私の07年2月例会発表報告

−世界各地で実施された生誕記念コンサートを見る−   

モーツアルテイアン・フェライン07年2月例会の報告(第257回/2月24日)

−世界各地で実施された生誕記念コンサートを見る− お話・・・倉島収氏(本会副会長)




「世界各地で実施された生誕記念コンサートを見る」と題して、昨年1年間に収集したソフトの中から、生誕250年記念と銘打ったコンサートを、オーストリア、プラハ、ベルリン、東京などと並べて見て、その中から約10コンサートを選びDVD化した。そして、プログラムの曲目はその中から強く印象に残っているものを、発表時間に合わせて選ぼうと考えた。

DVDに収録した別添ファイルに示すコンサートから、各コンサートの特徴が出て面白そうな曲目を選ぼうとしたが、結局は2時間半で構成する短い例会プログラムでは、最初の二つのコンサートから多くを選ぶことになった。それは、われわれが出かけた06年1月27日にザルツブルグで開かれた生誕記念コンサートで、祝祭大劇場でムーテイ指揮のウイーンフイルと内田光子、バルトリ、ハンプソンなどの役者が勢揃いして内容が最も豊富であったこと、次いで、ウイーンで1月27日に聖シュテファン教会で開かれたデ・ビリー指揮のオーストリア放送交響楽団による戴冠ミサ曲を始めとする宗教曲コンサートが、珍しい曲目が多く、教会内でウイーン少年合唱団が活躍したりして見応えがあったことなどによる。ここでは、例会記録として見ていただいた映像の見所や、皆さんからいただいた感想などを中心に略記することにする。



【1】ムーテイ指揮ウイーンフイル、内田光子、バルトリ、ハンプソン、楽友協会合唱団

[1-1]ピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503の第一・三楽章。内田光子の自信に満ちたピアノと集中力の凄さが見所であり、物怖じしない堂々たるソリストの風格を見せていた。
[1-2]バルトリによるコンサートアリアK.505、ハンプソンによる「フィガロ」の伯爵のアリアK.492/18、二人による「ドン」の二重唱K.527/7。さすがヴェテランの二人の声は最高であり、大変な人気であった。内田のオブリガートピアノも秀逸。
[1-3]「魔笛」よりウイーン楽友協会合唱団による終幕の合唱。コンサートのフィナーレをオペラの大合唱で飾るなど、心憎い演出。会場は最高の盛り上がりを見せていた。

【2】ビリー指揮オーストリア放送交響楽団、ウイーン少年合唱団ほか、シュテファン寺院

[2-1]グラドアーレ「サンクタマリア」K.273、ウイーン少年合唱団。やや早めのテンポだったが、整然と歌われていた。この曲を初めて聴いたという会員がおられ効果があった。
[2-2]「ベスペレ」K.339より「ラウダテ・ドミニム」、(S)サンドリーヌ・ピオー。シュテファン寺院でこの曲を聴けるとは最高の演出。敬虔な感情のこもった会心の作である。
[2-3]戴冠ミサ曲K.317より、(クレドとサンクトス)を除く。ウイーン少年合唱団。少年のソプラノが透明な声で素晴らしかった。教会内の絵画や彫刻などが輝いていた。
[2-4]教会ソナタK.329、戴冠ミサ曲用の大編成の曲。教会ソナタの映像を初めて見た方も数人おられた。全体の半分ぐらいしか聴けなかったが、皆さんに喜んでいただけた。



【3】その他のコンサートから(会員のご希望を中心に)

[3-1]かねての会員のご希望で、06年「熱狂の日」音楽祭から、ジャズピアニスト小曽根真のジュノム協奏曲K.271の第三楽章をご披露した。中間部のメヌエットが美しく弾かれていたし、その前後の二つのカデンツアがジャズ風にアレンジされ、賑やかであった。
[3-2]これも会員からのご希望で、06年NHK音楽祭からの映像で、ノリントン指揮によるN響のモダン楽器による古楽奏法の交響曲第39番K.543の第三楽章のリハーサル風景と本番を見た。N響のメンバーは納得して演奏していた。今後に残る貴重な映像であろう。
[3-3]これは小生の希望で、NHKの「毎日モーツアルト」の「山本耕史のM旅行」より、バーデンの聖シュテファン教会合唱団による「アヴェ・ヴェルム」K.618。モーツアルトの没後、この教会でこの合唱団の曲として、これまで歌い継がれてきたこの曲。素朴で、心に響く演奏であり、オルガンの伴奏もその場に合ってしみじみと聞こえた。
[3-4]会員からの要望で、NHKの「毎日モーツアルト」の「さよなら特集」に図らずも出演したわがフェライン会員の田嶋・江端ご夫妻のモーツアルト秘話の映像。デュポールのメヌエットによる変奏曲K.573を弾くお二人の映像は、見事な絵になっていた。フェラインのホームページが、NHKの担当デイレクターとご夫妻を結ぶきっかけを作った。
[3-5]ホーネック指揮のチェコフイルの記念コンサートから、クラリネット協奏曲K.622の第二楽章を、シャロン・カムのクラリネットで聴いた。本日の例会を締めくくる美しい演奏で、会場のプラハのエステート劇場が輝いていた。

今回の例会発表では、会員からのご希望を二、三事前に聞いていたので、盛り沢山になりすぎたが、その分喜んでいただけたと思う。コンサートをブツ切りすることはテープでは不可能であり、DVD化されたお陰でこのような試みが可能になったと思われる。

(以上)(07/04/04)

 
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