「モーツアルテイッシモ」に参加して、


〜モーツアルト自身の企画によるプログラム〜北とぴあ国際音楽祭記念事業   

記念品(出演者のサイン色紙)を追加アップしました。(03/01/20)

「モーツアルテイッシモ」に参加して、 

〜モーツアルト自身の企画によるプログラム〜−北とぴあ国際音楽祭記念事業−
         倉島 収(千葉県、mozartian449)


1、はじめに、


                          去る11月16日(土)北とぴあ国際音楽祭記念事業と称された「モーツアルテッシモ!! 〜モーツアルト自身の企画による〜」に参加した。当日の指揮者は、この事業の音楽監督でもある寺神戸亮氏であり、オーケストラはこの事業に特別編成された古楽器グループのレ・ボレアードである。私は日本モーツアルト協会からの紹介で割安で参加できた。

 この日のプログラムは、モーツアルトの1783年3月29日の有名な手紙にある内容と同じものであり、その手紙には、ヨーゼフ二世も出席して大成功だったブルグ劇場のアカデミーの演奏会の様子が生き生きと語られている。過去に何回かこの種の試みがなされたようであるが、私は初めてであり、期待を持って参加した。

 私は北トピアのホールは初めてあったが、舞台から階段状に椅子席が並んでおり、とても見やすく座席もゆったりとしている。これで1300人も収容できる広々としたホールであると聞いて驚いた。曲目はご存じのとおり、ハフナーシンフォニーで始まり、オペラ「イドメネオ」のアリア、ピアノ協奏曲第13番ハ長調、シェーナK.369で第一部が終了。第2部は、ポストホルン・セレナードの協奏曲楽章K.320、ピアノ協奏曲第5番ニ長調(K.175+K.382)オペラ「ルーチョ・シッラ」のシェーナ「私は行きます。急いで」、であり、第3部は、フォルテピアノによる即興演奏のあと、パイジェリオのオペラの主題による変奏曲K.398、グルックのオペラの主題による変奏曲K.455などと続き、レチタテイーボとアリアK.416のあとハフナー交響曲のフィナーレ楽章であり、とても豊富な魅力あるプログラムであった。

 第一部は、いきなり速いテンポでハフナー交響曲が始まる。古楽器らしく賑やかにトランペットやテインパニーがよく響く。とても溌剌として良い感じ。第二楽章も弦の合奏がとても美しく、ファゴットの響きが良く調和している。第二楽章が終わると、メヌエットをパスしていきなりフィナーレ楽章に入り、小気味よいテンポで一気呵成に終結する。繰り返しを省略し、メヌエットで終わらないように意識的に省略したようであった。ややテインパニーが響きすぎたようだが、出だしとしてはまずまずの出来であった。次の「イドメネオ」からのイリアのシェーナは、フルート、オーボエ、ホルンのオブリガート付きの大変美しい曲。ノルウエー出身のブラーテンが伸びやかに歌う。私はこの曲が大好きなので、演奏会で聴けるのが嬉しく、とにかく楽しく聴いた。ハ長調のピアノ協奏曲は、トランペットやテインパニが入ったフルオーケストラで華やかに始まる。フォルテピアノは前奏部から参加している。しかし、独奏部に入ってもピアノの音がオーケストラに溶け込んで、ソロピアノが良く聞こえて来ない。会場が広すぎるのだろうか、或いはフォルテピアノの音量の限界だろうか。

 第二部の冒頭はポストホルン・セレナーデの第三楽章のアンダンテと第四楽章のロンドのコンチェルタンテ楽章であった。この曲を演奏会で聴く機会は少ないが、この演奏のアンダンテの2本のフルート、オーボエ、ファゴットの木管トリオは、独奏をしたり、弦と競い合ったりして実に美しく、深く感銘した。恐らくコントラバス一本の小規模な弦楽器との響きが調和したからであろう。終わりの合奏のカデンツアが見事であり、弦の静かなピッチカートが実に美しかった。ロンド楽章も小気味よいテンポでフルートがとても活躍し、オーボエとの競演が前楽章に負けずに美しく、恍惚となった。二つの楽章だけ取り出して聴くというのは良い趣向である。2曲目のピアノ協奏曲第5番は、私の大好きな曲、しかしK382のロンドを第三楽章にした演奏は初めて聴いた。好きな曲が連続するとメロメロになってしまう。3曲目の「ルチオ・シッラ」からのシェーナ「私は行きます、急いで」は、弦楽器だけの長い伴奏のあとの早いパッセージが連続する器楽的なコロラチューラのアリアで、難曲であるが何とか歌いこなしていた。

 第三部の冒頭の即興演奏は、ニ短調の幻想曲を途中から即興的に変化させて弾いていたが、原曲が素晴らしいのでどうしても比較して聴いてしまい、感銘度が薄れたように思った。二つの変奏曲は、フォルテピアノの音量の乏しさが目立ち、良い演奏なのであろうが満足できなかった。最後のレチタテイーボとアリアK.416は、弦楽器伴奏の激しいレチタに始まりロンド形式のアリアでは、夜の女王のようなコロラチューラのアリア部分も出てきて大変であったが、表情豊かに歌っていた。最後はハフナー交響曲のフィナーレで、長いコンサートの最後を飾った。アンコールにメヌエット楽章が演奏され、これでこの交響曲の全楽章を聴くことが出来た。

 この演奏会の模様については、以上の通りであるが、全体を通じてひと言だけでまとめておくと、オーケストラ曲はいずれも素晴らしく、特にポストホルンは木管楽器がとても美しく感動させられた。アリアやシェーナも良かったが、会場が広すぎたせいか、声量が今ひとつという感じであった。残念なのはフォルテピアノが響かず、良い席に居たのに迫力に乏しく演奏者に気の毒であった。そのため即興演奏も二つの変奏曲も、感銘度が低くかった。いずれにせよ、長時間にわたり企画・演奏に努めた寺神戸氏の熱意と創意によるコンサートであり、気軽に会場に話しかける演奏会の雰囲気も良く、曲により出来不出来はあったにせよ十分楽しめるものであった。氏の尽力に心から敬意を表したいと思う。  終わりに、配布されたプログラムの印刷が濃く、スキャナー向きに思えたので、試験的にプログラムの1~2ページを以下に添付してみた。HPはこの様なことが簡単に出来るので、真に有り難い。

(以上)(2002/12/15)



この「モーツアルテイッシュモ!!」への参加者に対しなされたアンケート調査の回答者に記念品(出演者のサイン色紙)を贈呈するという企画がありました。これに応募したフェライン会員の宮崎宇史さんが、抽選の結果、見事に当選なさいました。このたび、宮崎さんから、フェラインの皆さまへとして、色紙をいただきましたので、早速、以下にアップロードして、お目にかけます。 

 読めないと困りますので、サインは次の通りです。

指揮者;寺神戸 亮、
ピアノ;アレクセイ・リュビモフ、
ソプラノ;トウーナ・ブラーテン、




(以上)(2003/01/20)


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