(懐かしいLDより;ドロットニングホルム宮廷歌劇場の「魔笛」K.620)
11-3-3、アーノルド・エステマン指揮ドロットニングホルム宮廷歌劇場管弦楽団と合唱団による「魔笛」K.620、1989年、スエーデン、

−このエストマンの「魔笛」は、18世紀の宮廷劇場の活用と、ピリオド楽器と奏法とがとてもフィットしており、ブッファでは時にはついて行けないテンポ感がこの「魔笛」には見当たらず、そのせいか、初演時に近い素朴な舞台造りとアンサンブルを重視した歌手陣たちの歌や動きを、安心して楽しむことが出来た−


(懐かしいLDより;ドロットニングホルム宮廷歌劇場の「魔笛」K.620)
11-3-3、アーノルド・エステマン指揮ドロットニングホルム宮廷歌劇場管弦楽団と合唱団による「魔笛」K.620、1989年、スエーデン、
(配役)パミーナ;アン・クリステイーネ・ビール、タミーノ;ステファン・ダールベリ、ザラストロ;ラースロ・ポルガール、夜の女王;ビルギット・ルイーゼ・フランドセン、パパゲーノ;ミカエル・サムエルソン、パパゲーナ;ビルギッタ・ラーション、
(1995年12月23日、フイリップス、PHLP-9018/9、4面)

   3月号の第3曲は、これも懐かしいLDからエストマン指揮ドロットニングホルム宮廷歌劇場管弦楽団と合唱団による「魔笛」K.620をアップしたい。この映像は1989年に収録されているので、彼の指揮した8つのオペラ演奏(1981〜1991)の後半に属する演奏である。この歌劇場の「魔笛」には、 エリクソン指揮のベルイマン監督によるオペラ映画「魔笛」(1974、10-12-3)があった。いずれもローカルな歌手が登場していたが、それから15年も経っており、歌手陣は同様に北欧の出身者ばかりであるが、すっかり若返った陣容になっている。しかし、出演者の中では、パミーナのビールは、フィガロのケルビーノでデビュー(1981)以降、「コシ」ではフィオルデリージ(1984)、「イドメネオ」ではイリア(1991)などを歌ってきており、現在では期待できる歌手が揃ってきたように思われる。




   映像は出演者の紹介の後、この劇場独特の開始の木槌の音が聞こえてきて、指揮者のエストマンが颯爽と入場し、魔笛を象徴する三つの和音が鳴り響いて序曲の序奏部が始まったが、これが非常に古楽器風。やがて軽快な弦の響きとともにアレグロになって、序曲の本体が開始された。エストマン流の早いテンポでぐいぐいと軽やかに進み、やがてオーボエやフルートが対話する第二主題となっていろいろな楽器が写し出されていた。カツラを付けた楽員の緊張した表情が写し出され、映像では序曲が終わるまで楽員たちのオーケストラの演奏風景が続けられていた。




   序曲に続いて第一曲の序奏が始まり、幕が開くとタミーノが怪物に追われて危機一髪の状態であったが、三人の従女が怪物を追いかけてきて手にした槍で倒してしまった。三人の従女が気を失ったタミーノを介抱していたが、やがて三重唱で女性らしい争いを続け、結局は三人で一緒に女王のところに報告に立ち去った。遠い背景には現在の四・五階建ての宮殿が写されており、このメルヒェン風の舞台には何かそぐわない気がした。


   タミーノが気がついて死んだ怪獣に驚いていると、笛の音が聞こえて来て呑気そうなパパゲーノが明るいアリアを歌いながら元気よく表情豊かに登場してきた。パパゲーノは舞台で実際に小さな笛を吹いおり、陽気な人物に見えた。王子と鳥刺しの珍妙な対話が始まり、パパゲーノが怪獣を両手で倒したと嘘をついたところに三人の従女が現れ、タミーノはそこが夜の女王の国であると知った。彼女らから女王の娘パミーナの手鏡を手渡され、タミーノはあまりの美しさに呆然として素晴らしいアリアを歌っていた。手鏡の娘が悪者に掠われたと聞いて助け出そうと決意をした途端に、突然大きな音がして真っ暗になり、場面が変わって夜の女王の部屋となっていた。豪華な椅子に座った女王はタミーノを優しく迎えて、アリアを歌いながら王女が連れ去られた経緯を説明し、後半にテンポが変わって「娘を助けて欲しい、あなたしかいない」と必死に頼んでいた。女王の歌唱力に合わせたテンポをとっていた。

   B面に移って、ム・ム・ムの五重唱が始まり、三人の従女によりパパゲーノの口枷が外されて、タミーノには女王様の贈り物として「魔法の笛」が、パパゲーノには「銀の鈴」が渡されて、ザラストロ退治に出発することになり、場所は三人の童子が案内することになって、三人の従女とはここで別れて出発となった。

   場面が変わって、宮殿の中庭か、パミーナがモノスタトスに追われて捕まっていた。そこに突然現れたパパゲーノとモノスタトスとが鉢合わせ。鳥の怪人と黒人のお互いの異様な姿に、二人はビックリして逃げ出すが、パパゲーノは倒れていたパミーナを助け、手にした手鏡で女王の娘と断定。手鏡で二人は直ぐに仲良くなり、パミーナが「愛を感じられる男性なら」と歌い出して、二人の歌は女王の娘と下男の不釣り合いな歌であるが、素朴な見事な二重唱となっていた。

   場面が変わって、空中から雲のゴンドラの三人の童子(実はソプラノの叔母さん方)の案内でタミーノが登場し、タミーノは沈黙を守り、男らしく毅然とした態度で行動せよと教えを受けていた。場所は宮殿の前。3つの扉があり、3度目にやっと中央の扉が開いて、タミーノは僧侶と出会った。ザラストロを巡って口論となり、ザラストロが悪者でなく、お前は女に騙されていると知らされた。タミーノが一人で途方に暮れていると、あたりから遠い声が聞こえてきて、「もうすぐだ、パミーナは生きている」と知らされた。タミーノは勇気100倍し、そこで元気を出して魔法の笛を吹いてみると、何と動物たちが喜んで出てきたので客席から大拍手。ビックリしてさらに吹くと動物たちは聞き惚れ踊り出し、同時に遠くからパパゲーノの笛も聞こえてきて、タミーノはすっかり元気になった。



   一方のパパゲーノとパミーナは、タミーノの笛の音を探してウロウロし、笛を吹くと、反対にモノスタトス一行に捕まってしまった。さあ大変。パパゲーノは思い出して銀の鈴を鳴らしてみると、皆はグロッケンシュピールの音に聞き惚れて一行は機嫌良く踊り出してしまったので、上手く逃げ出すことが出来た。しかし、一難去ってまた一難。テインパニーの音が響いて来て、「ザラストロ万歳!」の合唱が近づいてきた。



   パパゲーノは怖くて小さくなってしまったが、パミーナはさすが王女で、ザラストロが登場すると堂々とザラストロと向き合い、正直にありのままを説明し、さらに母を助けてとお願いまでしていた。モノスタトスがタミーノを捕まえてザラストロの前に現れ、タミーノとパミーナが初対面で、思わず抱き合ってしまった。しかし、ザラストロは全てを知っており、モノスタトスには罰を与え、タミーノとパパゲーノには目隠しをして試練の殿堂へと導き、ザラストロの国の王者の貫禄を見せて第一幕は終了していた。    ザラストロの大勢の仲間の中に、後で出てくる若いパパゲーナがおり、チャッカリとパパゲーノを見つけて、一緒になりたがっている様子の演技が見られ、初めて見る演技でとても新鮮で面白く感じた。



   再び木槌の音がして指揮者エストマンが入場し、オーケストラで行進曲の前奏が始まり第二幕の幕が開くと、ザラストロが一人で思索をしていたが、伴奏音楽に乗って僧侶たちが二人ずつ入場してきた。20人ぐらい僧侶たちが入場し、儀式が始まってザラストロが「神々に使える諸君」と呼び掛けて、夜の国から来た王子が試練を受けて仲間になろうとしていると報告し、皆の意見を求めた。彼等の賛同を得て、ザラストロは神は王子の伴侶を王女のパミーナと定めたと言い、イシスの神とオシリスの神に祈りを捧げ、「彼等に叡智の精神を授け給え」と歌い出し、続いて僧侶たちも祈りの合唱を続けていた。



   そこへタミーノとパミーナが連れてこられ、儀式に続いてザラストロとの三重唱が始まった。これは第19番の三重唱であるが、この儀式に関連づけられてここで歌われるのは珍しい演出で、二人は僧侶たちに認知され、タミーノは試練のため折角合ったパミーナと別れを惜しみながら、必ず戻ってくると目隠しをされていた。    パパゲーノもザラストロが若くて綺麗なパパゲーナを相手に用意したことを告げられて、タミーノと一緒に試練を受けることになり、雷鳴と暗闇で脅されながら、二人は神官たちに連れられ、彼等の二重唱で「沈黙と女に騙されるな」と忠告を受けていた。神官が去ると、早速、三人の従女が現れて、頻りに話しかけていたが、タミーノばかりでなくパパゲーノも彼女らの口車に乗らず我慢したので、彼女らは立ち去っていった。



   場面が変わって、パミーナがベッドで寝ているところへ、モノスタトスが登場し、彼女を見ながら「惚れれば楽しいさ」と早口のアリアを歌っていたが、手を出そうとしたところへ、突然、夜の女王が現れた。夜の女王は、パミーナがザラストロに従っていることを怒って激しくアリアを歌い始め、短剣を手渡してザラストロを殺せと迫っており、まるで悪の権化になったように見えた。「私には出来ない」と泣き出したパミーナに、再びモノスタトスが現れて短剣を取り上げて脅そうとしていると、そこにザラストロが現れたので、モノスタトスは一目散に逃げ出してしまった。「母を助けて」と言うパミーナにザラストロは優しく応え「この聖なる神殿には、復讐を志す者はいない」とアリアを歌って彼女を慰めて勇気づけ、最後には彼女を納得させていたように見えた。素晴らしい堂々とした立派なアリアであった。



   続いて場面はタミーノとパパゲーノが連れてこられ、二人の神官に再び沈黙を守るよう忠告された。パパゲーノはブツブツ文句を言いながら、ここには水が一滴もないと文句を言うと、婆さんが出てきて水を差し出すので、二人は言葉を交わし仲良くなった。婆さんの歳は18歳と2分であり、恋人の名はパパゲーノだとも教えられ、パパゲーノは隠している婆さんの顔を見ようとすると、雷鳴が鳴り響いて二人はバラバラになってしまった。      そこへ「ようこそザラストロの国へ」と三人の童子が空から駆けつけて、タミーノとパパゲーノにご馳走を渡し、魔法の笛と銀の鈴を手渡して沈黙を守れと言っていた。パパゲーノは差し入れのワインを飲んでいたが、タミーノは笛を吹き始めた。すると笛の音を聞きつけて、パミーノが駆けつけてきた。何も語れぬタミーノは、パミーナに背を向けるばかり。パパゲーノも横を向いているので、パミーナは遂に「ああ、確かにもう終わりなのね」と歌い出し、悲しみの余り死ぬしかないと歌って、立ち去っていった。



   第二幕もB面に入り、パミーナと別れたタミーノが彼女を心配して倒れ込んでいると、そこへ僧侶たちが大勢集まってきてタミーノを取り囲み、「イシスとオシリスの神よ、何という喜び」と僧侶たちの合唱が始まった。彼等は「太陽の輝きが夜を退けた」と歌っており、良く聞くと「若い王子がわれわれの活動に身を捧げる」と喜んでいた。その中にはザラストロもおり「彼は間もなくわれわれと同じ資格を得るだろう」と予言していた。    一方のパパゲーノは、差し入れのワインを飲み過ぎてフラフラしていると、足下のグロッケンシュピールがアリアの序奏を奏でだした。パパゲーノが「おいらは恋人か花嫁のどちらかが欲しいな」と調子よく歌い出すと、隠れていたパパゲーナも覗き見をしていた。このパパゲーノのアリアは実に楽しく歌われ、「小鳥のような娘なら無上の喜び」と3番まで歌ってご機嫌であった。そこに顔を隠した婆さんが現れて、ここで私と握手をしなければ、パンと水だけで監禁されてしまうと脅されて仕方なく手を出すと、婆さんは衣を脱ぎ捨てて若いパパゲーナに大変身。二人は思わず抱き合ってしまい、二人の神官が慌てて二人を引き離したので、パパゲーナは再び逃げ去ってしまっていた。



   フィナーレに入って三人の童子が登場し「朝の訪れを告げる太陽が輝くだろう」と歌っていると、パミーナが現れるが何かしら様子が変。見守っていると彼女はナイフを手にし、目はうつろでフラフラしているので、童子たちは声を掛け、王子に会いに行こうと誘い、ナイフを取り上げて、四重唱で王子に会えばあなたを愛していることが分かると納得させていた。
   場面が変わってザラストロとタミーノが登場し、ザラストロは、「良くやっている」とタミーノを抱きかかえ肩に手を載せて、まだ二つの試練が残されていると励ましていた。

ザラストロが合図をすると、厳かな暗いコラールの音楽が聞こえてきて、暗い宮殿の前には二人の衛兵たちが、「苦悩を背負ってこの道を行けば」と二重唱で歌い出していたが、そこへタミーノが登場し、衛兵たちから「心の目を開き、イシスの神秘に身を捧げよ」と教えられた。タミーノが恐れずに出発しようと覚悟を決めたところに、パミーノの声が聞こえてきた。喜んだタミーノは彼女と口を聞くことが許され、「私のタミーノ」と飛び込んできたパミーノと再会をした。



そしてピッチカートの音楽とともに二人で一緒に行こうとし、パミーノが「私が先導するから、魔法の笛を吹いてくれ」と言う。そして笛の音とともに二人は恐怖の扉を開けて、恐ろしい火炎の洞門に入っていった。心配そうに見守る仲間たち。続いて水流の渦巻く洞門にも挑戦し、笛の音に守られて、無事、試練を達成し思わず二人は抱き合ってしまった。二人を見ていた大勢の仲間による「イシスの神へのお礼」の大合唱で迎えられ、二人は暖かく宮殿に案内されていた。




       一方、パパゲーノは大勢の仲間の中にパパゲーナがいないかと必死になって探していた。しかし、どこを見てもパパゲーナは見当たらず途方に暮れていた。パパゲーノはこれ以上探しても駄目だと遂に諦めて、首を吊ろうと覚悟をして、一つ、二つ、三つと数えて諦めて首を吊ろうとした瞬間に、三人の童子が助け船。「銀の鈴を鳴らしてご覧」との教えに、「忘れていた」とばかりにグロッケンシュピールを鳴らすと、パパゲーナが姿を見せ、驚く二人によるパ・パ・パの二重唱が始まって、二人のめでたい再会となり大喜びでしっかりと抱き合っていた。




   場面が変わり「静かに、静かに」とモノスタトス一行が現れ、夜の女王の姿も見えた。一行は「敵は神殿にいる」と様子を探り、激励のため夜の女王を讃えていると、突然、宮殿の扉が開き、恐ろしいざわめきが聞こえて雷鳴が轟き、一行が立ちすくむと同時に急に倒れて姿が見えなくなってしまった。
   場面が一転し、タミーノとパミーナが仲良く登場してきて、ザラストロが二人を迎えて祝福し、大声で太陽の国の勝利を宣言した。そして「神々に身を捧げた者よ、汝らは夜を退けた。イシスとオシリスの神々に感謝を捧げよう」口火を切り、仲間たちによる大合唱が行われていた。そして音楽のテンポが変わり、舞台にはパパゲーノとパパゲーナも集まってきて、一同による壮麗なお祝いの大合唱に発展し「美と、英知には、永遠の王冠が飾られる」と太陽の国を讃えながら幕となっていた。







   オペラ「魔笛」を現代の大劇場で上演する場合、このオペラ特有の舞台転換をリブレット通りに行おうとすると、大変難しいオペラであることに気がつく。例えば最初の舞台転換は、「山々は裂けて、舞台は豪華な部屋」となり、ここで夜の女王の登場となるが、女王はアリアを歌うと直ぐ元の場面に戻るので、演出者は大変な苦労をして「山々を裂き、舞台を豪華な部屋にして、元の場面に戻す」ことを考えなければならない。しかし、このドロットニングホルムの18世紀の古い宮廷劇場の奥行きが深い舞台では、この舞台転換を、舞台後の風景画の絵幕の取り替えだけで、いとも簡単に行ってしまっていた。恐らく初演時とほぼ同じような方法で演出されたであろうこの映像の舞台は、非常に数が多い場面転換をリブレット通りに忠実に行っていた。そして、それが実に素朴なメルヘン風のやり方であったので、改めて見ると共感する方が多いであろうと思われる。

   このエストマンの「魔笛」は、18世紀の宮廷劇場を活用し、ピリオド楽器と奏法で、当時の人気を博したオペラを再現させ、現代においても感動を呼ぶように工夫されたオペラであった。エストマンの早すぎるテンポ感がブッファでは時にはついて行けないところがあったが、この「魔笛」ではそう言う場面は殆どなく、むしろ夜の女王のように歌手の力量に合わせてテンポを遅く設定するような指揮振りを見せていた。そのせいか、初演時に近い素朴な舞台造りとアンサンブルを重視した歌手陣たちの歌や動きを、安心して楽しんで見ることが出来た。    この映像でリブレットと異なる演出は、第二幕の冒頭で、第10番のザラストロのアリアと合唱に続いて、第19番のザラストロとタミーノとパミーナの三重唱が配置されていたことであろう。このような順序変更は、サヴァリッシュの映像(1983)で気がつき、レバインとNY-Metsの映像(2002)などでも行われていたが、恐らく演出者や指揮者による解釈や説明のし易さなどから出てくるものと思われる。

       また、この映像で初めて気がついた幾つかの点を指摘しておこう。第一は最初の三人の従女が活躍する場面の山々の背景画の一つに、現在のストックホルムの海に面した四・五階建ての高い宮殿の姿が描かれていたが、メルヘン風の背景画には恐らく相応しくないような気がした。この劇場の故郷を意味するなら、現代風の建物以外のものが望ましかった。第二に夜の女王の豪華な部屋と王座については、思わずリブレットを確かめたほど新鮮に見えた。まさにリブレット通りで、最近の大型の演出では余り見られないと感じた。第三に、第一幕のフィナーレから大勢の合唱団や通行人に混じってパパゲーナが舞台に出ており、パパゲーノの後をつけ回していた。それが第二幕の婆さん役でごく自然にときどき現れる布石になっていたと、ここでも演出の面白さに気がついた。第四は三人の童子が三人のソプラノであったが、少年の代わりにごく若い少女なら(日本の演出では)当たり前であるが、少女とは言えない皆さんが歌っていたのには驚いた。ところ変わると品が変わると言うが、恐らくこの映像が初めての試みであろうと思われる。

   劇を楽しむアンサンブルオペラなら名歌手は必ずしも必要はないが、パミーナのアンクリステイーネ・ビールは、パミーナの知的な王女役がピッタリであって、この劇場を代表する歌手に育ったと思われた。ストックホルム音楽院育ちのスエーデン人のタミーノ役のステファン・ダールベリも、「テイトスの慈悲」のテイトス役をこなすなど、この劇場に欠かせない歌手に見えた。また、弁者や神官として主役並みに登場していたベッテリ・サロマーは、1961年生まれのフィンランドの若いバリトンで、「にせの女庭師」のナルド役などで活躍を始め出していた。いずれもエストマンのモーツアルトには欠かせない歌手陣であろうと思われた。このLDの映像は画質が悪く、折角の写真が良く写らず、残念であった。

(以上)(2011/03/25)


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