CDの白化現象を経験して


−CDを沢山お持ちの方、お気を付け下さい。−   

CDの白化現象を経験して、 

−CDを沢山お持ちの方、お気をつけ下さい−         倉島 収(千葉県K.449)


1、CDの白化現象の発見、


 先日、フェラインの皆さんとCD談義をしている最中に偶然に話題になった「CDの白化現象」について、小生の保有するCDの中に心当たりがあったので調べてみた。白化現象と考えられるCDは、下記の3枚で、いずれもロンドンレーベルのアシュケナージのショパン全集(再発の曲集別シリーズ)のものであった。小生は、バラバラに一枚ずつ柏のそごう内にあるCDショップで購入したものであった。なお、CDの保管は、数百枚入るCD棚に、他のCDと同じように並べてあり、保管上、特記すべきことは何もない。 

1、アシュケナージ、ショパン練習曲集、ロンドンFOOL-23052、2297円、(91/12購入)
2、アシュケナージ、ピアノ小品集、ロンドンFOOL-20413、3008円、(89/07購入)
3、アシュケナージ・イン・コンサート、ロンドンFOOL-20414、3008円、(89/07購入)
 
白化現象とは、CDが発売された当時、LPレコードとの比較で、その耐用年数についての議論の中で、CDの溝面が白化してつるつるになり、再生不能になる現象であるとここでは考えている。CDが普及した現在、誰もこの現象について言及しておらず、CDコレクションの多いフェラインの皆さんも、その実物を見た方はおられないようである。小生のCDコレクションは、たかだか1000枚程度であるので、そのうちの3枚に生じていたとすれば、問題が大きいと言わざるを得ない。

 最近いつも買うレコードショップに問い合わせてみたが、この様な現象は聞いたことがないという話であり、これはやはり極めて珍しいことのようである。結果的に同じレーベルで3枚もあることから、メーカーの方にクレームして新品に替えて貰うとともに、詳しく調べて貰い、原因を究明して貰いたいと考えた。今回は、取りあえず、白化現象の生じた3枚のCDの写真を撮り、記録を残しておくことが重要であると考えた。


2、白化CDのクレーム、

 購入したCDショップに相談してみたが、現在はポピュラー系のCDが主体の店になっており、購入当時とかなり様子が変わっていた。私のクレームに対して他人事のようで余り熱意がなかったので、ユニバーサル・レコードのカスタマー・センターの電話番号だけ聞いて自分で交渉しようと考えた。早速、家で電話をしたが、係の方は大変驚いた様子であり、3枚のレコード番号を報告すると、調べるので少し時間を頂きたいとのことであった。

 当方も責任上、白模様が発生している3枚のレコードを念のため再生してみたが、古いCDプレイヤー(デンオンDCD-3500RG)ではいずれも再生不能であったが、最新のパイオニアDV-S747Aというユニバーサル・プレイヤーでは、状態が一番悪い1枚は再生不能であったが、他の2枚はかなり針飛びがあるものの何とか再生できた。しかし、白模様が進むと再生が不能になるのは間違いないと思われた。

 夕方になって電話で回答があり、
1、数日中に3枚のCDの新品を送付したい。
2、ただし、2枚は同じ番号のものであるが、他の1枚は廃盤であり、番号が異なる他の盤(同一演奏)で我慢して欲しい。
3、到着したら、白化CDを梱包して送り返して欲しい。
と言うことであった。お話しでは、同じようなクレームがあったようで、工場の同じロットのものが、材質の関係で時間がくればこういう現象を起こすようであるが、原因は事例を調べるしか方法がないようであった。


  3、メーカーからの回答、

 電話の4日後に、3枚の新品のCDが郵送されてきた。この報告はこれらのCDの再生チェックをしながら作文している。同封の手紙によると、

「ご指摘の信号の読み取り面に、白化状のシミ(くもり)が発生し不具合になったものと思われます。白化現象は、CDの基盤となる材料(ポリカーボネート)の主成分(ビィスフェノールA)が何らかの要因により析出、又は分解によって生じ表面に付着したものです。この要因については、製造当時の各工程で使用した材料の一部が、特殊な環境条件により作用したものと思われますが、原因究明には当時使用した材料が入手出来ませんので特定できませんでした。現在生産しているCDでの各種テストでは同様の現象は発生しておりませんので、ご安心下さい。」


 今回の3枚の中の1枚は、白化現象が発生したばかりか或いは目下進行中と思われるものであり、原因究明に或いは役立つ材料であるかも知れない。小生も技術者なので、品質管理の難しさは骨身に応えているが、製造後10年以上経ってから発見される症状であるようなので、今回のように、製品を取り替えて処置する方法しかないであろう。
 今回分かったことは、販売店は長年の間に取り扱い商品が変わったり、単にメーカーとの取り次ぎしかしてくれそうもない。また、このCDをこの店で買ったという領収書などの証明するものがないことに気がついた。


4、あとがき、

 今回はメーカーがしっかりしていたから問題がなかったが、もし無名の輸入盤などでトラブルが生じたときには、言葉の問題もあり、販売店しか頼りにならないのでクレームすることが大変であると感じた。極めてまれなケースでしか生じない問題なので、気がつかずに放置されるケースや、余り価値のないCDならば泣き寝入りしてしまう例も多いと思われる。 従って、万一の場合に備えて、弱い消費者個人としては、極めて常識的ではあるが、著名なレーベルのメーカーの製品を選び、信頼出来る店から購入することが重要であると思われる。

 CDを多数お持ちの方々、この例を参考に消費者としてクレームして頂くと、メーカーの意識が高まり、製品の品質向上に繋がりますので、どうかよろしくお願いします。

(以上)(03/08/30)




5、CDの白化現象の後日談、 

 白化した3枚のCDと、「CDの白化現象を経験して」と題してホームページにアップした文章とをユニバーサルレコードに送付した。担当の方から受け取ったという趣旨の電話があったので、原因が分かったらいつでもHPの文章も追加修文するから連絡して欲しいとお願いしておいた。  電話では、10年以上古いものなので確定することは難しいようであるが、確かなのはその当時の製作工場からの同じロットから生じたもののようである。また、別のケースでは、CD内の印刷物のインクの成分と反応することもあるという。CDをケースに入れたきりでしまい込まないで、時々、取り出して空気にさらすことも重要であると言われた。CDを買ってから殆ど聴かないで棚に積んで置く状態のCDも結構あるが、注意する必要がありそうだ。

 なお、数日後、同社の担当の堀江文博氏より、次のような回答文が寄せられたので添付する。

「 ご指摘の信号読み取り面に白化状のシミ(くもり)が発生し不具合となったと思われます。白化現象は、CDの基盤材料であるポリカーボネートが、限られた環境下(密封された状態)でCDの付属品(印刷物など)中の成分と反応・分解して生じる可能性が高いのですが、具体的にどのような成分が反応して、今回の白化現象を生ぜしめたかという点の特定まで至っておりません。
 現在生産しているCDでは、同梱する付属晶(印刷物等)を選定する際のガイドラインを作成し、各種テストでは、同様の現象は発生しておりませんので、ご安心下さい。」

(以上)(03/09/17追加) 



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