揮者のコンサート・リポート」を書かれているのを拝見し、このコンサートを聴きに行ったものとして、一言書いておきたいと思った。このコンサートは、9月30日(金)に浜離宮朝日ホールで開催されたカペラ・アウローラ・クニタチという古楽器オーケストラによる演奏会であり、国立音楽大学主催のコンサートであった。このオーケストラは、音大所有の18世紀中葉から後半にかけて制作された弦楽器群を使用して、教員4名と卒業生と学生により構成されており、音大の招聘教授でありウイーン大学名誉教授である前田氏の指揮で演奏されていた。

      プログラムは実にユニークなもので、モーツアルトの時代に行われたように、シンフォニーのアレグロ楽章とフィナーレ楽章の間にオペラのアリアが挟まっているという洒落たもので、相当昔にザルツブルグのモーツアルト週間で同じ様なスタイルのものを聴いたことを思い出した。具体的な曲目は、最初に交響曲ニ長調K.196+121(207a)の「偽りの女庭師」序曲であり、続いてこのオペラから有名なサンドリーナのアリアが2曲続いていたが、このアリアの間には間奏曲風に、交響曲第28番ハ長調K.200(189k)のアンダンテ楽章が挟まれていた。そして最後には、冒頭の序曲のシンフォニーのフィナーレ楽章が演奏されて、前半の部を終了していた。オペラ「偽りの女庭師」によるオペラのアリアを挟んだ若々しい曲想のシンフォニーを聴くという素晴らしいコンサートになっていた。

 後半はお客さんのサービスのためか、アイネ・クライネ・ナハト・ムジークK.525で始まったが、この曲だけウイーン時代の曲であった。続いてソプラノのためのコンサート・アリア「あなたは誠の心を持ち」K.217は、矢張り若い頃の演奏会用の差し替えアリアで、このコンサートのフィナーレは、ザルツブルグ時代の名品である交響曲第29番イ長調K.201(186a)であった。
 全体を通じて、古楽器による軽快な演奏が続き、指揮者の踊るような仕草の指揮ぶりと見事に合っており、軽やかな曲調が快く、実に楽しかった。いわゆるプロのオーケストラではないが、日本の学生主体のオーケストラでも非常に上手になったと感心しながら聴いていた。お二人のソプラノもまずまずの出来映えで美しかった。ホールも良く響き、何よりもモーツアルトの若々しい曲を、生き生きと楽しく演奏してくれたのが嬉しかった。終わりに音大主催のコンサートのせいか、若い人たちでホールが溢れており、いつものモーツアルト協会主催のモーツァルト・コンサートとは全く違うことに気がついた。


3)、「コシ・ファン・トウッテ」はどの映像が良いか、−ムーテイの三つの映像−

     リッカルド・ムーテイ(1941〜)がザルツブルグ音楽祭に招かれて、このオペラを振ることになった経緯は、ドキュメンタリー「ザルツブルグ音楽祭−その短い歴史−(2006)」(8-12-4)において、ご自身の言葉が残されているが、兎に角、カラヤンから電話で「コシ」を振るかどうか直ぐに返事をくれということであったようだ。その時の音楽祭の82年、83年の演奏記録がCDと映像に残されており、それ以来、このオペラはムーテイの重要なレパートリーになり、ミラノ・スカラ座やウイーン国立歌劇場などでこのオペラをしばしば指揮をしてきた。これらの一連の記録を示すと表−4の通りである。
 
表ー4、リッカルド・ムーテイの「コシ・ファン・トッテ」のデータベース
ムーテイ1ムーテイ2ムーテイ3ムーテイ4 摘   要
収録年月82008307(9-7-3)8904(11-2-4)9600(4-11-1)
メデイアCDDVDLDS-VHS-Tape
劇場名ザルツ祝祭小劇場ザルツ祝祭小劇場ミラノ・スカラ座アンテ゛ア・ウイーン劇場
オーケストラウイーンフイルOウイーンフイルOスカラ座OウイーンフイルO
演出者HampeHampeSimone
FiordeligiMarshallMarshallDessiFritoli
DorabellaA.BaltzaAnn MurrayD.ZieglerA.Kirchshrager
GuglielmoJ.MorrisJ.MorrisA.CorbelliB.Scoufs
Ferrando F.ArizaF.ArizaJ.KundlakM.Shade
Don AlfonsoJ.V.DamS.BrunscantinoC.DesdeliA.Corbelli
DespinaK.BattleK.BattleA.ScarabelliM.Bacheli

       ムーテイの最初の映像記録(1983)は、91年10月にNHKのBS衛星放送でS-VHSに収録していたが、衛星放送の最初期だったせいか、ノイズが多く、繰り返し見ることはなかったが、09年2月にデノンのDVDの名作シリーズの一環で発売されたので、早速アップロード(9-7-3)している。この映像は、DVDになって見て、当時のライブ映像としては破格の出来映えで素晴らしいものであったと気がついて、次のように記述していた。「このハンペ演出は、リブレットと正面から向き合った脚本に忠実な「コシ」であり、省略の少ない最も基本的な映像として重視したいと思った。今回の映像は、1983年の音楽祭ライブであるが、この演出の装置や衣裳の美しさ・豪華さは特筆すべきであり、また二組の恋人達の対照の妙が面白く、バランスの良さを痛感させた。また、ムーテイの指揮振りも、序曲の段階から生き生きとしており、声とオーケストラとのアンサンブルを重視した指揮振りが目立っていて、若いソリスト達の熱演・熱唱を導き出していた。」

      このムーテイ2の最初の映像をアップしてから、ムーテイ3の2度目のミラノ・スカラ座の映像を改めて見較べて、私はこの二つの映像が実に良く似ているのに驚かされた。この映像は私の「コシ」の最初のLDであり、隅々までよく知っていたからである。この二つの映像は、表−4の通り、6年のタイムラグがあり、歌劇場、オーケストラ及び合唱団が一流であるが異なり、6人の出演者たちが全て若返っていた。共通なのは指揮者ムーテイの指揮ぶりと、ミハエル・ハンペの演出であり、この二つの舞台は衣裳・小道具・大道具・色彩感覚などが、まるで引っ越し公演のようにソックリさんであった。

      私はこのムーテイ3のミラノ・スカラ座の映像を(11-2-4)にアップロードしているが、このLDはザルツブルグで成功を収めたムーテイが、満を持してムーテイ本場のスカラ座での公演であり、オーケストラも歌劇場も歌手陣も合唱団も全て異なっているが、指揮者と演出者が共通なので、この二つの映像の「基本路線」は同じだと書いてきた。そこでこのオペラの映像の「基本路線」とは何かについて整理をしておく必要性を痛感した。詳しくは(11-2-4)をご覧頂きたいが、私が考えた「基本路線」とは、第一は舞台全体を流れる音楽の進め方であり、ムーテイのエネルギッシュな割りには伝統的な指揮振りが、オーケストラは異なるが共通であったことである。第二は舞台全体を構成する演出の問題であるが、ミラノのハンペ演出はザルツブルグからの引っ越し公演のように、衣裳を含めてそっくりさんであったことである。
      第三に版の問題があるが、「コシ」には第15番のグリエルモのアリアとコンサート・アリア(第15a番)K.584との入れ替えの問題と、省略曲として通常の第7番の小二重唱、第24番のフェランドのアリア以外にあるかどうかの問題しかないのであるが、ムーテイ・ハンペ体制は、第15番の短いアリアを使い、第7番と第24番を省略する標準的な版を使っていた。また、このオペラでは特に、第四として男女の組み合わせがいつ変わるかを注意して見ておく必要があり、通常は第20番の姉妹の二重唱「私はあの黒髪さん」以降なのであるが、このムーテイ・ハンペ体制では共通して、第一幕フィナーレで毒薬を飲んで介抱する際に、ドラベラがグリエルモを意識的に選んでいたのが特徴であった。これは演出によっていろいろ変化があるので注意する必要がある。また第五として最終場面での男女の関係が、元の鞘に収まるか、新しいカップルになるか、別れてしまうかの方向があり、これが結論になるので極めて重要である。ムーテイ・ハンペ体制では、リブレット通りハッピーエンドとなっていた。以上が私が考えるこのオペラの基本路線であり、これらが二つの映像ではほぼ同じなので、違いが大きいのは出演者全員が変わった点に尽きるであろう。従って、これら二つの映像のどちらが良いかと言う問題については、6人の歌手たちの誰が良いか、誰が好きかの問題となろう。しかし、この問題には、この「基本路線」がほぼ同様の、もう一つのムーテイ4について述べてからにしたいと思う。

      このムーテイの「コシ」の映像を、このHPに最初にアップロードしたのは、実は2004年の10月にクラシカ・ジャパンで放送してくれたからであるが、このムーテイの三度目の「コシ」の映像は、デ・シモーネ演出によるウイーン国立劇場がアン・デア・ウイーン劇場と共同製作したもの(4-11-1)とされていた。この映像は、1996年「ウイーン芸術週間」の参加作品と言われており、ウイーン国立歌劇場に当時出演していたフレッシュな若手スターが総出演した歴史的名演という触れ込みであった。また、これを書いている現時点でこの顔ぶれを見ると、現在でも第一線でヴェテランとして活躍しているメンバーであり、実力者揃いである。一方、このデ・シモーネ演出は、私は2004年2月に、ウイーン国立歌劇場で見ており、このHPの「5日連続オペラ鑑賞記」として、アップしてあるのでご覧頂きたいが、兎に角、息の長い安心して見て入れる演出であると思われる。
      この映像は数ある「コシ」の中でもバランスの良いベストに近いオペラ映像であろうと思う。ライブの不利な面があるが、ムーテイの三回目の映像造りの経験が生かされた、欠点が目につかない映像であって、先の「コシ」の基本路線とは、劇場が異なり舞台がシモーネ演出に変更されていた。ところが少し小ぶりのこの劇場が、客席と舞台との親近感を大きくさせ、音楽面でアンサンブルオペラとしての意義を高めていた。これは明らかに、このオペラを知り尽くしたムーテイが記録に残そうと図った仕業と考えられ、音楽面でのテンポの付け方や重要なアリアやフィナーレでの盛り上げ方などが実に巧みで、恐らくこのオペラを振らせたら今やこの人の右に出る人はいないものと思われる。

     以上の通り、ムーテイの3種類の「コシ」は、いずれもこのオペラの基本路線がしっかりしたご推奨ものであるが、好みの問題はあろうが、矢張り年代順にムーテイの指揮者としての成長ぶりが窺える。私はこのオペラ「コシ」については、ベームの後継としてムーテイ3ハンペ(89)のLDで伝統的な大劇場におけるコシの舞台が確立されたのではなかろうかと考えており、デッシー・コルベッリなどの出演者たちも極めて見応えがあり、これが「コシ」だ言わせる雰囲気を持っていた。
     96年のムーテイ4シモーネ(96)は、矢張り基本路線に沿って、フリットーリなどを初めとする出演者たちの組み合わせもベストに近く、より映像向きな劇場での収録となって素晴らしく、新しい映像だけに、画像面・音声面などのソフト条件が過去のものより優れており、推奨できるものになっている。しかし、96年においては、ハイビジョンカメラが使用されていないので、ごく最近の新しい映像と比較すると見劣りするのはやむを得ない。

     ムーテイは、現在、70歳であり、今でもザルツブルグ音楽祭、ミラノ・スカラ座、ウイーン国立劇場などで元気よく、現役としてオペラを振る重鎮の指揮者である。ピリオド演奏の浸透、新しい演出家の台頭など、移りゆく時代の趨勢などを見ながら、私はムーテイに15年ぶりでこの「コシ」をもう一度振って、ハイビジョンの映像で4度目の彼の集大成となる映像を作って欲しいと思っている。このような期待ができる指揮者は、今のところ、ムーテイしかいないからである。


4)、DVDのモーツァルト・ソフトを探して−タワーレコードの新宿店が多い−

        私のレコード探しはこれまで秋葉原の石丸電気の1号館と決めて過去10年来続けてきたが、今年3月一杯で閉店されてしまい、自分の店をどこにするか決める必要があった。3月4日に久し振りに銀座に出て、山野楽器店とヤマハ銀座店に立ち寄ったところ、ところ変われば品変わるのたとえ通り、新規のDVDが幾つか見つかったので、早速、購入してきた。両店とも石丸電気ほどではないが在庫が豊富のようであり、特にヤマハは音楽関係の書籍類も豊富にあって好都合であるので、今後は秋葉原から銀座にとレコード店を変更してみた。

 その後10月に至るまで、この銀座の二店で月一回か二回のペースでレコード探しを行ってきたが、最近はなかなか新しいソフトが入手できず、月一回で良いと思うようになった。その替わりに新宿駅か池袋駅などで、待ち時間にソフトを探せるレコード・ショップがないかを検討していたが、先日、思いついて新宿駅のタワー・レコードに行ってみた。やはり、ところ変われば品変わるのたとえ通り、新しいソフトが入手でき、在庫量が豊富に思われるので、これからも、時々、覗いてみたいと思っている。最近、入手したソフトは、以下の6点である。



10月18日、銀座ヤマハ店、
1)ナンネル・モーツァルト−哀しみの旅路−全国劇場公開作、2010、3600円
2)ペネキル姉妹ライブ・コンサート、2台のピアノ協奏曲K.365、2007、4440円、
3)アンドレア・ロストのモーツァルト・オペラアリア集、4曲、2003-6、2250円、



10月29日、新宿タワーレコード、
4)モスコウ・ヴィルトウォージ、K.285d、K.182、K.137、2002、1460円
5)ロドロン家の音楽、K.242、K.247、ボルツァーノ・ハイドンO、2006、3245円、
6)映画「モーツァルト・イン・トルコ」マッケラスの「後宮」抜粋、2004、3990円


5)、2011年11月号の放送・番組予定、

     始めにNHKの放送では、教育テレビでの毎週日曜日21:00〜21:57の11月分のN響アワーでは、11月6日(日)の放送が、永遠の名曲たちと題されて「オペラ序曲集」となっているので、モーツァルトの曲は必ず含まれるであろう。その他の放送ではモーツァルトは見当たらないようであった。BSプレミアムのプレミアムシアターは毎週土曜日23:30〜3:30の予定であるが、11月26日のにはNHK音楽祭2011の「華麗なるピアニストたちの競演」と題して、第4回のキーシンと第5回のダン・タイ・ソンが、モーツァルトはないが、毎年録画しているので、楽しみである。
      特選オーケストラ・ライブは毎週日曜日6:00〜7:55の予定とされているが、5回の放送の中で、残念ながらモーツアルトは、含まれていなかった。クラシック倶楽部が毎週月曜日〜金曜日6:00〜6:55に実施されるが、11月9日(水)のゴールウエイのフルートと11月10日(木)の庄司紗矢香のヴァイオリンの演奏曲目が注目される。

      一方のクラシカジャパンでは、「ウイーン国立歌劇場の最新映像」という大特集が組まれており、2010「カルメン」と2011年「アンナ・ボレーニナ」がネトレプコ・ダルカンジェロの主演で放送される。また、今年40歳になるキーシンの2009年ヴェルビエ音楽祭ほかの二つのピアノリサイタルが放送される。さらにウイーンフイルのコンサート・マスターライナー・キュッヒル氏のドキュメンタリーと2000年モーツァルト週間から、フルート四重奏曲第2番K.205aほかが放送される。

       レコード芸術11月号では、隅々まで細かく目を通した積もりであるが、モーツアルト関係のDVDなどの新しい映像情報は、9月号・10月号に続いて見当たらなかった。誠に残念なことである。昨今はSACDが大流行となり、グラモフォンからアバド・モーツァルト管の最新盤の交響曲39番・40番や協奏交響曲K.297b、フルートとハープの協奏曲K.299などが出るが、是非、映像でも発売して欲しいと思っている。

      最近、行きつけの山野楽器店やヤマハ楽器店も新しいDVDが見当たらず困っているので、新宿のタワーレコードを覗いており、数枚のDVDストックが出来ている。ここは矢張り、在庫が最も豊富なように思われる。しかしヤマハのDVD10%オフのサービスも非常に魅力的である。


6)、2011年11月号のソフト紹介予定、

       最新収録のDVDないしBDから2曲、懐かしいLDないしS-VHSテープから2曲という考え方とオペラ2曲、器楽曲2曲という9月に定めた基本方針に基づいて、11月分のソフト紹介の枠組みを定め、第一曲には今年8月にヤマハの店頭で偶然見つけたフリードリッヒ・グルダのピアノ・リサイタルをお届けする。ピアノソナタが4曲も含まれているが、録音の日付や場所も明記されておらず解説書も添付されていない輸入DVDであったが、値段も1200円で驚くほど安かった。しかし、演奏内容は一級品であった。

         第二曲目は、最新購入のDVDとして、前曲と同様にヤマハで見つけた、オペラ「魔笛」の映画版を紹介したい。2006年に制作されたイギリス映画(当然言葉は英語)であり、日本公開日は2007年7月とされているが、私はその存在を知らなかった。コンロンが指揮をし、ザラストロをルネ・パーペが歌っていたので、それ以外の出演者は知らなかったが本物と確信し購入したが、なかなか感動的なファンタジックな愛の物語であったので、オペラを見た積もりでここにご紹介することにした。

         第三曲目は、懐かしいS-VHSテープからガーデイナー指揮のパリ・シャトレ座からの「後宮」(1991)をお届けしたい。他の「フィガロ」や「コシ」などと同様にイングリッシュ・バロック・ソリイストおよびモンテヴェルデイ合唱団を用い、このHPではお馴染みのルーバ・オルゴナソーヴァがコンスタンツエを歌っていた。この映像のアップにより、手持ちのオペラ「後宮」の全てのアップロードが完了する。

 第四曲目は、懐かしいS-VHSテープからコープマンの交響曲シリーズの第二集目となり、交響曲ハ長調「リンツ」K.425ほか4曲をご紹介する。ハ長調K.96(111b)のシンフォニーがこのHPで初出のようである。このシリーズは、第9集で完結し、それぞれ、揃って2本のS-VHSテープに収録されているが、そのうち第4集と第5集が、どうしたものか欠落しているようなので、どのテープに紛れ込んでいるか探さなければならない。いずれにせよ、暫くこのシリーズを継続する予定である。

(以上)(2011/10/30)


(最新購入のDVD;フリードリッヒ・グルダのモーツァルト・リサイタル)
11-11-1、フリードリッヒ・グルダのピアノ・リサイタル、ピアノソナタ変ホ長調K.282、ソナタニ長調K.311、ソナタヘ長調K.322、幻想曲ハ短調K.475およびソナタハ短調K.457、Imperial DVD ClassicによるDVD、収録時期・場所の情報なし、
(2011年8月20日、銀座ヤマハ店にて購入、Imperial DVD Classic SOPI-YSD-1013)


       11月号の第一曲は、今年8月にヤマハの店頭で偶然見つけたフリードリッヒ・グルダのピアノ・リサイタルの映像をお届けする。ピアノソナタが4曲も含まれているが、録音の日付や場所も明記されておらず解説書も添付されていない輸入DVDであったが、値段も1200円で驚くほど安かった。しかし、演奏内容は一級品であった。調べてみると、この映像は、かってフィリップスのLD盤Ph-PHLP-5817(1981-02)として発売されていたものと同じものであり、ドイツで作られたその海賊版であるらしい。DVDにはMozart for the People と書かれていたが、これが海賊版である申し訳なのかもしれない。曲目は標記の通り、素晴らしい曲集となっていた。


(最新購入のDVD;ケネス・ブラナーによるオパラ「魔笛」の完全映画化、)
11-11-2、映画監督ケネス・ブラナー、ジェームス・コンロン指揮、ヨーロッパ室内管弦楽団によるオペラ「魔笛」の完全映画化、2006年、イギリス映画、日本公開日07年7月14日、
(配役)タミーノ;ジョゼフ・カイザー、パミーナ;エイミー・カーソン、パパゲーノ;ベンジャミンJ.デイヴィス、パパゲーナ;シルヴィア・モイ、夜の女王;リューホフ・ペトロヴァ、ザラストロ;ルネ・パーペほか、
(2011年8月20日、銀座ヤマハ店にて購入、全国劇場公開作品、Showgate-PCBE-52728)

        第二曲目は、最新購入のDVDとして、前曲と同様にヤマハで見つけた、オペラ「魔笛」の映画版を紹介したい。2006年に制作されたイギリス映画(当然言葉は英語)であり、日本公開日は2007年7月とされているが、私は、モーツアルトイヤーには、いろいろとアンテナを張っていたつもりであるが、残念ながら、その存在を知らなかった。コンロンが指揮をし、ザラストロをルネ・パーペが歌っていたので、それ以外の出演者は知らなかったが本物と確信し購入したが、なかなか感動的なファンタジックな愛の物語であったので、オペラを見た積もりでここにご紹介することにした。
 オペラの映像を見たままに、そのストーリイの内容までこれまで紹介してきたが、映画でも同じようにすると、映画の種明かしをしてしまうようで、いかがなものか考えたが、ここではリブレットと如何に違うかも重要であると考え、見たままに紹介をしていきたいと思う。


(懐かしいS-VHSを見る;ガーデイナー指揮パリ・シャトレ座の「後宮」K.384)
11-11-3、ジョン・エリオット・ガーデイナー指揮、イングリッシュ・バロック・ソリイストおよびモンテヴェルデイ合唱団」パスカル演出による「後宮」K.384、1991年、パリ・シャトレ座、
(配役)コンスタンツエ;ルーバ・オルゴナソーヴァ、ブロンテ;シンシア・シーデン、ベルモンテ;コーネリアス・ホープマン、ペドリオ;−、オスミン;−;セリム;−ほか、
(1988年8月13日、NHKBS102CHにてS-VHSテープ三倍速にて収録)

       第三曲目は、懐かしいS-VHSテープからガーデイナー指揮のパリ・シャトレ座からの「後宮」(1991)をお届けしたい。他の「フィガロ」や「コシ」などと同様にイングリッシュ・バロック・ソリイストおよびモンテヴェルデイ合唱団を用い、このHPではお馴染みのルーバ・オルゴナソーヴァがコンスタンツエを歌っていた。この映像は1991年に収録されているので、ガーデイナーの最も若い時の映像であり、またオルゴナソーヴァは2度面のコンスタンツエ役であり、彼女はモーツアルト週間でもコンサート・アリアを歌っていた。この映像のアップにより、15種類の手持ちのオペラ「後宮」の全てのアップロードが完了することになり、このHPのオペラ優先のアップロード方針が実ってきたものと思われる。


(懐かしいS-VHSを見る;コープマン交響曲連続演奏会、第二集、5曲)
11-11-4、トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ、 (曲目)交響曲ニ長調(第7番)K.45、変ロ長調(第5番)K.22、ニ長調K.97、ハ長調K.96、ハ長調(第36番)K.425「リンツ」、1991年日本公演、NHK、
(1993年02月14日、NHKによる放送をS-VHSテープに3倍速で収録)

    このトン・コープマン指揮のアムステルダム・バロック・オーケストラによるモーツァルト交響曲連続演奏会の第二集全6曲は、第一集に続き1991年5月20日東京芸術劇場で、NHKによりハイビジョン収録された。この団体は、モーツァルト時代の楽器と編成で18世紀の音色と様式を再現しており、当時としては指揮者トン・コープマンによるピリオド奏法が珍しく、この全曲演奏は、国際的にも注目され、高く評価されている。今回の第二集には、標記の5曲がこの順番に演奏されており、これらのうち交響曲ハ長調K.96(111b)が、このHPでは初出となっている。このコープマンの一連の演奏は、東京芸術劇場ホールで収録されたものであり、彼は指揮台なし指揮棒なしのピリオド奏法の指揮ぶりであり、楽器編成はベースが1本の最小限の弦の編成に2本のオーボエとホルンというおよそ20人くらいの標準構成であった。今回の演奏は第二回であるが、他の演奏との区別は、私は第一ヴァイオリンの女性の青いスカートと第二ヴァイオリンの赤いスカートの色で、瞬間的に判断しているが、第一回の19日と同じ服装であった。

(以上)(2011/10/30)


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