私の2012年11月例会発表報告

−「コンサートでは聴けない名曲を映像で」−   

第一部;「コンサートでは聴けない隠れた名曲たちを映像で」
第二部;モテット「エクスルターテ・ユビラーテ」K.165の映像の見較べ・聴き比べ


モーツアァルテイアン・フェライン2012年11月例会の報告(第331回/11月16日)

−「コンサートでは聴けない名曲を映像で」− お話・・・倉島 収氏(本会副会長)

(1)事務局レター【206号】2013年11月発行より

●11月例会(第331回)のお知らせ

「コンサートでは聴けない名曲を映像で」 倉島 収氏(副会長)

日時:2013年11月16日(土)午後2時(午後1時30分開場)

会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分)

例会費:¥1500(会員・一般共)


――――― 倉島 収氏(副会長)からのメッセージ


映像のコレクションにより例会の発表をさせていただくようになって今回で7回目になりますが、今回も映像の特徴を生かして、第一部としてコンサートではなかなか演奏されないモーツァルトの隠れた名曲を三曲ご覧頂き、第二部として「モテット・踊れ/喜べK165」(ソプラノ協奏曲)が8種類ほど集まっておりますので、美人歌手たちの見較べ・聴き較べを楽しみたいと考えております。

第一部;「コンサートでは聴けない隠れた名曲たちを映像で」
(1)「デイヴェルテイメントニ長調K.251、」、プレヴィン指揮、NHK交響楽団 (13-5-1)
(2)フリーメーソンのための小カンタータ「我らが喜びを高らかに告げよ」K.623、アントルモン指揮、NHK交響楽団、(13-4-2)
(3)二つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ、K.190、ブリュッヘン指揮、ザルツブルグ・モーツアルテウム管弦楽団(2-7-2)

第二部;モテット「エクスルターテ・ユビラーテ」K.165の映像の見較べ・聴き比べ
1グルベローヴァ(1994)、2コロヴァーナ(1991)、3バルトリ(2006)、4幸田浩子(2008)
5シェーファー(1999)、6オジェー(1900)、7オルゴナソーヴァ(1994)、高橋薫子(2002)

(2)事務局レター【207号】2013年12月発行より

●11月例会の報告(第331回/11月16日)

「コンサートでは聴けない名曲を映像で」お話:倉島収氏(当会副会長)

 私の映像のコレクションにより例会の発表をさせていただくようになって今回で7回目になるが、今回もホームページに蓄積している映像のストックの集積を利用して、その一部を紹介させて頂いた。第一部としてコンサートではなかなか演奏されないモーツァルトの隠れた名曲の映像を三曲ご覧頂いた。休憩後、第二部としてモテット「踊れ・喜べ」K165(ソプラノ協奏曲)の映像が8種類ほど集まっていたので、DVDにコピーして、美人歌手たちの見較べ・聴き較べを楽しみたいと考えた。プログラムは下記の通りであるが、当初から、時間不足が心配であった。



「第一部;「コンサートでは聴けない隠れた名曲たちを映像で」

(1)「デイヴェルテイメントニ長調K.251、」、プレヴィン指揮、NHK交響楽団(1999)、 (13-5-1)、
(2)フリーメーソンのための小カンタータ「我らが喜びを高らかに告げよ」K.623、アントルモン指揮、NHK交響楽団、東京混声合唱団(1991)、(13-4-2)、
(3)二つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ、K.190、ブリュッヘン指揮、ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団(2001)、(2-7-2)、

第二部;モテット「エクスルターテ・ユビラーテ」K.165の映像の見較べ・聴き比べ、

 1、エデイタ・グルベローヴァ;シェークヴィスト指揮ストックホルムCO(8-8-2)1994、
 2、タチアナ・コロヴァーナ;大友直人指揮NHK交響楽団、(8-8-2)、1991年、
 3、チェチリア・バルトリ;ムーテイ指揮ウイーンフイル、(6-4-4)、2006年、
 4、幸田浩子;N響の篠崎アンサンブル、(8-7-2)、2008年、NHK、
 5、クリステイーネ・シェーファー;ハイテインク指揮ベルリンフイル(4-12-2)1999年
 6、アーリン・オジェー、バーンスタイン指揮、バイエルン放送交響楽団(8-6-2)1900
 7、高橋薫子;アルブレヒト指揮読売交響楽団(2-11-1)2002年、
 8、リューナ・オルゴナソーヴァ、コープマン指揮モーツアルテウムO(3-9-1)1994

 第一部では、コンサートでは演奏機会に乏しく、映像でもなかなか見ることが出来ない優れた作品を取り上げ、単にCDを聴いただけでは気付かない曲の面白さを、映像により再確認して頂くように考えて、適宜、解説を加えながら全曲を通して視聴した。

   第1曲目は、1776年にナンネルの誕生日のお祝いのためにザルツブルグで書かれた6楽章からなるデイヴェルテイメントニ長調K.251である。譜面は弦4部+2ホルン+1オーボエの構成で出来ているので、別称、ナンネル・セプテットと呼ばれている。ナンネルが好きなフランス趣味で書かれており、各楽章でオーボエが活躍するとか、名称や変奏などでフランス風の味付けが随所になされている。プレヴィンの映像では、コントラバス3本を含めた中規模の弦楽合奏で演奏されており、室内楽風の7重奏とは異なったぶ厚い弦楽合奏とオーボエの響きが特徴的なN響による演奏であった。

第2曲目は、モーツァルトがレクイエムと併行して作曲し、亡くなる直前の1991年11月15日に完成され、自らの指揮で初演されたフリーメーソン・カンタータK.623である。CDでもフリーメーソン全集などスタジオ録音しかなく、現在では全く演奏機会がない曲である。その二日後に病に倒れてそのまま12月5日に亡くなったとされるが、レクイエムと異なって死の予感を全く感じさせない堂々たる力強い祝典的な宗教的作品であることを、皆さんで味わって頂いた。

 第3曲目は、2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネK190であり、5曲のヴァイオリン協奏曲の以前にザルツブルグで作曲された小協奏曲と思われてきた。しかし、映像で確認すると、2つのヴァイオリンの他、オーボエが対等に活躍し、第一楽章のカデンツアでは3楽器が三つ巴で競い合い、第二楽章のカデンツアではそれにチェロも加わるなど、合奏協奏曲風な味わいを持つ異色的な作品であり、その作風を皆さんで改めて確認して頂いた。これらの曲は、日頃、馴染みの少ない曲なので、こういうソフトがあるならもっと視聴してみたいという方が多く、お役に立ったと思われた。

  第二部では、モテット「踊れ・喜べ」K.165の聴き較べであり、この曲は、第3回イタリア旅行において「ルチオ・シッラ」K.135を作曲・初演した際に、主役を歌ったカストラートのために作曲された。「神への讃歌」を歌ったラテン語の歌詞に宗教曲のモテットの形を借りているが、実質的には「ソプラノのための協奏曲」である。  第一・第二楽章は協奏的ソナタ形式を取り、主題ばかりでなくコロラチューラ・ソプラノの声が、楽器のようにパッセージやトリルを歌い、カデンツアでも歌われている。ただし、第二楽章の前には、レチタテイーボがあり、わずかにモテットの形を残している。

 この曲の第1曲目は、最も宗教曲らしいスタンダードな歌い方をしているグルベローヴァの映像で、アレグロ・アンダンテ・ロンドの三楽章を通して聴いた。この演奏は彼女特有の声が安定して良くコントロールされ、宗教的な映像の美しさもあって特別に高い評価となった。
 第2曲目のコロヴァーナの映像は、私が初めて目にしたこのソプラノ協奏曲であったが、若さ溢れる懸命な熱演が今見ても荒削りながら感動ものであった。
 第3曲目のバルトリは、現在、最も期待できるソプラノであるが、ムーテイのオケの前奏のテンポが速過ぎて、最初は戸惑ったが直ぐ慣れた。メゾの声域であるが、それを十分にカヴァーしたカストラートを思わせる力強い歌い方であった。この演奏は、現地でライブで聴いているが、二階席であったので、映像で見た方が表情が豊かで迫力に満ちており、好みがあろうが、彼女の実力の凄さを見せつけられた。
 第4曲目の幸田浩子は、日本人らしい繊細な声を十分に生かした美しい歌い方であり、N響の篠崎アンサンブルは、変則的なオーケストラであったが、この曲の美しさを十分発揮した演奏であった。
   続く第5曲目のシェーファーは、バッハのカンタータなどを多数歌っている正統的なソリストらしく、しっかりと歌っており教会での演奏であったので、最もモテットらしく聞こえていた。オジェーの映像は、バーンスタインのハ短調ミサ曲のLDに含まれていたもので、最も馴染まれている。バーンスタインのゆっくりしたテンポでオジェーはゆとりのある表情で、女王のように堂々と歌っていた。
 続く高橋薫子の映像は、アルブレヒトの指揮で読響の最初にアップロードした映像であった。他の6人よりも線が細めであったが、美しい声できめ細かにしっかりと歌っていた。
 しかし、残念ながら、持ち時間が来て、第8曲目のオルゴナソーヴァは割愛せざるを得なかった。全体として、それぞれが十分に持ち味を発揮した優れた映像が多かったと思われる。懇親会で、オルゴナソーヴァを聴きたかったと言われ、また、森麻紀さんがN響と歌った映像があると教えて頂いた。まるでオリンピックのように国際色が豊かで、それぞれの特徴が出ていたので、楽しい見較べ・聴き較べが出来たと考えられるが、時間不足で、善し悪しの議論が出来ずに残念に思っている。


  (2013/11/18、文責;倉島 収)


(3)私の最新入手ソフト情報−平成25年/2013年12月号−より

13-12-4)、フェラインの11月例会の発表を終えて−皆さんのご意見を聞いて−

例会での発表記録は、資料なども含めて、別途保存しているが、12月号のフェラインの事務局レター用の報告文が完成しており、いずれ添付されることになるので、重複しないように、ここでは皆さんから頂いたご意見を中心にまとめたいと思う。私が使用するソフトは、いつも自分なりに、一言、二言、解説したいものを使っており、今回も持ち時間以上の内容のあるものが多かったので、時間不足となって、申し訳ないと思っているが、見て聴くだけでもまずまずの優れたソフトばかりなので、お許しを頂きたいと思っている。

一番多かった御意見は、モテット「踊れ、喜べ」K.165に関するものであったが、中でも聴き比べを省略したのは残念だったと言う意見が多かった。皆さんにそれぞれひいきの歌手がおり、省略なしでやるには、結局、全部聴かざるを得なくなるので、8曲あれば、それだけで2時間以上掛かってしまう。皆さんがバルトリが力強い歌い方で比較できたので良く分かったと言っておられたが、反面、もっと丁寧に歌って欲しかったというご意見も出ていたのも当然であった。グルベローヴァ、シェーファー、オジェーの最高の三人がそれぞれ教会で歌っていたのがとても良かったというご意見も、もっともであると思った。日本人歌手も、比較すると声が細いがとても美しいと言うことが良く分かり、持ち味を発揮していたが、迫力に欠けるのはやむを得ないと思われた。私は時間切れで、最も地味なオルゴナソーヴァを省略したのであるが、あとで聴きたかったと言われて後悔をした。この演奏は彼女がコンスタンツエ役として評価が高かった実力通りの力量を発揮し、加えてコープマンがオルガンを弾いた珍しいライブであったからである。 森麻紀さんが池辺さんの解説でN響アワーで見たことがあると言われて、集録洩れに気がついた。どなたかその映像をお持ちの方は、好きな歌手の映像と引き替えに、是非、コピーさせて頂きたく、お願いしたいと思う。

プレヴィンのデイヴェルテイメントK.251は、良い曲なのに映像が1組みしかなく残念であったが、ホリガーやマリナーのオクテットの良い演奏がCDであったので、出来れば一部、聴き比べをしたかった。また、コンチェルトーネK.190も、ハンガリーの名手ケレメンのDVDがあったので、第1楽章などを比較してみたかった。カンタータK.623は、フリーメーソンの集まりでなければ聴かれない全く演奏機会のない曲であるが、海老沢敏先生のN響アワー最後の解説が収録されており、ご紹介できたのは良かったと思う。この放送の1991年の時点で、先生方の間では、「レクイエム」が明日への希望の曲であることが定説になりつつあったことを知り驚くとともに、この力強く明るいオラトリオも、宗教作曲家としての作品の1つとして位置づけても良いように思われた。

次回以降は、兎に角、聴き比べが出来ることがDVDの良いところなので、少し曲を少なくして、キチンと聴き比べが出来るように時間配分して、さらに皆さんと意見交換できるよう配慮することが重要であることに改めて気がついた。


(以上)



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