私の2010年4月例会発表報告

−「私の感動した映像ソフト」−   

「珍しい曲・歌手のいないオペラ・歌手のいるオペラ」

モーツアルテイアン・フェライン2010年4月例会の報告(第292回/4月10日)

−「私の感動した映像ソフト」−
「珍しい曲・歌手のいないオペラ・歌手のいるオペラ」− お話・・・倉島収氏(本会副会長)



(1)事務局レター【第167号】/2010年4月より

●4月例会(第292回)のお知らせ

「私の感動した映像ソフト」−珍しい曲・歌手のいないオペラ・歌手のいるオペラ−   お話:倉島 収氏(本会副会長)


  私がフェラインのホームページを立ち上げるための練習台として、自分のホームページ 「映像ソフトで見るモーツアルトの諸作品」を始めて以来、2010年4月で約10年になります。2001年3月から、毎月オペラを含む3本のソフトをアップロードするようになり、旅行に行くたびに 写真集をアップして今日に至っておりますので、今では大変な集積となってきました。これまで例会で担当になるたびに、チェックしてきた映像ソフトの中から面白そうなものを取り上げて参りましたが、今回も最近1〜2年で収録しためぼしいものを中心にご紹介したいと思います。

最初はモーツァルトの小品集ですが、恐らく映像で見るのは初めてという珍しい曲を3曲お届けします。第一曲がデイヴェルテイメント変ホ長調K.113、(9-2-1)、第二曲が幸田浩子とN響篠崎アンサンブルによるコンサ ートアリアK.418「神よ。あなたにお伝えできれば」(8-7-2)、です。第三曲は吉野直子のハープと五重奏による「アダージョとロンド」ハ短調K.617(9-12-4)、です。滅多に聴くことが出来ないモーツァルトの珠玉の作品集です。

「モーツァルトのピアノ協奏曲は歌手のいないオペラである」と言われますが、第二番目は、世界最古のイタリアのオリンピコ劇場で、アンドラーシュ・シフの指揮とピアノ、彼のカペッラ・アンドレア・バルカ楽団により、その気になった思い入れ深い珍しい演奏を、序曲とともにピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466、(10-3-4)を聴いていただきます。

終わりにケント・ナガノによるオペラセリア「イドメネオ」K.366(9-8-3)の素晴らしい最新映像を入手しましたので、時間の都合で第三幕の迫力ある場面を抜粋して見ていただきます。この映像はモーツァルトが初演したミュンヘンのクヴィリエ劇場で演奏され、イダマンテが男性役のウイーン版を用い、最後にはバレエ音楽K.367も組み込まれた見どころが多く、オペラ・セリアとしては最高の傑作ではないかと改めて感じさせるものです。

この20年間にビデオテープを経てレーザーデイスクからDVDに、さらにDVDもブルーレイデイスク(BD)へ とメデイアがドンドン変化して、ハイビジョンの高度な映像も当たり前になってきました。私はブルーレイデ イスクを使いこなして重宝しておりますので、今回はBDプレイヤーを持参し、その使い良さも見ていただきたいと考えています。



ブルーレイによるハイビジョン映像、楽しみですね。例会後のパーティにもぜひご参加ください。会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051



(2)事務局レター【第168号】/2010年5月 

●4月例会の報告(第292回/4月10日)

「私の感動した映像ソフト」−珍しい曲・歌手のいないオペラ・歌手のいるオペラ−   お話:倉島 収氏(本会副会長) 


1、今回も標題通り、氏がご自身のホームページ 「映像ソフトで見るモーツアルトの諸作品」に掲載済みの評価の高い映像ソフトを中心に、予定通り、珍しい曲(演奏機会の少ない珠玉の作品の映像記録)から順番に、配付資料で簡単な説明のあと、4本のソフトを見ることになった。
今回は初めてブルーレイデイスク・プレイヤーを使用し、古い備え付けのコンソール型のテレビに接続してみたが、写りは良かったという大方の評価を得たので、この試みは成功したと言える。



2、「珍しい曲」として選ばれた3曲の中から、映像では初めて見ることが出来た曲として、次の2曲を導入曲の形で聴いた。

2−1、デイヴェルテイメント変ホ長調K.113、作曲;1771年11月ミラノ、ヘンヒェン指揮C.P.E.バッハ室内楽団。輸入DVDによる。
特徴;K.136に似た軽快な曲であるが、4楽章であることと2本のクラリネットが珍しく、むしろシンフォニーのような構成の曲である。
演奏はC.P.E.バッハのベルリンのプロ集団であり、現代楽器によるピリオド奏法で立って演奏していたのが珍しかった。アレグロを颯爽としたテンポで軽やかに演奏していた。

2−2、コンサートアリアK.418、「神よ。あなたにお伝えできれば」、1783年6月ウイーン、ソプラノ;幸田浩子、N響・篠崎アンサンブル(仮称)、NHKのHVクラシック倶楽部より。
特徴;オーボエ・フルートとピッチカートによる伴奏(礒山先生の言うマドンナ・セット)で、アロイジアの声に合わせてコロラチューラの技巧を駆使して作曲されたコンサートアリア。アンフォッシのオペラからの代替曲としてランゲ夫人用に書き換えたもので、K.505と並んでコンサートアリアの代表作。

CDは多いが映像には恵まれていなかった。幸田浩子はハイエンドも何とかこなしており、ハイビジョン映像の美しさが際立っていた。

3、歌手のいないオペラとは;ピアニストのアンドラーシュ・シフが、「モーツアルトのピアノ協奏曲は、歌手のいないオペラである」という信念のもとに、世界最古といわれるヴェチェンツアのテアトル・オリンピコ劇場で、ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466を、自身の指揮とピアノ、彼の楽団であるカペッラ・アンドレア・バルカ楽団で演奏したもの

  2008年に公開演奏した時の映像でありクラシカジャパン(CS736CH)からの収録であった。冒頭に序曲として「ドン・ジョバンニ」序曲ニ短調を選定して演奏し、続けてニ短調協奏曲を三楽章通して聴いた。
  最後のアンコールには、バッハの半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903が続けて演奏され、ニ短調のファンタジーの世界が繰り広げられていた。第三楽章のカデンツアでは、ドン・ジョバンニ序曲を回想する自作のカデンツアを弾いて盛り上げていた。シフの思い入れ深い独奏ピアノと指揮は、視聴者をオペラテイックなファンタジーの世界へと誘うように仕組まれていたが、ライブで会場で聴いた人は兎も角、このようなビデオ鑑賞では、どう受け止められたか心配であったが、この曲を通して聴けたのは良かったという大方の評価であった。



4、ケント・ナガノ指揮、デイター・ドルン演出、バイエルン国立歌劇場O&C、08年クヴィリエ劇場の「イドメネオ」K.366から、第三幕をほぼ通して聴いた。映像はクラシカジャパン(CS736CH)からの収録であり、改装なったモーツアルト初演の歴史のある劇場で、イダマンテが男性役のウイーン版を用い、衣裳は現代風であったがほぼ伝統的な舞台・演出であった。

特に、第三幕後半の「声」の劇的な場面で、イダマンテとイリアの言動が他の映像に比し十分に説得力があり、イリアが必死で叫ぶ「私が生贄です」という声が天の神を動かし、「愛の勝利だ」という「地下の声」を生み出した迫力ある舞台が展開されていた。また、エレットラ役のダッシュ(Annette Dasch)が、激情に駆られた迫真の半狂乱のアリアを歌っていたが、この演出では彼女がネプチューンの生贄の身代わりになったと解釈される新しい演出となっていた。

ケント・ナガノの初めてのモーツアルト・オペラ作品であるが、オーケストラを重厚に響かせ歌手に伸び伸びと歌わせる指揮振りは好感が持て、特に神話に基づくこのオペラ・セリアには良く合っていたと思われ、また最後に第33番としてバレエ音楽のシャコンヌが演奏されていたが、オペラの余韻を楽しむものとして適切であったと思われた。(O.K.)



(3)モーツアルテイアンの最新入手ソフト情報−平成22年5月号より

 4月10日のフェライン例会発表を終えて−ブルーレイ・デイスクのことなど−


  4月例会でのフェラインの発表を終えて、 例会報告はいずれフェラインの「事務局レター」に掲載される予定であるが、ここでは例会で会員の皆さん方との意見交換の中で話題になった事柄などについて報告しておきたいと思う。
  一番嬉しかったことは、今回も選曲が良かったと言われたことと、映像が綺麗だったと言われたことであり、最も気を使ったことが理解されたので自分としても満足している。

  私が事前に気になっていたことは、シフのニ短調ピアノ協奏曲K.466を全曲を通して聴いて頂くには長すぎないかと感じていたことであった。しかもシフの気持ちを理解していただくには、彼の冒頭の語りと序曲に加えて、最後のバッハのアンコール曲の一部を加えなければ意味がないと考えていた。結果的に1時間近く通して聴いていただいて、シフの思惑通りに「ニ短調のファンタジーの世界」に浸っていただくことが出来たが、いささか長すぎないかと思っていた。
  事後の皆さま方の印象では、久し振りで全曲を集中して聴けて良かった、シフの熱演を聴けた、などという大方の評価を得て安心した。ファンタジーを感ずることは、人さまざまであり、演奏もさることながら確かにその雰囲気もその時の気分なども重要であろう。私のような凡人には、目をつぶって何か想像しながら音楽に浸った方が良さそうなのであるが、映像を見ながら何か強制されてファンタジーを得ようとするのは難しいように思われる。果たして皆さんはどのように感じたか、もう少し本音を聞きたいと思った。

  「イドメネオ」については、第3幕から見始めるので、果たして全体のストーリーが理解できるか心配であった。半数位の方は、映像で見るのは初めてではないかと思ったからである。そのためあらましの解説を付けておいたが、冒頭の序曲を最初に聴いて、イドメネオと海神との生贄の約束の場面が類推できる画像を見ることが出来たので、理解し易かったと思っている。ケント・ナガノの映像は少ないので注目した方もおられたし、「声」の部分の迫力や、イリアのジュリアーヌ・バンスを誉めていた方もおられたが、何よりもエレットラ役のアネッテ・ダッシュに目をつけたオペラ好きの方が何人かおられたのはさすがと思われた。

  懇親会の席で、ブルーレイデイスクについていろいろな質問があった。デイスクのことについては、ここ2年余りのうちにレコーダーもBDデイスクも半値近くになってきており、デイスクは今は50GB のものを主に使っていること、値段は5枚組で3500円(2倍速)位であることをお話しした。ブルーレイの場合は、オペラでは3倍速でも映像に問題はないこと、私の場合は、42インチプラズマTV、500GBのBRレコーダーで、BRプレイヤーとも同一メーカーで揃えたこと、レコーダーの方が、プレイヤーよりも再生は優れていること、などをお話しした。テープの時代からデイスクの時代に変わって、BS放送やCS放送で録画に失敗することがまずなくなったことなどをお話した。

(以上)(2010/05/03)


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