モーツアルトに関するQ&AシリーズNo1 


−質問1−ウイーンの王宮公園に立つモーツアルト像の右手のVの字は、何か意味があるのでしょうか。−   

質問者は横浜市にお住まいの主婦君島真理子さんです。



問1、ウイーンの王宮公園に立つモーツアルト像の右手のVの字は何か意味があるのでしょうか。(質問者は、横浜市にお住まいの主婦君島真理子さんです。) 

(回 答)


 王宮公園内の有名なモーツアルトの立像については、遠くから見ると右手が何かを指しているように見えることがあるようです。特に、花壇のト字記号を入れた遠景の写真(写真-1)ではそのように写ります。私が撮りました写真( 03ウイーンのモーツアルト行脚の中の写真)は、花壇が枯れて雪があった時期でしたので、立像を下から撮りましたら、確かに右の親指と人差し指とがVの字型のように撮れております。しかし、同じ像の反対側から撮った右側の写真を良く見て下さい。そこには別の方向からの右手の写真が写っておりますが、この写真では右手の指が特定の方向を指しているようには見えません。

 貴女の指摘は、私のHPの左側の写真を見てのご指摘のように思いましたので、他の写真ではどうなっているか、特にクローズアップしたこの像の(右手の指を確認できる)写真がないか文献類を当たってみました。その中で海老沢先生の「モーツアルトの旅5、ヴィーン(1991)」のP-93にありましたので、スキャナーでコピーしたのが(写真-2)です。この写真はどうして撮ったか分かりませんが、カメラの位置が高く、ほぼ像と水平の状態で手の指の形が写し出されています。この写真の右手の形をよく見ますと、ご指摘のように何かを指しているようには思われません。


 この記念像は、ヴィクトル・テイルグナー(1844〜1896)の作で、1896年に国立歌劇場の裏手、アルベルテイーナ広場に建立されたものを、戦後に現在のブルク庭園に移設されたとされています。どの文献を見ても、この像についてはこの程度の説明記事しかありません。もし作られたときに何かを指しているとすれば、そのような解説があるべきだし、そうであれば像の移設に際して何らかの配慮が必要であったと思われます。



 以上を総合判断して、私はこの像の右手の形には特別の意味がないと解釈致しますが、いかがなものでしょうか。


(以上)(04/07/20)

 






(参考)ザルツブルグにあるモーツアルトの立像について、 




 上記の君島さんのご質問は、お友達から聞かれたと言うことでしたが、同じようなモーツアルトの立像は、ザルツブルグのモーツアルト広場にもあります。そして、この像の右手には、はっきりとペンが握られています。右の写真は、海老沢先生の「モーツアルトの旅1、ザルツブルグ、P-107」から録ったものです。この本によりますと、このモーツアルト記念碑は、ルードヴィヒ・シュヴァンターラーの1842年の制作で、このモーツアルト広場の後方に見える建物には、コンスタンツエが晩年に住んでいたそうです。




 


 上の写真では、まだはっきりしないので、別の写真で手の部分だけを拡大したものが次の写真です。右手には細いペンを挟んでいるのがお分かり頂けるかと思います。
 ご質問の君島さんのお友達は、ウイーンの王宮にある立像とザルツブルグにある立像とを勘違いされたのではないかと後で気が付いて、敢えて参考までに記述させて頂きました。お確かめ願いたいと思います。



(以上)(04/08/01)




質問者の君島さんから、8月3日に、次のようなメールを頂いた。苦労していろいろ調べた甲斐があったと言うものだ。この新設コーナーもこの様に機能してくれれば、とてもやり甲斐があると思われる。 



 「数日間の留守の間に、頂いていたメールにビックリしました。
会員でもないのに、結局、モーツァルトのV字の事、調べていただく事になって、恐 縮しています。とても詳しく調査して頂いて、恐れ入ります。知人の方も、これで すっきりした、と喜んでおりました。ありがとうございました。」


(以上)(04/08/04)



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